今日はクリスマスイブですので。ご夫婦でいらしたお客様が1組、それ以外はパラパラといった感じで逆に街中はクリスマスらしく駅ビルやイオンの入り口ではケーキとチキンをとにかく売ろうと四苦八苦しておりましたし、その駅ビルではクリスマスの抽選会もやっておりました。酷いもんで6,000円で1回引けるくじ引きなんですが、しっかり6,000円のティッシュを頂いてくる事になってしまいました。毎年の事なんですが。
てな感じでまったり過ごしてしまいましたが、来週の土曜日、30日で今年の営業は終了させて頂きます。なのでまだたくさんいらっしゃるプレセールをご利用になっていない方、割引の権利を残している方は何とか30日までにお越し下さいませ。
さていらして頂くにあたってこのブログの新作紹介は情報量としては日本広しと言えどもこれ以上ないだろうという内容になっておりますので、重要な情報源だと自負しておりますが、今日紹介するパンツ、日本には何度か入ってきてはいるのですが、彼等のオリジナルのコレクションではなく妙なアレンジをして派手な裏地にして価格を結構な感じにしちゃっているラインナップを当時の代理店が展開しておりまして、それが嫌で合同展とかで見かけてはいたのですが手を出すに至らず。で、現在の代理店が極めてベーシックな生地で展開されている、ファクトリーブランドとしてのカマールを提案していて、結構生地やディテールやシルエットのセレクトが可能だったので、その辺しっかり吟味して別注したら破格と思われる価格を実現出来まして。



今回採用したのはウール生地。と言ってもウール100%ではなくポリエステル35%ポリアミド5%と組成で言ったらファンシーツィードに当たる様な生地。ですがこれがとてもしっかり張りがあってそして見た目にウールのトップ糸を使って織ったかの様なメランジが入ります。それでいて肌触りとしては梳毛の生地なのでツィードやフラノの様なチクチク感はありません。とはいえフロント部分は膝下まで裏地を張っております。勿論展示会の時点ではロロピアーナやカノニコといったイタリアのメジャーどころの上等な生地もラインナップされておりましたが、その手の生地ってがっつりウーステッドなんで冬に履くのには心許ないというかぶっちゃけ寒いと思われ。そして仕事にもカジュアルにも使ってもらおうとしたらお家で洗えるというのは大きなセールスポイントじゃないですか。それもあって今回提案されている記事の大部分が綿生地だったんです。ですが私としてはモデルと仕様をしっかり指定しつつ、私の狙いとしては冬用でデイリーに使えるパンツでありながらやる事はしっかりやってその辺にある見た目だけそれっぽくしたカジュアルパンツじゃなく、本格仕様でありながらデイリーに使えてメンテナンスも楽で、長く楽しんで頂けるパンツにしたかったので。
4万円台になってしまう上にメンテナンスに気を使う高級生地ではなく、ローカルミルの生地で価格がこなれている上に見た目には高級生地に見紛う表情、という条件で探したら、今回はこの生地1択でした。あ、価格の事に触れたので先に書いておくと、これ32,780円(税込)と、税抜きではアンダー3万円を実現しております。直接取引しているメーカーならいざ知らず、現状商社経由で日本に入ってくるイタリア製のパンツで3万円以下というのはもうかなり現実的ではないというかほぼ存在せず。今回も別注仕様にしてなんとか無理矢理実現した次第ですので。
で、生地ではなくパンツ自体のディテールもしっかり凝っております。


まず指定したのがポケットの仕様。後ほど説明しますが内装に凝ったので外見は至ってシンプル、ただしフロントポケットをイタリアのパンツには珍しいLポケットにしております。これによって随分と印象が変わりますので。ドレッシーな縫製仕様で単にドレッシーなパンツを作ったところで現代のビジネスシーンにおいては単なるスラックスに過ぎませんが、これなら程よくカジュアルダウンしつつスラックスの上品さは担保した見栄えに。
後ろポケットは逆にドレス仕様を主張しつつクラシカルにならない様、そしてモード寄りなコーディネートであっても対応出来る様に両玉縁のフラップ無しで。そしてしっかりポケットの端はD関貫を入れて押さえておりますので、フラップを無しにしてスッキリさせつつドレス仕様という点においては最も手間のかかる仕様を指定しております。
パンツはそういう細かいところで主張しないと生地以外ではなかなかここが違いますよ、という差別化が図り辛いのですが、今回はその辺にこだわりました。

そして内装。私のパンツの良し悪しを見る際の基準は内装です。勿論シルエットや生地も大事ですが、マーベルトの後ろをカットしてウェストの詰め出しが可能いしているかどうか、シャツが外に出てこない様に滑り止めの切り返しをつけているか、傷み易い股の部分にシックを付けているか、と言った部分はワークパンツや軍パンならいざ知らず、ある程度きちんと見えるドレッシーな生地を使ったパンツにおいてはデフォルトにしております。上質だ高級だとブランドが言ってんだか輸入商社が売る為に吹聴しているんだか知りませんが、この辺をしっかりやらないで生地だけ高級生地を当て込んで綺麗目とかドレスカジュアルとか謳っているところ、それってロボが握る回転寿司で大間の本鮪を使っているから高いんです、と言われる様なものです。あれ、だったらこれ寿司じゃなくてネタ食ってるって事ですかね??となります。
このブランド、カジュアルパンツからクロージング仕様のトラウザース迄幅広くラインナップしておりますが、クロージング仕様の方が工程数が’倍近く多いのに価格差としてはあまり差がなく。だったらこのしっかり内装でやらないとね、となった次第です。
更にパンツ専業ブランドなのでサイズ展開も豊富。今回44・46・48・50と4サイズ展開にしており、多くの方に楽しんでもらえる様にいたしました。色はダークタン・オリーブ・チャコールの3色で、ベーシックカラーでありつつ表情があるのでオンオフどちらでも楽しんで頂けるかと。
残念ながら来春夏に関しては価格が上がってしまってどうやっても綿麻素材や麻素材だと3万円台中盤になってしまうので、一旦止めておりますが、私の希望的観測としては来年には欧州や英国でもインフレが一段落し、利下げに踏み切る可能性が高く、そうなるとまた価格が下がってくるのでそれを見越して暫く様子見する事にしております。それもあって今回のこのパンツ、とてもオススメです。是非チェックしてみて下さいませ。
さて明日ですが。寒くなってきているのに巻物の紹介をしておりませんでした。今年の変態巻物、というかなんじゃこりゃなマフラーを明日の新作紹介にさせて頂きます、お楽しみに。
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posted by mercier at 23:05|
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