2024年01月31日

冬の銘作紹介 vol.40 LE TRICOT DE LA MERのFisherman Sweater(B.A.T別注)




本セール期間最終日の今日は遠方の方からの注文を中心にギリギリでご来店された方もいらっしゃってそこそこに色々動いておりました。中には既に春夏を見据えて春夏アイテムを20%オフで押さえていかれる方もいて、お客様それぞれの購入戦略というかアイテムの補完や買い足しのし方が現れていてなかなかに興味深いものです。





でもこのところのアイテム紹介の反響がどうもよろしいみたいでして、実はこのブログのアクセス数がジリジリと伸びているのです。長年書いてきてますけど恐らくファッション系のブログでここまで文章量が多く、しかもそこで触れられている内容もかなりディープというのは少ない様で、SNS等様々な媒体が存在する中で情報量が少なくビジュアル一発の写真だけとかそこに1行だけ見出しの様に文章があるとか、散文詩の様に言葉を短く散らしたこれまたイメージ先行のその雰囲気に共感してね、というものは沢山あるんですけどね。





ちゃんとブログを書く、というのが随分と少なくなっている気がします。とはいえ毎回これだけの字数を書いているのはそれだけでかなりなオリジナリティになっているだろう、と自分では思っております。その結果なんでしょうか、1日のアクセス数が平均500程度だったんですけど調べてみたらここ数ヶ月は600平均ぐらいになっており、ここ数週間に関しては700以上で推移しており。それが来客数とかお問い合わせ数とか売上で実感出来れば良いのですが、この暖冬がそう簡単に喜ばせてはくれないんですよねぇ。やれやれです。





とはいえ。こうやってアイテム一つ一つについてきちんと語りつつ、並べてみたらなるほどなコーディネートになっている、という形式での紹介、私も書いていて楽しいですし、アクセス数が増えているのも評価されているんだな、という事で嬉しいです。





で、今日紹介するセーター、これもう絶対にこの価格では手に入らない、あり得ない価格設定だった頃に別注で作った物がほんの少しだけ残っていたスペシャルな物。今これ作れたらとても嬉しいんですけどねぇ、今作ったら3万は超えちゃいますんで。


20240131-lt14aw01dt-01.jpg20240131-lt14aw01dt-02.jpg



ルトリコデラメール、B.A.Tのニットのフェイスにおいてローゲージ寄りなミドルゲージの中では最も多く並んでいるのがこのブランド。英国製のブリティッシュウールを使ったセーターにおいては英国軍納品実績を持ちつつ滅びゆく旧式編み機を持つ工場を引き継いだりと他にはないアイテムを多くリリースしているので、それがマスに受けるかどうかは別にして他にはない英国製のニットを取るならここでしょ、というメーカーです。





その中でも今回紹介するこのセーターは、見て持ってみれば明らかに判るヘヴィさ。何故ならこれ、他のルトリコデラメールのセーターがブリティッシュウールを1本で使って編んでいるのに対し、これだけ2プライ、2本撚りの糸を使って作られているので糸量が倍なんです。その上肩はラグランスリーブ、そしてその型の部分と肘の部分にはスウェードで補強が入っていて漁師仕様でもありミリタリー仕様でもありなハードなディテール。流石にウィンドストッパー機能を持つフリースやソフトシェルには及ばないものの、今年の気候だと風が強い日でなければアウターなしでも過ごせるレベルの暖かさです。そしてローゲージセーターよりも軽くて目が詰まってますから使い勝手が良く。しかもこれ、2本取りだからという事で糸色を2色指定して霜降りにする事が出来る、という事でしっかり指定して作った別注色。単に糸帳から1色選ぶだけなら他とも被る可能性がありますが、これはまず完全に別注色でしょう。





ですがこれ、既に残り1着。なので気になった方は早めの対応をオススメします。その上でこれに2日前のマフラーに一昨日のグローブをして昨日のリュックを背負ってお出かけしたらとても雰囲気ありますよね。完全に英国人か!と突っ込みたくなるレベルですが、マフラーがオリジナリティを主張してくれる、という。となりゃぁ今日はもうこれだな、となった訳です。そしてこの20,780円(税込)という破格の設定。どうやっても2プライの英国製セーターはこの価格ではあり得ませんし、どうやら3万どころか税込にしたら4万近くになるみたいです。それ考えてもかなりお得ですよね。





とまぁこうなるとこれに合わせるパンツ、というのを紹介したくなります。なので明日はパンツの紹介です。





そして明日から2月。本セール期間は終わりましたが、明日からファイナルセール期間として2週間、まだセールをご利用になられていない方は引き続きセール利用を、1月の本セールをご利用になった方は再度1点20%オフがご利用になれます。冬物のみならず梅春時期を想定して色々ご検討いただければと思います。





そして明日は展示会廻りに行って参ります。17時頃には戻ってブログ書いてますので、時間の合う方は定休日ですが是非お越しくださいませ。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月30日

冬の銘作紹介 vol.39 SEIL MARSCHALLのFox Fur Solo Pack(Limited)




いやここでグローブを紹介したらこんな事になろうとは全く想定していなかったのですが。今日グローブばかり動いてました。結果黒があっさり完売。だから残り少ないって書いたのですがその書いた事が余計に急いで黒を押さえておこうという判断につながってしまったみたいです。因みにだったらと思って今日バーカーブラウンの代理店商社に今取ったらどんな感じ?と訊いたらですね、3万近くなるんじゃないか、との事。1.5倍は仕方がないのかもしれませんが、ちょっとライ秋冬に新たに取ろうという踏ん切りがつきませんね。





そして黒の完売もですが、ローデングリーン、我が愛しのカエルちゃんもなかなかに人気でして、こちらも動いております。で、今日は一昨日紹介したマフラーと黒ではなくローデングリーンかバーガンディのグローブを想定してその2つの小物と一緒に持つならこれでしょ!というリュックの紹介をしておこうかな、と。


20240130-smfx00748ca-01.jpg20240130-smfx00748ca-02.jpg



セイルマーシャルのバックパックの中でこのカーキ色の物は現在店頭に2型あり。1型はベストセラーというか最も気に入っているクライマーズパック。これとても良いんですけどそこそこに大きいんですよねぇ。日帰りでお出かけ、という時に秋冬感を出しつつ思い入れのあるアイテムの一つ一つを積み重ねてコーディネートしていくとそれだけで気持ちは浮き立つものです。





