久しぶりの涼しさを享受した1日。とはいえ来週にはまた元通りの30℃台に戻るみたいですしね。とはいえ、残暑は続くにしてもちょっとでも雨が降って30℃を切るだけで秋の気配!とか思ってしまう様に体が慣らされているのが嫌ですねぇ。本来25℃前後で推移しつつ、今日の秋分の日以降は25℃以下の最高気温で、なんとか夏日ではなくなったから長袖アイテム、揃えましょうね!という連絡をするのがこの時期の例年の流れだったのですから。
でもそんな祝日の土曜日なのに、本日は納品がドカドカとありまして、ホワイトマウンテニアリングの今シーズン最も気合の入ったオーバーシャツというかシャツジャケというかが入荷。生地を作り込んだ結果、メアグラティア張りに価格が上がったのですが、細かい刺し子に織ったスペシャルなオリジナル生地を使っていたので、これはどうにも欲しい!と思って取ってしまいましたね。でもこれは見たら凄さが分かる判り易い生地ですし、デザイン的にもシンプルな中にもこれでもかとオリジナリティを出したアイテムですので、どうせ買うならこれだな!という方が多いんじゃないでしょうか。
そしてハリスの先染めチェックのコーデュロイシャツと見た目にウールのCPOなんですが実は化繊のみで構成されたジャージ素材で圧倒的なストレッチ感とドライタッチ、そしてメンテナンスのし易さが売りのシャツアウターも入荷しております。これあまりの着易さに当面これだけで良いんじゃないかと思わされる危険アイテムです。価格もカットソーらしく布帛よりもリーズナブルですし。
気温はもう今年は仕方がないと思うしかないのですが、実際暖冬になるだろうと想定して、今シーズン投入するアイテムは真冬を除いて快適に楽しく着られるアイテムを中心胃提案しております。実際厚手のダウンの方が快適な気温て最低気温が0℃以下の冬日になるのですが、それってここ数年の暖冬の東京では30日もなく、そうなると最高気温で15℃から20℃の間に着て丁度良いアイテムやコーディネートをお勧めするのが服を楽しむって事なんじゃなかろうかと思いまして。と言ってもじゃぁダウン全く取らないかというとそんな事はないんですけどね。ライトダウンもこれでもかという暖かなダウンも投入しておりますれば。ただ比率としては圧倒的に中衣料的なアイテムを中心にしておりますよ、という事です。
さて、そんないろいろと投入されていて紹介したい気持ちはあるのですが、そこは季節の進みを考えてグッと堪えて今日はこれまた価格差が顕著になったお買い得アイテムを紹介しておきます。

これももう時代の流れというか現在の日本の立ち位置的に仕方がないんでしょうかね。価格設定としてデザイン性に重きを置いているという立ち位置のブランドって、アジア生産でコストを下げてもそれを同じクオリティで先進国で作ったらこの価格になるんだからブランドのラグジュアリーなイメージを確立する為にもそこそこな設定にしておかなきゃ!的価格設定が感じられるのですが、そういうありもしない幻想を価格を釣り上げて産み出そうなんて発想は法的に問題はなくても私としてはタチの悪い詐欺行為だと思っております。それって落語で語られる八百善茶漬けの話じゃないんだから高い値段付けたから有り難がられるってもんじゃありませんやな。でもそういう驕った商売を皮肉る風潮は江戸の昔からありましたので、庶民感情として想定を大きく越える高い物を見てその差が判らないとぼられてるんじゃないか、という疑いを持つ、というのは判り易いロジックです。
同じ様に、つい数年前までまぁそこそこの価格で買えていた物が、久しぶりに見たら2割増し3割増しになっていたらその高騰ぶりにぼられてるんじゃないか、と思うのもまた判らなくもありません。となればトリッカーズとかの様に8万弱から12万と1.5倍ともなればなんじゃそりゃ、とも思うでしょう。でもそんな事は歴史の中で前例がある事です。これまた落語の様な笑い話として語り継がれる有名な話ですが、空前のハイパーインフレに晒されていた世界恐慌下のイタリアでは、ナポリのカフェでエスプレッソを注文して一杯飲んでいたら店員がやってきて『お客様、ご注文頂いた時にはこのメニューの価格でしたがお飲みになっている内にインフレが進みまして只今のお値段は2杯分、倍になってしまいましたのでご了承下さいませ。』と言われたというネタがあるぐらいです。それに比べたら5年で1.5倍はそこ迄あり得ない話ではなし、疑われるかもしれませんが真っ当にやっていて仕方がなくそうなってしまった、という範疇です。