実際快適に外で過ごす、というだけでしたらミリタリーやアウトドアのレイヤリングシステムに則って高機能なウェアを組み合わせ、完全防水のバックパックでお出かけするのが間違いないんですが、それだと本当にそこそこな山にでも行くんじゃないとなんかオーバースペック感は否めず。それに対してこのセイルマーシャルもそうですけど何百年に渡って代々家業として受け継がれ積み重ねてきた技術で作られるこの手のアイテム、実用品でありながら工芸品でもあり、その歴史とクラフトマンシップを含めて日々の生活の中で楽しむ、というのがこれはこれで楽しからずや、といった感じです。





更にこのSDGsを何でもかんでも謳えば良いと思ってんじゃないか、と疑わしくなる風潮の中で、このバッグに使われている狐の毛皮、これ毛皮を採る為に養殖される獣ではなく、家畜を襲う害獣として駆除された狐の毛皮でして、ドイツでは狐駆除の為に一匹につき幾らという報奨金を出しているんですが、害獣とはいえ命を奪っているのでそれを有効利用しようという事で比較的安価に払い下げられております。それ故に秋冬の鞄としてこの狐の毛皮を使ったバッグを購入して使う事は、サスティナビリティの精神に適っているという事に。それもあって積極的に別注して作ったりして様々なバリエーションを揃えています。現在このソロパックとマップケース、そして別注で作ったピュアパックと3型のフォックスファーを使ったモデルが店頭に並んでおりますが、どれもこれもラス1になってしまっており。で、今回はここのところの紹介アイテムとの相性でこのソロパックを紹介した次第です。





ラス1ですのでこのシリーズ、気になった方はお早めに。このソロパックは52,800円(税込)ですが、次に作ろうとしたらこちらも1万円以上値上がりしておりますので、それも含めてオススメです。





さて明日は今月最終日、本セールも明日迄ですので、平日ですけどお時間取れる方は是非お越しくださいませ。





そしてアイテム紹介ですが、色と素材と雰囲気でこんな感じじゃない?というレアニットを紹介予定です、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月29日

冬の銘作紹介 vol.38 BARKER BROWNEのSheep Skin Glove “PARIS”




今日を入れて今月は残り3日。早いものです。という事で本セール期間も今日はもう閉店しておりますので明日明後日の2日間のみとなっております。B.A.Tのセール期間中のユルユルのくじ引きもあって、1月に慌てて行かなくてもまぁ2月の1週目とか2週目で良いか、という長年のお客様も多いのですが。まぁ来月前半もファイナルセール期間という事にしてありますので引き続きセールの権利を行使されていない方は使って頂くとして、本セール期間にセールの権利を行使された方は来月のファイナルセール期間にも再度1点20%オフをご利用になれるので、残り2日ではありますが是非本セール期間中にご利用頂きたいところです。





しかしまぁ・・・今日いらしたお客様、narifuri×wild thingsのハッピージャケットを着ていらしていたのですが、今年はこの下にジャージを着ているだけでほぼ事足りてしまっていて、流石にここにきて本当に寒い日がちらほらあるので、ジャージじゃ心許ないのでインナーダウンかフリースなんぞはありませんか?との事。そうなんですよねぇ。ファッションとしての冬の装いとか雪が降る地域に旅行に行こうとかそういう理由以外で本当にヘヴィなアウター、実際なかなか動かないというか寒がりな人じゃないと必要ない気候ですよねぇ、ここ近年、特に今年は。ダウン出さないままで過ごしている方も多いでしょうし。





でもこうなるとアパレル、特に途中で方向転換や生産調整なんかで対応出来ないセレクトショップにはかなり厳しいのであります。だからと言って目新しさの点でも提案としても新規の冬アウターを全く取らないという訳にもいきませんし、発注を色々考えていてもとても悩ましいのであります。今日はTAIONのオーダーをある程度までまとめていたので、兎にも角にもそんな問題が頭の中をグルグルと巡っていて、別な意味で疲れました。やれやれ。





ただそんな中で巻物とグローブは例年よりも動いてまして。厚着しないからアウターを買わない分想定以上の寒さを凌ぐのにそういった物が動いているのだろうという推測は出来ます。となればこの際なので、今ではあり得ない価格で提供している英国製のレザーグローブを本日紹介しておこう、と思い立った次第です。


20240129-bb1801lg-01.jpg20240129-bb1801bu-01.jpg

20240129-bb1801bk-01.jpg



このバーカーブラウン、英国に残っている数少ないオールドイングリッシュスタイルという手法でグローブを作れるメーカー。1936年創業と歴史も長く、英国でグローブと言えばで名前が1番に挙がるのに生産をポーランドとかにしてしまっているところとは大違いで頑なに英国生産を貫いております。





B.A.Tのレザーグローブのラインナップ、英国が中心でイタリアがちらほら、といった感じでして、取るならこのオールドイングリッシュスタイルの英国製が製造工程からしても望ましいのですが、どうしてこれが他のアイテム同様価格が高騰しておりまして、さてどうしてくれようか、という事に。それで近年グローブを新規に取れずにいるのですが、この英国製なのにモデル名がパリなヤツ、どうしてどうして非常にクオリティが高く、革のしっとり感が抜群なのです。





そしてやはり定番というか冠婚葬祭や畏まったビジネスの場を想定して黒は取りましたが、それ以外の2色は他社が日本で展開していない色を革のスワッチから選んで取った物でローデングリーンとバーガンディなのですが、結局このグローブ、日本では黒と焦茶しか他では流通していないので、この2色は別注色となってしまいました。どちらもとても良い感じな色で、特に個人的にはローデングリーンと称しているけれどどうみても雨蛙の様なカーキに近い独特なグリーンなので私はカエルと呼んでいるグリーンが気に入っております。サイズも7.5・8・8.5の3サイズ展開で、黒は随分減っていて各サイズ各1あるかどうかといったところですが、別注色2色はミニマムがあったのでそれなりに数を取った事もあって各サイズ残っております。是非チェックしてみて下さいませ。





さてマフラーにグローブと来たのですがこの2つのテイストからして小物としてバッグを紹介しておきたいな、という事で明日は鞄の紹介です、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月28日

冬の銘作紹介 vol.37 Kyrie qu'il chanteのMoco Moco School Muffler




今月最後の日曜日でしたが、売り上げはともかく充実した1日になりました。午前中からお客様がいらっしゃり昼過ぎ迄1時間半程いらしてトータルで色々と吟味されていかれ、その後13時半頃にいらしたお客様が2時間近くこれまた色々と吟味され、ちょっと空いて夕方17時過ぎにいらして20時近く迄、とほぼお客様が切れずに1日過ごしていたので、まぁ時間が経つのが早いのなんの。ただ流石に1日中お客様とお話ししていると(ほぼずっとお客様のいらっしゃる時間は間を空けつつお話ししてますので)この乾燥している時期は喉にきて、ああ、今日は働いたなぁ、という感じになりますw





さてさて、そこから日中ほぼ全く出来なかった来秋冬の別注企画や展示会が終わっている所への発注の吟味等色々やっていたらあっという間に時間が経ってしまい、気がついたら23時近くになっているという。慌ててブログに取り掛かっております。





昨日予告した通り、今日は巻物にしよう、と思い立ち、巻物は全般的に動いてはいるのですが、さてそれではどれを紹介しようか、となるとこのタイミングで鉄板なアイテムを紹介してもなぁ、となりまして。だったら長らくブログで紹介していないコスパ的にも今ではあり得ないレベルで作り込んだアイテムを紹介しよう、という事で本日はこのアイテムに。最近巷でリリースされているのをあまり見かけませんが、個人的にスクールマフラー、好きなもので。


20240128-kqcm002bk-01.jpg20240128-kqcm002br-01.jpg



どれを紹介しようか、と巻物のラインナップを吟味していて気がついて愕然とした事が。なんと今日紹介するマフラーが巻物の中で最も安い、という事になってしまっている事に気がついたらからです。





このKyrie qu'il chante(キリキリシャン)はB.A.Tのオリジナルレーベルで、日本の技術で欧州を中心としたハイクオリティな素材を使う、もしくは日本の技術で日本独自のアイテムを明治以降に使われる様になった欧米由来の素材を使って生み出す日本独自のアイテム、というコンセプトで企画したレーベルで、セレクトの隙間を補完しつつ提案するのに幾つか過去に作ってきております。





浅草三社祭の総を務めた事のある人間国宝の方に革を使ってウレタンを入れたインソールを使って作って頂いたレザー雪駄、オーダーメイドで洋服の生地を使って手縫いで作る浴衣、両国の革小物職人の手による財布や小銭入れ。それに加えて提案していたのがカシミアを含む高級生地を使って日本の着物の帯を作る技術で作るスクールマフラーというのがラインナップされておりました。





今後もやっていく気満々とはいえ、まぁ随分と色々とやってきているな、と今こう書いていて自分で感心してしまいましたが、コロナ禍もあって最近はなかなかこういった他にはない物作りというのに手を出せていませんでした。で、今日紹介しているこのマフラーはそのスクールマフラーの発展別コンセプト企画、といった感じで作ったスペシャルな日本製アイテムです。





まず縫製は雪深い青森のカットソーを得意とする縫製工場。今回使っているのが非常にフカっとした編み地のニット生地の為、通常の縫製工場だとガチガチに押さえて縫ってしまうので(てかそれしか出来ませんから)、カットソーを縫うウーリーな糸を使って生地の伸縮を活かした縫製にしないといけないので、通常の縫製工場ではなくカットソーの縫製工場に出すしかないのです。





そして生地は一見英国羊毛を手で編んだかの様ですがタオルやスウェット生地のパイル側と同じパイル編みで凹凸が通常のニットよりも大きく、結果としてとてもモコモコした生地になっております。通常のスクールマフラーはメルトンやツィードなんかが使われていてスクールアイテムらしいしっかりとしたものになっておりますが、一見その手の生地と見紛うばかりですけどこれはイタリアのニットやカットソーを得意とする生地メーカーが提案していた生地で、見た目に反してとてもソフトな手触り。この生地を見た時にスクールマフラーをディフォルメして作ったらとても面白いし他にはないよな、となりまして、今にしたらとんでもない小ロットで無理矢理お願いして作って頂きました。





それまでにもオリジナルのカットソーの縫製をお願いしていたのですが、今回は普段作っていない物をしっかりと角のある形状なのにウーリーないとで伸縮のある様に縫製して貰うという面倒なお願いをして、かなり苦笑されましたけどなんとかやって頂き。それで生地の調達が日暮里なのとそれと工賃だけをコストとして計上して価格設定をした結果、なんと10,780円(税込)という税抜きで1万を切る価格設定に。





空気の層がガッツリできるのでとても暖かかく、全くチクチクしないソフトな肌触りと素朴な風合いの見た目、そしてまず他で作られる事のないニッチなアイテムです。スクールマフラーではありますが学生さんがしてそうな感じは一切せず、かなり大人な遊びアイテムになっておりますが、これを紹介する事にしたのはもう1つ理由があります。もうこの価格で作る事はこのやり方でも難しいですけど、インポートの価格が高騰している中でやるべき事はこのやり方で日本でデッドストック反や試験反や残反を使って生地コストを下げつつ小ロットでなんとか工賃も控えめにして縫製して、インポートでそのまま取るのに対して半分ぐらいの価格設定でなんとか提案出来ないかな、というのがデフレにするのではなく日本人の現状の収入に対してお得感を持って楽しんで頂ける方法なんじゃないか、と思うから。





これはまさにその典型みたいなアイテムで、とてもリーズナブルですけどこのクオリティの生地を今探すとどうやってもそんな価格では出せない(生地は調達コストが特殊だったのでそのまま買おうとすると今では4倍近いのだという事が判りました!)再現性のないアイテム。とはいえ、このジャンルに関しては再現性なんて気にせず、今後も果敢に挑戦していくべきだな、と思います。