ただ中にはそういう便乗して大した事のない物を高値で売りつけようという物もありますので気をつけましょう、というだけの事です。それも宗教宜しく自分で納得してありもしない幻想をあると信じて買うのに対価を払うのは個人の自由だ!と嘯くのであれば他人がどうこういう事でもありませんわな。
でもね、このペイデイというブランドはそもそもが人気専業ブランドのアイテムに対してストアブランドの良さを楽しみましょうというのが趣旨の復刻ライセンスブランドです。ペイデイは給料日の事で、今は倒産してしまいましたが30年程前、当時米国にスニーカーやG-SHOCKやジーンズなんかを担ぎで買い付けに行っていた私はSCでよく目にした日本でしたらイトーヨーカ堂やイオンの様なスーパーストアであるJCペニーのストアブランドでした。それはそれで変なところを作り込んでいたり適度に端折っていたりしてそのチープさや意外性を含めてそのアイテムを楽しんでおりました。そのテイストで復刻しつつデザインはシンプルでコストを抑えつつ、縫製仕様はリアルワーカーが使う物らしくしっかりしていて、価格はストアブランドらしいコスパの高さというのが現行ペイデイの魅力です。なのでこのシャンブレーシャツも岡山生地で岡山縫製、ミシンもちゃんと変えて細部の仕様に拘りつつ価格は16,500円(税込)という有難い設定でした。生地も結構ヘヴィで洗いべたりがしなさそうな良い感じですし、この価格帯のシャツとして推しの1着だったのです。
ところが丁度先週展示会の資料を貰って見てみたらなんとこのシャツ、20,900円(税込)に価格が上がっているじゃぁありませんか。そりゃ確かに長年追加していませんでしたよ、在庫ガッツリ取っていたから。でもまさかここまで価格が上がっているだなんて。26%値上げにびっくりして、だったらこの16,500円は何もしなくても現行価格から21%オフってことになりますから、残っている内に買っておく方が良いですよ、と思って紹介することにした次第です。サイズも大きめですからSとMで残ってますが、実質M・Lです、このタイミングで押さえておけば、これからの当面続く中途半端な時期を過ごすのにぴったりな1着なんじゃないでしょうか。是非チェックしてみてください。
ちなみにトリッカーズにしろハーレーにしろウィリアム・ロッキーにしろ、敢えて同じアイテムの追加を止めているのはその価格の上昇が日本の賃金の上昇と乖離していて、それだと今までずっと見てきた30代40代50代の方は値上がり感を感じるでしょうし、20代の方は初めて見て現行価格の価値があるものとして認識しつつ大きな出費になってしまうという現状を少しでも緩和した状態で同じ物を紹介したいと思っているからでして、現状は現状で国際経済の問題ですから仕方がないというのは重々認識しております。でもだからと言って今の価格に変更して売ってせこく利益を増やすというのは私はしたくないのです。イメージ的には株を持っていたら価格が上がったという事なので悪い事ではなく至極当たり前な値上げではあるのですが、長くお客様とお付き合いしていく上でその辺の心情を汲んで提案していく事で、単に店と客というドライな関係ではないと少しでも思って頂ければと思わずにはいられません。
さて、明日ですが、昨日も書きましたが明日からは秋の新作、秋の銘作としてアイテム紹介をしていこうと思っております。最初の一発目は頑張って引っ張っていたステイクリエイティブの太畝コーデュロイオーバーシャツを紹介します。実はここ数日の間でラス1になってしまったアイテムな上に、日本で取っているのは諸事情からおそらく今回B.A.Tのみでしょうから。お楽しみに。
あ、最後になりましたがそんな訳で30℃であっても暦の上では秋ですので是非それらしき服を物色しにいらして頂ければ、と思います。流石に朝晩は熱帯夜ではなくなってますしね。皆様のお越しをお待ちしております。
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posted by mercier at 23:40|
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