いずれにしろこれ、各2本程度しか残っておりませんが、これからの時期に厚着をせずちょっと巻物で対応して、という場合にもちょうど良いアイテムですのでぜひチェックしてみて下さいませ。





明日は長らく紹介していなかった別注色中心の英国製レザーグローブの紹介を予定しております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月27日

冬の銘作紹介 vol.36 NORDISKのFlame Retardant Fleece Baker Pant




今日はなんだかんだで色々動いてまして。しかも今日はダウンじゃないアウターがよく動いてました。まぁ流石に今日明日でいらっしゃらないと若干離れているところのお客様には少々厳しくなりますので、今日いらっしゃらなかった方は是非明日いらして頂きたいものです。





でもハイゲージのニットやシャツ、そしてパンツにアウターと満遍なく今日は動いてなかなかでした。特にニットは完売やラス1になる物が複数出ており、少しは冬らしくなってきたかな、と服を売っている身として感じられるようになってきました。でもそれがこの時期になってからかぁ、と思うとゲンナリします。暖冬で売り上げを立てるのに四苦八苦しながらやっておりますので、なんとかお時間とって皆様にいらして頂きたいところです。





さて、しかしまぁ1年で最も寒い時期ですのでその辺を考慮して本日はフリースパンツを紹介させて頂きます。ダウンパンツ、と言いたいところですがダウンパンツだと暑過ぎてしまいますが、見た目にしっかりとしたフリースパンツですと使い易いだろうな、と。


20240127-IMG_6423.jpg20240127-IMG_6424.jpg



昨日はY.by NORDISK、今日はその本体たるノルディスクのパンツを紹介する事に。でもクオリティにおいてはしっかり日本製で作り込みをしていた日本法人が出来る以前のノルディスク、フリースでありながらコシのあるしっかりとした生地でちょっと他にはないな、と実感出来る生地。しかもこれ、フリースなのに難燃加工が施されていて、フリースは表面の毛に引火するとフラッシュと言われる一気に表面が火に包まれる現象が起こるので火の前で着ているのは危険なのですが、そのフラッシュが起きない様に難燃加工をしているのに加えて毛足を刈り込んでいます。その上かなり高密度に編んでいるので結果としてウィンドストッパー機能を獲得しており、フリースのパンツというよりベロアのパンツの様なイメージになっております。





形としてはベイカーパンツにしておりミリタリーアイテムとの相性もバッチリ。お尻のポケットは左右ともファスナーで開閉する仕様にしてフィールドで物を落とさない様に気を配っております。ウェストのドローのテープを通す穴の内側は布帛を張って摩擦で傷まない様にする徹底ぶり。とにかくシンプルなのに丁寧に作られており、しかも素材にも気を配った結果、フリースパンツなのに防風性能もあり通気性もあって暑過ぎず履き易いです。





サイズは44と46各1本ずつ残っており、敢えての黒1色のみの展開ですが、28,600円(税込)でも国産でこのクオリティの生地を使って、となると頑張って付けた価格なので是非チェックしてみて下さいませ。





という事で明日は今月最後、本セール期間最後の日曜日です、皆様のお越しをお待ちしております。そしてアイテム紹介、今日も動いていた巻物の紹介を予定しております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月26日

冬の銘作紹介 vol.35 Y. by NORDISKの2Way Light Down Jacket




色々やっていたら時間が経つのは早いもので。昨日展示会に行ってきた事でこのブランドからはこれ、このブランドからはこれ、という確実に他にはない特色を持つものだけで構成されるセレクトを組むべく、先に発注を出さねばならない既に展示会を終えているブランドの発注を一通り出し終えました。昨日行ってきたnarifuriとTAIONもほぼ選定が終わり、海外の動向を待っている感じです。





というのもこれは、というアイテムでここからはこれが欲しいな、とある程度目星を付けているブランドに限って商談が進んでおらず。ハイエンドアウターに関しては目処が立ってますし、クロージングのベースとなる部分はどうやらロイヤルロウとアクアスキュータムを押さえつつ、新規のブランドに2社程オファーをかけているのですが、レスが悪くて再度昨日今日でオファーをかけてます。そしてある程度既存の取り扱いブランドで埋まりつつあるアウトドアに関しては特にここのこれが欲しいという事でオファーをかけているところに限ってこれまたレスが悪く。





でもベーシックなカジュアルに関してもここからの積み上げという感じですし、ここ半年で貯め込んだこれはというブランドにもう暫くオファーを出していきますので、それ次第になりますが、より尖ったセレクトを目指してあがいてみようと思っております。





さて本日ですが。昨日予告した通り、インナーダウンにも使えるライトダウンの紹介をさせて頂きます。


20240126-IMG_6466.jpg20240126-IMG_6468.jpg



まぁあれですよね、ダウンブランドの乱立は止まるところを知らず、それでいて日本の暖冬傾向は変わる様子もないので、何処も苦戦しているんじゃないでしょうか。個人的にはその点差別化の図れるところだけを集めてきたという自負はありますし、やはり本国生産で今尚作り続けられているところはそれはそれで貴重です。現にNANGAにしろザンターにしろ、日本で生産しているダウンというのはどうせ取るなら、という気持ちで常に目を向けてはいます。





その点このノルディスクのダウンラインとも言えるY.は元々東ドイツでスタートしたダウンに特化したブランドだっただけに、今でもダウンスペシャリストを名乗っております。使われているダウンは全て自社農園で品種改良して作り上げた純白のダウン。クリスタルダウンを名乗っております。





ただもうパンパンのダウンは使う時期が少なくていらないよね、という事で。シェルの中に仕込める程度のライトウェイトなダウンジャケットであり、襟もクルーネックにして様々な着回しが可能なようにしてある、インナーダウンに通じる物が良いな、と。





その点このダウンジャケットはまさに条件を満たしておりますが、それだけじゃないんです。


20240126-IMG_6467.jpg20240126-IMG_6469.jpg



袖が付いている状態からは全く判りませんが、これ袖が取れてベストになるんです。しかもベストの状態でもこれが長袖になるとは思えない美しい接合面でして、この仕様のこのクオリティのダウンというのは他にはないな、という事でこれはやろうという事に。実際運動したり自転車や車に乗る方は袖がない方が腕の取り回しが良いのでそちらを好む傾向にあります。ただ動いている時や乗っている時は良いのですが、止まって徒歩で移動したりじっとしていたりする時間は袖があった方が確実に暖かく。それ考えたらこの仕様のダウンはベストな作りだと言えます。





ただもうこれ、どちらもMサイズがラス1となっており、価格もこなれていて41,800円(税込)ですので、こうやって紹介してしまうとあっという間に無くなりそうです。なので早めのチェックをお勧めしておきます。





そして明日明後日は今月最後の土日です。まだ本セールの権利をお使いでない方が沢山いらっしゃいます。来月もファイナルセール期間として継続はしますが、本セールでお買い物をされた方はファイナルセール期間に再度20%オフの権利を行使出来ますので、この週末に是非お越し下さいませ。





そしてアイテム紹介ですが、明日はこの時期に使いやすい暖かいパンツの紹介を考えております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月25日

narifuriとTAION、2024AW




思ったよりも寒くはなく、あれ??と思いましたけど一応東京はこの冬初めての冬日=最低気温が氷点下の日だったそうで。平年ですと一冬の間に15日程度はあるそうで、それがまだ1日というのは記録的な暖冬と言えるとの事。とはいえ最高気温が10℃前後とか最低気温が2℃だ3℃だというだけでも十分に寒いのですが。





でもこの暖冬傾向にあるというのは当面動かなさそうな気もしますし。以前も書きましたがこれ地球温暖化が直接どうこうというよりも、温暖化に伴うエルニーニョだラニーニャだといった気象現象の結果、太平洋の海水温が高く、それによって偏西風の蛇行がズレて、結果として日本近郊というか日本の太平洋側に寒気が流入しない偏西風の吹き方になってしまっているのが主な原因の様で。だからそのズレがNYとかを今度は寒気が思いっきり直撃する為に猛吹雪で年が麻痺するレベルになってしまったりもしています。





とはいえ、この蛇行のズレが解消されない限り日本に本来の四季がはっきりしているという特徴は戻って来ないでしょうから、そうなると冬の気候に対してセレクトする服の構成バランスを今の気候に合わせて調整しないといけないな、と思いながら展示会に向かいました。





最初がnarifuriだったのですが、narifuriは重衣料を自社で提案するのを気候に合わせて控えて、図らずも午後から向かうTAIONとのコラボのダウンのみにして、自社では中衣料というかミドルレイヤーとソフトシェルに相当する部分までしか作らないという潔いアイテム構成にしております。とはいえ、そのTAIONとのコラボのインナーダウンベストがこの秋冬好調だった事を受けてボリュームのあるダウンを運動して汗をかく自転車に乗っている時にも問題なく使える様に、というコンセプトでもうこれ魔改造と言っても良いぐらいにカスタムしたダウンジャケットとベストをリリースしておりました。この後TAION見に行くんだけどなぁ、と思いつつダウンジャケットの方は提案しておこうかな、という気になるなかなかの出来栄えでした。





そしてマルチテックメッシュも新色が増えていて、これはなかなかに楽しいな、という事で勿論発注予定です。ワッフルの長袖に関しては色々やってみましたけど素材とパターンとギミック全てにおいて高バランスで組み合わさっているのでこれを超える物はなかなかありませんね。昔ながらの北米生産で往年のバランスを今に伝えるビクトリアアスレティックスのワッフルもそのジャンルにおいては他の追随を許さないクオリティですが、現代的な要求を全て満たしているという点においては圧倒的にnarifuriのマルチテックが良いですね。そして更にベースレイヤー的なポジションとして同じ吸汗速乾+抗菌防臭機能を備えたマルチテックのメッシュ素材を使ったヘンリーネックもリリースされておりまして、こちらも良い感じでした。更に高機能なスウェット代わりの長袖カットソーとしてリサイクルポリエステルを使用したコットンライクな表情の高機能天竺生地にアウトドアブランドが挙って採用しているTeijinのオクタメッシュを組み合わせたクルーネックを提案しており、これがまたとても良い感じでした。吸汗速乾と保温とUVカットと抗ピリングを兼ね備えた、中途半端な時期に重宝しそうなアイテム。





と、ここまで書いてお判りでしょうけど、TAIONコラボのダウン以外は全てベースレイヤーかミドルレイヤーをセレクトする感じで、1型2型パンツも発注しようと思ってますけどそれも高機能天竺+オクタのボトムと保温メッシュを張ったリラックスタイプのパンツだけ。つまりヘヴィな物はやらずに間違いなく需要のある、そしてそのジャンルにおいては間違いなくハイクオリティで使い易いものだけをセレクトする予定です。





とまぁそんな感じでしっかり暖冬を見据えたアイテム構成だったので得る物が多かったnarifuriでした。そしてお昼を食べてTAIONの展示会へ。これが今回のTAION、個人的にとても付け易くなってまして。





暖冬だからダウンは厳選して取る!と宣言しておいてnarifuri×TAIONも発注しようかな、と書いた上にTAIONも付け易いってそりゃ一体どういう事よ、となるかもしれませんが、まぁ読んで下さい。インナーダウンに無地のみならず迷彩や豹柄なんかが足されていてそれはそれで、という感じではあるのですが昨年増えたマウンテンとミリタリーの2ラインに加え、ワークと今シーズン限定になるかもしれませんがジャパンスペシャルという2ラインが加わっておりました。そしてそれがなかなかに良い感じでして。更にマウンテンとミリタリーにもキモアイテムが足されてまして、全体的にかなり悩ましい構成になっておりました。





ワークラインはソフトな手触りながらコーデュラ社の強度の高いナイロンを表地に使い、ポケットの角にリベット補強をしているモデルで構成されております。ただアイテム数も少なく、私としては今後に期待といったところですかね。それに対してマウンテンラインの中で個人的に目を惹かれたのが900FPのラインナップ。昨年までは試験的に直営店のみで展開していたハイエンドなダウンをマウンテンラインのライトダウンにぶつけてきたんです。これライトダウンにしてとても暖かい上に、ライトダウンなのでアンダー2万でいけますので、これは来シーズンしっかりとラインナップしておかねば、という事に。モコモコのダウンジャケットは現時点では今回はパスするつもりでいます。やはり棲み分けは大事です。





しかし900というライトダウンじゃなければオーバースペックなダウン性能を提案してきたマウンテンラインに対し、ミリタリーラインは別の切り口できてまして、それがまた良かったんです。といっても賛否両論ありそうな提案なのですが、私は大好きなクレイジーパターン、つまりここのところSDGs的な方向性としてまたリバイバルしている古着の再構築的な見た目になる様、ミリタリーカラーを組み合わせて再構築した様に見えるカラーをラインナップに入れております。なので無地の物はもう他に任せる、という事にして面倒臭いのに価格は同じなクレイジーパターンのミリタリーなインナーダウン的ベストとクルーネックを1型ずつ、そしてリバーシブルでも1型だけクレイジーパターンの物を取ろうかと思っております。というのもこのミリタリーライン、小物も出てまして、クレイジーパターンのヘルメットバッグやショルダー、マフラーなんかもあるのです。なのでその辺を組み合わせて提案する、というのがやりたいなぁ、と思いまして。





更にジャパンスペシャル。この中に日本で生まれたアメカジ服、スーべニールジャケット=スカジャンがラインナップされているんです。中綿ダウンのスカジャンなんてまずお目にかかる事がないスペシャルアイテムですし、しかもこのジャパンスペシャルは日本国内のみの展開、と明らかにインバウンドを狙った(w)企画なのですが、モデルに関しては1シーズンのみで終わりになりそうなので、ぜひこれはぶつけておきたいな、と思った次第です。





とまぁこんな感じで2ヶ所だけだったのにそれなりに内容が濃く、ダウンではあるもののライトアウターを中心にしたのと、ベースレイヤーからミドルレイヤーまでの中身が充実する、という事で取る方向で検討するアイテムがとても多かったので、今日はやはり展示会報告で良かったな、という事になりました。





資料は店頭にありますので、是非チェックしてみて下さいませ。





明日は今日の展示会に刺激を受けたので店頭にある数少ないインナーダウン系のアイテムを紹介しようと思っております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月24日

冬の銘作紹介 vol.34 meagratiaのTwisted Dyed Wool Karsey Fisherman Pant (B.A.T別注)




予報通りの寒い1日。でもどうやら寒さの底は明日の朝の様で。滋賀や岐阜でも大雪で東海道新幹線ですら遅れが出ているレベルなことを考えると、雪が全く降らない関東平野は全然平和なんでしょうけど。明日はnarifuriとTAIONの展示会があるのですが、ありがたい事にどちらも恵比寿なので、駅を挟んで点対称な位置に展示会場があるので多少離れていて歩く距離はそこそこにありますが、まぁお昼は恵比寿ランチだし電車で移動しないと無理な距離を転々と廻るのに比べたらマシですし、歩く距離が10kmになろうかという渋谷から千駄ヶ谷迄をクネクネと一筆書きで繋いで4ヶ所とか廻るよりかは遥かに楽な展示会廻りです。





さて寒い冬となると綿のパンツだと寒いので暖かいパンツを、という事でここのところコーディネート提案をしつつ幾つかのパンツを紹介してきましたが。英国製英国ブランドの物もあればレアなアウトドア物もあり、はたまた仕事に使っても普段履いても鉄板なサイドアジャスターのスラックスもあり、という紹介をしてきましたが、ある意味それぞれのジャンルにおいて勝ちにいっていると言いますか鉄板なアイテムを紹介して参りました。それはそれで勿論自信を持ってお薦めするアイテムなのですが、面白さ、というかチャレンジはしておりません。





いやそんな攻め攻めなアイテムを作られてもそれって使えないじゃない?というご意見もごもっとも。実際モード服ってそれに憧れるのは色気付いた高校生ぐらいから大学生ぐらい迄、仕事とプライベートがきっちり分かれていた時代は趣味としてプライベートの服を楽しむ、というのでオフには尖った服を着てセンスと若さを主張する20代30代もそれなりにいたでしょうけど、オンオフの境界を隔てる壁が随分と低くなった現代においては現実的ではなくなってきていますし、リアルなライフスタイルと乖離している服は服を楽しもうという気持ちを持っている人々にとっても着辛い物になっていると思うのです。





それでも服飾というものがアート的側面を持ち続ける為にも前衛的な取り組みは続けていくべきだと思いますし、そういうデザイナーの芸術的自己表現の為の服、というのも見ておくべきだと思いますが、それをただそのままお客様にぶつけるのは違うよな、とも思います。そのエッセンスを活かしつつ如何に他の服との親和性を上げるか、モードなのにちゃんとデイリーに使える、というアイテムを提案するか、というのがモードブランドもセレクトする意味がある事に繋がる、と私は考えております。





多様性と言いながら結局無難に終始するだけでは面白くはないしオリジナリティを主張する事は出来ませんが、かと言ってTPOを無視した服装や歳相応の分別を疑われる様なはっちゃけ方は大人には要らないので、その辺を上手に擦り合わせて提案する為の別注というのはモードブランドにこそありなんじゃないかと。今日紹介するのはそんな別注の中でも名作中の名作と言えるパンツです。


20240124-IMG_3081.jpg



メアグラティア、ブランドを立ち上げる前から付き合いのある関根氏ですが、今や東京コレクション=楽天ファッションウィークのみならず、年に2回パリで個展を開くまでになっております。最近のコレクションはより前衛的てモード色が強まっている為、なかなかこれはB.A.Tでやっても良いな、と思えるデザイン&生地のどちらかがない、という感じで手が出せてませんが、ブランドスタート時からのマスターピースであるこのフィッシャーマンパンツ(タイパンツ)は何年経っても色褪せないオリジナリティと履き易さとが絶妙なバランスで構成された名作です。





そして彼の生地へのアプローチはアーカイブを見て頂くと再認識されると思いますが、単にモードというだけではなく生地を織る機の特性から染色の工程迄、生産している工場に入り込んで作り手と同等かそれ以上にそれらに精通していないと思い付かない、他では誰もやっていない上にその提案に乗った工場ですらあまりの効率の悪さと手間暇とで再現NGにしてしまう為、素晴らしいけど再現性がない生地、というのが非常に多いのです。このパンツに使われているウールのカルゼも織り自体は尾州の機屋で織られたものですが、これは反染の工程を無視して着物の様に絞り染めを職人の工房ではなく染色工場で行うというイレギュラーな事をやって生まれたスペシャルな生地。これはウール生地を反を広げて捻って絞り上げ、その状態で蛇の様にとぐろにして染色槽に浸けて染色した後、また広げて整形しつつ仕上げるという、反を端からローラーを使って染色槽に浸けて均一に染める染色工場では絶対にやらない方法をやらせて作られております。





ですから広い生地の幅のまま絞った絞り斑が表面に出ておりますし、同じ染まり具合になっている製品が1つとしてないのですが、それがとても美しく、またそんな面倒な事を二度とやりたくないと染色工場がNGを出した為に二度と出来なくなった為、非常に希少性が高い物になっております。しかも別アイテムに使われていたこの生地をブランドのマスターピースであるタイパンツに使った別注なので、一見変則的だけれどシルエットの美しいパンツ、だけどよく見ると生地も非常に凝っている、というアイテムに。そして今回完売したと思っていたのですが、倉庫整理をしたら奥からサイズ1と3が1本ずつ出てきたじゃありませんか。





その話は以前にも書いていたのですが、折角なのでこの機会に銘作紹介で紹介しておこうかと。しかもこれ、今じゃもうちょっとビジネス的にシビアな価格設定になっていますが、当時の設定だとここまでやって30,800円(税込)という破格の設定。かつて細かった頃にサイズ2で買って履いていたけどコロナ禍で第3次成長期を迎え履けなくなったという方、貴重なサイズ3があります。また、今のメアグラティアを見てファンになったという方、ウェスト30インチ程度でしたらサイズ1でジャストサイズです。是非チェックしてみて下さいませ。





さて、そんな訳で明日は展示会2ヶ所ですが、駅は同じなので17時には間違いなく戻ってきております。どちらもガッツリ資料を持って帰ってきておりますので、お時間の合う方は定休日ですが遠慮なくお立ち寄り下さいませ。





内容の濃さ的におそらく明日は久しぶりに展示会報告のみになるんじゃなかろうか、と思っております。もし内容的に微妙、という結果に終わった場合は何かしらかのアイテム紹介を致しますが、まぁそんな事にはならないんじゃないかと。お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月23日

冬の銘作紹介 vol.33 nouのUtility Down Shirt Jacket




オーダー書きつつ別注というか企画からやらないといけないアイテムの企画をしつつ、というのは今日も変わらず。とはいえ年々早くなるんですよねぇ、発注時期が。明日明後日は寒波襲来でこの辺は朝は氷点下予報になってますが、暖冬傾向は暖冬傾向だし、かといってそれが次の秋冬もそうだとは限りませんし。ちょっと偏西風の蛇行がズレたらそれでいきなり極寒の冬がやってきてしまいますし。まぁ流石に東京近郊がNYの様に猛吹雪で完全に交通が麻痺して誰も移動出来なくなるなんて事にはならんと思いますが。





でもほぼ1年前に次の秋冬の気候も含めてこうなんじゃないかという予測を立てつつ発注組むんですからちょっと現実感のない話ですわな。どう考えてもヤマカンでしかないので。やれやれ。





で、こういうアイテムを増やそうというかあったらこれだよね、というのが今日の紹介。ライトな中綿で後々まで使えて単体でも高性能、というのが暖冬でも厳冬でも対応出来るアイテムでしょうから。


20240123-IMG_3110.jpg20240123-IMG_3111.jpg



このnau程勿体無い状況になってしまったブランドもなかなかないでしょう。2007年にナイキの本社のあるポートランドで元ナイキ本社のアパレルデザイナーと元パタゴニアの生産管理のタッグにより、アウトドアの機能性を備えながら土臭さがないスポーティでアーバンカジュアルに使えるサスティナブルなウェアを、というコンセプトで始まったブランドだったのに、韓国でとても売れたからという事で2013年に韓国のアウトドア系アパレルであるブラックヤックグループが韓国企画のライセンスラインを展開した頃から風向きが変わり、そこから4年間の間に徐々にブランド全体の中で韓国企画の比率が上がっていって、2017年を最後に全て韓国企画に切り替わってしまうという、事実上ブランドを乗っ取られた状態になって今に至るという。実質米国企画のラインが消滅した時点で新規のセレクトを中止しましたが、米国企画の物は流石は米国が誇る総合スポーツとアウトドアの巨頭の精鋭が組んだだけあって、細部に渡って先進的でオリジナリティあふれるアイテム構成でした。





まぁあまり書きたくはないのですが、怖いもの見たさというか今日ピックアップする事にしたからには一応知っておくべきだろう、という事で現在のnauのサイトをチェックしてみました。まぁ元の姿は見る影もない状態で、サスティナブルな素材を使ってみたりはしてますけど通り一辺倒な感じだし変にナチュラルな感じにしているのにロゴはしっかりデカデカと主張させ、ナイキからのスポーティなデザイン設計は全く無くなってしまってました。しかも最新のコリアンファッションとして米国で注目されている、とか書いちゃってます。いや本来そんなんじゃなかったから・・・・





このシャツジャケット型のライトダウンは純然たる米国企画で、パーツ毎にダウンを押さえるステッチのパターンを変え、ダウンは全てリサイクルダウンにしていますが、リサイクルのダウンとしては最上位レベルの700フィルパワーをキープ。表地はレトロな60/40ナイロンをフィーチャーして65%リサイクルポリエステル35%オーガニックコットンという組み合わせで作った生地の上からフッ素フリーの耐久撥水加工を施しています。これぐらいだと電車の中でも暑くなり過ぎず、15℃前後まで気温が上がっても着ていられますし、襟にはダウンを入れずリブにする事でこれまた体感温度を上げ過ぎない工夫がされていますから着用時期が長いです。





襟のリブはデッキジャケットからの引用、脇にはシャツジャケとはいえジャケットと同じサイバラを入れてフィット感を高め、ジャケットに近い着心地な上、タイトにラインを出したシルエットに作れるので、この上からシェルやアウターを着て寒い時期にはミドルレイヤーとして使う事も出来ます。とても汎用性が高いのでこれぐらいのアイテムが新たに出てこないか、と思っておりますし、新規で日本未上陸の欧州の欧州製で高機能なアウトドアアイテムを探す際には一つの基準としてこの手のアイテムの出来映えを吟味してしまいます。もう残りがMサイズ1着を残すのみとなってしまっておりますが、そんな数奇な運命を辿ってしまったブランドの名作です、是非チェックしてみて下さいませ。この素材とデザインのクオリティで米国企画の物はパタゴニアの生産背景を使って作られていましたので作りにおいても適当に模倣して作ったアジアのアウトドアメーカーの有象無象とは縫製クオリティにおいても段違いですし、ここまでやって価格は41,800円(税込)ですからかなりお得感もあります。残り1着ですのでお早めに。





という事で明日は朝もとても寒いみたいですし、日中も一桁までしか上がらない予報です、体調管理にお気をつけ下さいませ。





アイテム紹介はこれぞ名作、というパンツの紹介を予定しております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月22日

冬の銘作紹介 vol.32 HARDRIGEのNorwegian Welted English Moc U-Tip Shoes “Gerald” (B.A.T別注)




なんか予報よりも体感としてはかなり暖かい1日で。日中スウェットパーカで外出てました。いらしたお客様も今日はライトダウンにしていたのに汗かいてるんだけどこれ本当に13℃なの??とおっしゃってました。でも明日から寒波が襲来して明後日水曜日には最高気温一桁になる、との事。なんだかんだで冬は続くんですねぇ。





海外とのメールのやり取りに、実質ほぼ専売でデザインと配色をこちらで企画しているパンツェリの長袖Tシャツの企画を進めたりしていると、時間はあっという間に過ぎてしまい、明日にはNANGAのオーダーの締めがあり、今週中にフォックスファイヤーのオーダーも出さないといけないので悩ましいところです。





というのも。今さっきメールが来て一切卸をしておらず自社サイトと自店舗のみで販売している所との交渉がトントン拍子で進みまして、来秋冬の取り扱いが可能になりました。米国のトリプルオートデザインもそうでしたが、基本自社サイトと直売りのみで、というメーカーは元々卸売を想定しておらずそこ迄利益を乗せていないので商社が取り扱うのには向いていません、何故なら商社が入ると本国と日本での販売価格に大きな差が出てしまう事になってしまうので。だから商社がやらないから利益は少なくても希少性が高く実はコスパも良いというのがこの手のところの美味しさです。





ですが今回アウター中心とはいえメリノウールのベースレイヤーの良い感じなヤツを探していて行き当たったところだったのですが、それは外注に出しているので販売価格から下げられない、との事。何が問題って結局メリノウールのベースレイヤーの問題が解決していないので、前述の通りアウトドアメーカー2社の締めが今週なので、先々他社からこれはという物を見つけられると信じてスルーするか、それとも先行で展示会をやっている2社から取るか、という悩みが。うう、なかなか上手くいかんもんですが、妥協しないで探し続ける、という選択肢を常に取るんじゃないと面白くないのでベースレイヤーに関してはスルーですかね。





とまぁそんな感じで悩みは尽きないのですが、アイテム紹介はビジカジスタイルの足元、というテーマで靴の紹介2回目。昨日が革靴でも珍しいパティーヌ彩色のバランスの良い配色のスニーカーソールを履かせたプレーントゥの紹介でしたが、今日はもうちょっと真面目にディテールてんこ盛りだしちゃんとして見えるけれど履き易くカジュアルダウンしてます、という1足を紹介します。


20240122-161y0030101-01.jpg20240122-161y0030101-02.jpg



アードリージュ、ここも日本から代理店がなくなって久しいフランスの靴メーカーですが、ここの売りはなんと言っても現行の軍靴をフランスを中心にフランスが旧宗主国だったアフリカの国々等各国のオフィサーシューズを請け負っている事。そして元々同じフランスのシューズメーカーであるエシュンのフランス工場を引き継いで事業を始めたメーカーだったので、エシュンやパラブーツと同じく(この2つ元々同じ村に工場を構えてましたw)機械式のノルウィージャン製法が出来るという事です。





このジェラルドという英国風の被せモカと日本では呼ばれているUチップのデザインなのですが、アードリージュではグッドイヤーかノルウィージャンかを指定出来ましたので、同じアッパーデザインでもクロケット&ジョーンズではグッドイヤー1択ですからここはノルウィージャンで、と指定。そしてアードリージュ、デュピュイの黒に関しては各国の軍靴に使うので優先的に血筋やトラの入っていない所を押さえられるのですが、黒以外の革ってなるとなかなか安定供給されず、このマロンを使ったモデルは過去に2回ボツっているのを性懲りも無く発注し続けて漸く3回目にして入ってきたという苦心の別注に。


20240122-161y0030101-03.jpg20240122-161y0030101-05.jpg



そしてちょっと色が濃いので見難いですが、横から見るとソールがとても薄いのが視認出来るかと。フランス靴メーカーはラバーソール好きではあるのですがどうしても分厚いソールを合わせてきてしまうもの。そこを今回はシングルソールに相当する薄いゴルフパターンのアードリージュオリジナルソールを指定しておりまして、結果として履いた最初からとても足の返りが良いのです。履いて歩くとビックリするぐらいです。





結果としてなかなか実際に作られて来ない物になっている上に、デザインは英国調、底付けは英国ではほぼ作られていないノルウィージャン製法、底材はフランスでも珍しい厚さ薄めのダイナイト風ラバーソール、というとても珍しいバランスの1足になっております。現在6.5と8の2サイズを残すのみとなっておりますが、このクオリティで51,700円(税込)と破格の設定ですので、足が小さめの方と若干大きめ(8でスニーカーで27cm強の足の大きさの方が丁度良いぐらいのサイズです)の方は是非チェックしてみてくださいませ。パラブーツの価格が税込で10万超えるという状況ですので、ほぼ半額ですから。





さて、1週間強かけてお送りしてきたビジカジコーデを念頭に置いたアイテム紹介、如何だったでしょうか。ひと段落ついたので明日は切り口を変えてアイテム紹介しようと思っております、お楽しみに。


ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキング
posted by mercier at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする