2024年10月31日

秋の新作紹介 vol.22 COBMASTERのLight Duck Quiltig Lining Field Jacket




結局まったり営業になってしまい、これならいつも通り17時頃に戻ってきてブログ書きがてらいらしたお客様に対応していても同じでした。まぁ納品あったんで仕方がないですけど。本日入荷のフォックスファイヤー、いや良かったです、流石のクオリティ。このブランドとんでもなく沢山のアウトドアアイテムをラインナップしておりますので、ファッションとしてセレクト出来るのはサプルースラインと作り込んだ上位モデルの一部ぐらいなのですが、そのサプルースラインのコレクションは非常にクオリティが高く、今日入荷した尾州産のウォッシャブルウールのシャツとクーマラムのジップアップカーディガンも今日いらした方がお取り置きされていったくらいです。明日も明後日も入荷が続きますので、そちらも楽しみにしております。





さて本日ですが、これならもう着られる、というアウターの紹介です。暑くなり過ぎないけれど十分に暖かい傑作アウターです。


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毎シーズンこれはというアイテムを厳選して取り扱っているコブマスター。今シーズンは先に紹介したコーデュロイパンツと今回紹介しているフィールドジャケットの2型のみですが、納得のいくクオリティとコスパです。





このフィールドジャケットはワークウェアとして1枚で使うのには軽いライトウェイトの微起毛にしたダック生地を表地に使い、サーモライトマイクロを中綿にしたキルティングをライニングする事で、軽くて丈夫で適度に暖かいアウターに仕上げております。フロントも敢えてファスナーにせずドットボタンで留める仕様にする事で適度に換気が出来て暑くなり過ぎない様にしております。ディテールとしてはシンプルに両裾にコーデュロイでパイピングした両端を2つのドットボタンで留めるフラップの付いたパッチポケット、そして左右の胸の合わせ近くに縦ファスナーのポケットを装備しているだけですっきりとした表情。でも襟をポケットフラップのパイピングと同じコーデュロイで切り替えてバランスを取ってまして、更に背面にはセンターベントが備えられていて動き易さも確保。襟とパイピングに使われているコーデュロイは先に紹介したコーデュロイパンツと同じ生地なのでセットアップで使用するととてもバランス良く纏まります。そしてこのクオリティで16,280円(税込)というのは非常にコスパが高く、上下で買っても3万にもならないんですからこのブランドは本当に凄いです。勿論価格帯が上のアイテムはこのコブマスターを取っているのを前提に取っている訳ですから、クオリティにしろ使い勝手にしろ上だと判断して取っているのですが、少なくともファストファッションメーカーのアウター以上にクオリティにしろデザインんバランスにしろ高いと断言出来るクオリティですので、このぐらいの予算で周辺の方と被らないアウターをという方は是非チェックしてみて下さいませ。サイズは38と40の2サイズ展開です。





という事で明日は明日で納品がありますのでそれはそれとして、アイテム紹介は本日入荷したフォックスファイヤーのウォッシャブルウールのシャツの紹介を予定しております、お楽しみに。


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2024年10月30日

秋の銘作紹介 vol.11 ROYAL ROWのWool/Silk Herigbone Tweed Jacket “KENT” (B.A.T別注)




平日でしたがわざわざスケジュールを調整して千葉から電車を乗り継いで昼過ぎにお越しくださったお客様がいらっしゃいまして、遠方な上に色々とご紹介した事もあって吟味を重ねられて15時半頃までそのお客様がおられ、その後18時過ぎに仕事帰りのお客様がいらした事で平日だというのに楽しく接客して過ごした1日となりました。毎日こんな感じだと凄く幸せなんですけどねぇ。漸く涼しくなってきたからこそこんな事が言えるでしょうけど。秋の支度というか、秋を楽しみつつ冬に備える時期がやってきております。





ここ数日で季節の進行に合わせた納品が予定されており、尾州で織られたウォッシャブルウールのバッファローチェックのシャツや昨年大好評だったクーマウールを使ったフルジップセーター(ニットブルゾン)が新色を加えて入荷予定。連休に合わせてライトダウンに特化してセレクトしたTAIONの今年のダウン数型


と、イーリーキシモトテキスタイルのレトロスニーカーにビブラムソールをオーバードッキングさせて再構築した限定スニーカーも入荷予定です。ローゲージニットや重衣料は11月に入ってからの投入となりますが、既存のアイテムとその辺りの新規投入アイテムで11月頭の連休は十二分に楽しんで頂けるかと。





そんな中でのアイテム紹介ですが、ドレス寄りなテーラードジャケットというのが随分と減っていて、サファリジャケットとかラウンジジャケットとかはあってもオーセンティックでシンプルなアイテムがこれしかない、という状況でしたので、今日はその紹介を。


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この辺のクロージングアイテムについて本当に待ったなしで動かねばならない状況になってしまっているのを思い知らされる1型1着しか残っていないという事実。ロイヤルロウ、ちゃんと検討はしたのですが、今シーズンも来春夏もネイビーのジャケットばかり提案されていて、しかもそれがジャージやフラノだったりでどうにもそそられず。もうちょっとオリジナリティに富んだ提案をして欲しいところなのですが、カジュアル寄りなアイテム(カバーオール型ジャケットやブルゾン)は充実しているのですが、テーラードジャケットのラインナップはかなり限定的でして、その辺高額なテーラードジャケットを当たり前の様にずらりと並べて平然としているブランドよりマシではあるのですが、それでもクロージングとしてジャケットが無い、というのは避けたいので次に期待したいところです。





で、このぐらいの上からコートを着て丁度良いウェイトの着易いテーラードジャケット、あれば取りたいアイテムなのですが、これは店頭に出していなかった為に奇跡的に残った1着。ウールシルクという生地の組成は中にベストを着たりニットを着て丁度良い生地感ですが、表情はツィーディーでしかもヘリンボーンなので秋冬らしい表情です。極力芯を無くしているのに見た目にはしっかり構築的で、季節感のあるジャケットですので、ダークブラウンのコーデュロイやブラウン系の配色で構成されたグレンチェックのパンツ等を合わせるととても風流なコーディネートになるでしょう。46が1着だけになっておりますので気になった方はお早めに。価格は85,800円(税込)と生地のグレードとイタリア製クロージングという事からして現在では破格の1着です。





さて明日ですが、来春夏の展示会は流石にもう無い時期(来月から来秋冬展が入ってきますが)でして、月末でもあり一応営業しておこうかな、と。単に納品日の変更依頼を忘れて明日納品があるというのもありますが、まぁ店頭の入れ替えをしつつのんびり営業しますので、木曜日が都合のよろしい方は是非お越し頂ければと思います。





アイテム紹介ですが、来週には気温が丁度良くなると思われるコブマスターのフィールドジャケットの紹介を予定しております、お楽しみに。


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2024年10月29日

秋の新作紹介 vol.21 CONCORDの1970's MA-1 (80's Dead Stock)




長袖Tシャツ1枚だと寒いぐらいに気温が上がらなかった上に午後からしっかり雨が降り、ますます気温が下がるという1日でした。まぁ判ってはいましたが。しかしこうなると元々本日取り置き分を引き取りにいらしたお客様以外はほとんどいらっしゃらず。それもあってキルティングジャケットくらいのライトな中綿のアウターを店頭に出しつつ、シャツもウールのシャツ等このぐらいの気温で丁度良いシャツを一気に店頭に出しました。これぐらいの気温に安定してなる様になってくれれば多くの方が秋冬アイテムをお求めにいらっしゃると思うのですが。流石に11月はライトアウターを中心に動いてくれる事でしょう。





そんな気温の今日に合わせて、そしてここ2日間のハイクオリティなミリタリーアイテムでのブラックコーデの提案と続けて、今シーズン取ったデッドストックミリタリーアイテムであり、丁寧に使って今後10年以上経つと程度の良いヴィンテージ物として高額アイテムになるであろう、スペシャルな米国製MA-1を紹介させて頂きます。


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偶々取れたので1点しかなくあっさりお買い上げされてしまったので、季節を無視して晩夏初秋の新作紹介で50年代に採用された初期型を紹介しておりますが、こちらはメインで取った70年モデルの仕様で作られた70年モデルです(これ以外に70年代後半のグランドスタッフモデルがあります)。先に紹介してある方にこの40年以上前に作られた物がどういった経緯の物なのかについては詳しく書いておりますので、そちらを読んで頂くとして、こちらはこちらでヴィンテージ市場で人気のアイテムでして、それについて書いておこうと思います。





丁度日本では長らくアルファインダストリーのライセンスホルダーだったEDWINからTSIにライセンスが移る事もあって、ここぞとばかりにEDWINがその辺中でコラボ展開しておりますが、このコンコルドネームの70年代前期モデルはベトナム戦争終了後に米軍からの発注が激減した80年代に、当時アルファインダストリーがまだ米軍のオフィシャルサプライヤーだった為にアルファネームでの海外市場での販売が出来ず(現在は元オフィシャルサプライヤーだという事を売りにしてますが現行のオフィシャルサプライヤーではありません)、ヨーロッパ市場向けにコンコルドネームで作られた物でしたが、米軍の規格その物から過剰に入っていた中綿を減らしただけで、全ての生地とパーツと仕様がそのままミルスペックの物と同じでした。見た目に違うのは左上腕部のポケットに付いたタグがアルファのAではなくコンコルドのCだった事ぐらいです。加えて左ハンドウォーマーポケットの中に識別番号の描かれた白い織りネームとコンコルドのロゴと共に“Made in USA”の記載のある黒い織りネームが入っております。


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初期型というか50年代の1stモデルから時代に合わせてん改修が加えられて、主な変更はポケットにフラップが付いた事と裏側がエマージェンンシーオレンジになりIDEAL社のフロントファスナーが引き手が表と裏両方に付いている物にされて裏返しても着られる様にしてある事です。そして胸に付いていたホースクリップを留めるタブとヘルメットにジャックを挿す仕様の通信ケーブルだったのでそのケーブルがバタつかない様に留めておく為の左右に付けられたタブが廃止された事です。





これは1963年に現在も我が国のブルーインパルスが使用しているF-4ファトムの配備が始まり、超音速ジェット戦闘機の時代を迎えた事で、機体の機密性が上がった事でエアホース付きのヘルメットが使われなくなりホースクリップが要らなくなり、同様に通信ケーブルも廃止になったのでそれらのギミックは無くなります。そしてポケットの中の物が加速時のGと急降下時の低重力の中で飛び出さない為のフラップが付いた訳です。エマージェンシーオレンジの内側が採用されたのは1961年ですが、これはジェット戦闘機には撃墜された際に脱出シートが装備されたのですが、脱出後の救出率が低かったので発見され易い様にエマージェンシーオレンジの裏地が採用されました。そして実際に戦闘機パイロット用として採用されたMA-1の最終モデルである70年モデルではファスナーの引き手がリバーシブル仕様に変更して、MA-1は完成形となります。





ただ78年にグランドスタッフ用に70年代後期モデルが出ますが、こちらでは表側から見たディテールは変わりませんが、裏側のエマージェンシーオレンジとリバーシブルファスナーが廃止されておりますのでこれは廉価量産モデル的な物ですから、これを完成形とは言わないでしょう。





で、何故このコンコルドネームの80年代米国製モデルが貴重かと言いますと、これ80年にスティーブ・マックィーンの遺作となった映画“ハンター”で彼が着用していたのがこのコンコルド社の70年モデルのオリーブグリーンの物だから。当然大脱走でMr.アメリカンのポジションを確立した彼が着用したオリーブグリーンはマックィーンモデルとして知られ、今もしデッドストックの良いサイズのが出てきたらとんでもない高額になるでしょうけど、古着でしか見た事ないですがそれでも10万以下にはなりません。リアルマッコイズやベルスタッフが同じディテールとサイズ感でレプリカモデルを出すぐらいですので。





そしてこれ現行のアルファが出してるモデルと比べても着丈が長くアームホールが若干スッキリでとてもシルエットが良いんです。ヴィンテージとなっているシルエットはこのモデルを元にしておりますが、まずファスナーがプラだったりリバーシブル仕様になっていなかったり、引き手が小さかったりでなんちゃって感が微妙です、これと比べると。そして価格も何気に中国製で結構していて3万円台半ば以上が中心価格帯。今回これ、USのMとLの2サイズで取れてまして、基本Mサイズがゴールデンサイズです。かなりガタイの良い方でLですね。そして価格は33,000円(税込)。もう既にかなり減ってはおりますが、なんとかサイズ欠けもせず残っております。





ECサイトを見ても枯渇していて、あってもXLとかXXLとかで4万近い価格だったりで、ゴールデンサイズはずっと前にソールドアウトしているサイトがそのまま残っているところばかりです。ど定番だけに米軍放出のデッドストックでも出てくればそりゃとんでもない価格でしょうけど、このコンコルドネームの米国製モデルも大事に使っておけば20年後には10倍の価格にもなろうかというアイテムです、是非チェックしておく事をオススメします。





さて。明日は今日より最高気温が4℃上がって22℃予報でして、過ごし易さ復活ではあるのですが、ここは唯一残っているロイヤルロウのジャケットの紹介をしておこうと思います、お楽しみに。


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2024年10月28日

秋の新作紹介 vol.20 MOUT RECO TAILORのNeoshell CPO Jacket




いやぁ、まぁ全体としては想定していた感じで、自民党が第1党なのは動かないけれど自公で過半数割れして、これまでの様に議論は予定調和でちょこっとやって、反対意見に対して法案を何んらかの修正を行う事なく多数決をすれば通るからそれで済ます、という、良く言えばスピーディですが悪く言えば法案に関しては独裁政権と大差のない国会運営だったのが出来なくなった、というのはそれこそが正常な姿なので良かったんでしょうけど。それでも自公がこの程度の負けで済んだのは投票率が戦後3番目に低い53.8%だったから。結局そうなると組織票のある自公有利になるので、それでも過半数割れしたんですから投票に行かなかった46%強の人々が自公を支持するとは思えませんし、投票率が高くなったら更に大敗したと思われ。





当面政権運営は混迷するでしょうけど、政権慣れして無難だけれど自分達に都合の良い利権に執着する自民党もですけど野党も無駄な反対の為の反対とか実現不可能な綺麗事のみを主張していたら、やはりコイツ等に政権運営は任せられないなと思われて次の選挙で元の木阿弥というのでは今回の野党躍進に意味がありません。結果に繋がる有意義な議論と与野党法案の良い所取な結論的政策を導き出せる政権が出来ると良いのですが。





さてそんな今日は朝からグズついた天気で、今週はずっとこんな感じみたいですが、気温は過ごし易く長袖Tシャツで丁度良い程度が続いております。問題はこのもうすぐ11月というのにこの気温なのでスウェット未満の暖かさのアイテムしか動かない、という事ですが、明日は冷たい雨で最高気温が上がらず久しぶりに最高気温で17℃予報で、しかもこの気温は日付が変わる頃の気温で日中は16℃程度迄しか上がらないみたいですし、流石に11月2週目辺りから最低気温が10℃くらいになる予報ですので、ここは多少なりとも暖かさのあるアイテムの紹介を紹介させて頂こうと思います。


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マウトリーコンテーラー、今シーズンで15シーズン目に入ったブランドですが、米軍の各気温帯におけるレイヤーシステムを参照してMOUT=Military Operation on Urban Terrain(市街地戦の米軍の略称)における偵察行動の際に使われる服装の服屋という名称の通り、最新鋭のミルスペックウェアのクオリティやギミックを引用して都市生活の様々なシーンに対応するアクティブウェアを提案しているブランドです。





ただこのブランド、1stシーズンから展示会に行っているのですが、そのコンセプトに忠実に作り込んだ結果、とても高性能な最新素材を使ってギミックもまさに最新鋭と言えるアイテムを米軍の一般兵装用のECWCS(Extended Cold Weather Clothing System/拡張式寒冷地被服体系)から発展した特殊部隊を想定したPCU(Protective Combat Uniform)を更に発展させたデザインで今っぽいサイズ感で作った結果、今で言うところのテック系に通じるやり過ぎでサイバーな雰囲気になってしまいまして。更になんちゃってなアニメや漫画ベースのコスプレに近いテック系のブランドと違い本気な最新素材を使用している為、秋冬コレクションでは米軍のレイヤーシステムでレベル7に相当するスペック(-45℃迄対応!)で作ってしまうので、見た目にも性能でも確実にオーバースペックな上、そこまで国産で作り込むと結構なお値段になってしまっていたので、個人的にはそそられつつリアルクロージングを標榜するB.A.Tとしては取らないというジャッジをしてきました。





ですが粗製濫造が蔓延り始め、デザインの盗用も頻繁に見られる様になったのと、コロナ禍で外出が制限されていた事から需要が激減した事もあって、今シーズンからデザインの過剰な迄の積み上げをリセットし、最新素材を使用するのはそのままに日本の気候に即したアイテム構成でミニマルなデザインで少数精鋭のトランクコレクションになりました。今回紹介するこのCPOジャケットは初めて作られるシンプルなのにハイスペックな軽アウターです。





デザイン的には典型的なCPOなのでサイバーパンクで最新のデザインというのは形を潜めてますが、ポーラテック社の次世代シェルであるネオシェルを表地に採用し、裏地に吸湿発熱性能と温度調整機能を持つフリースを使用する事で、伸縮に富みつつ防水透湿性能に加え防風性と通気性を併せ持つ上、3レイヤーシェルは内外の温度差や湿度差がないと透湿性が機能しませんが、この生地は通気性能により透湿機能が常に行われるので体感の透湿実感が圧倒的なのと、高機能フリースと組み合わせる事で吸湿発熱によって適度な暖かさと暑くなり過ぎず内側を常に快適にする性能は理想的な軽アウターとなっております。





胸にはフラップポケット、脇にハンドウォーマーポケットを装備しているので、シンプルながら必要十分なギミックを備えつつ、デイリーユースにおいて合わせるボトムやインナーを選ばないそのままビジカジでも使えるアウターに仕上がっております。この暖かさでも人気でして、44・46・48の3サイズ展開していたのですが、現段階で46を1着残すのみとなっております。来春夏もシンプルなデザインの少数精鋭で組まれたコレクションで提案されておりましたが、最新素材を組み合わせた快適さと汎用性の高いデザインが魅力的でしたので、シャツジャケとパンツは展開予定ですが、当面人気でしょう。基本こういったモノトーンのコレクションは取ってきませんでしたが、そのゾーンを埋める提案として取っていこうと思っております。そしてトップスに関しては日本製なのでインポートに比べて比較的価格がこなれており、これで46,200円(税込)ですのでそれも魅力的です。ラス1ですが是非チェックしてみて下さいませ。





昨日紹介したブーツと合わせるとジーンズに長袖Tシャツの上に羽織っっているだけでかなり雰囲気が出ます。どちらも製法や縫製、機能面でも大人なアイテムですので。色以上にテクノロジーを揃えるならロシアントレーナーを組み合わせるのも良いでしょうね。





明日のアイテム紹介ですが、そんな気温という事もあるのとここ2回の紹介と絡めて80年代デッドストックの価値あるMA-1の紹介を予定しております、これはこれで今シーズンのキモアイテムですのでお楽しみに。


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2024年10月27日

秋の新作紹介 vol.19 Reproduction of FoundのGarment Drum Dyed Vacchetta Leather 70's Italian Alpine Military Boot (Limited)




昨日期日前投票を諦めたので、本日出勤前に投票を済ませ、出勤してはきたのですが、このブログを書いている20時過ぎでも長袖Tシャツ1枚でも過ごし易い気温でして、家と投票所とを往復した後に出勤してきたら汗ばむぐらいでして。これじゃスウェットですら着られないじゃないか、と不貞腐れ気味に過ごしておりまして、しかも投票に行って更に出かける、というのは億劫なんでしょうね、お客様も結局チラホラとしかお越しになりませんでした。とはいえ、いらした方が長袖Tシャツや靴下やバンダナ等小物を買って下さったので坊主は免れましたが、良い加減この気温はどうにかしてくれないとどうにも打つ手がないと思われ。月末の週末だったのでなんとかしたいと思っておりましたが天候に文句を言ってもどうにもならないとはいえ、辛いところです。





とはいえ今日のアイテム紹介はやる気満々でして、今の時代にこんな事をやってこんな価格で提供出来るんだなぁ、と感心してしまう、今シーズン最も手のかかった作りのブーツなのです。


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今シーズンの本格靴枠を埋めたのがまさかのリプロダクションオブファウンドという、前代未聞の事態になったのですが、ロシアントレーナーを作ったイタリアの現行のNATO各国軍のスニーカータイプの軍靴を請け負うファクトリーの近くに、90年代迄グッドイヤーウェルト製法かノルベジェーゼ(ノルウィージャンのイタリア語表記)製法でイタリア軍の軍靴を作っていたファクトリーもあったそうで、そこに依頼して今迄リプロダクションオブファウンドのラインナップになかった本格靴を作ってみようという事になったんだそうな。





これが現在は自社オリジナルブランドを展開せずにOEMのみを請け負う工場なのですが、90年代から一世を風靡したバケッタレザーを使って製靴した後にドラム染色による製品染めとヴィンテージ加工を施したイタリアを代表するモード系シューズブランドであるカ○ペディ○ムの製造を請け負っていたので、単に本格靴を縫える技術力のみならず、革靴の後加工という他ではやっていないオリジナルの技術も持ち合わせていたので、そのテクニックをしっかり全て使って今回3型、90年代のオフィサーシューズ(プレーントゥ)・80年代のオフィサーシューズ(ジップブーツ)、そして70年代の山岳部隊用ミリタリーブーツを今シーズン展開していたんです。その中から今回は70年代のイタリア軍山岳部隊用のブーツをセレクトしております。





というのもまず残りの2つはグッドイヤーウェルト製法で、短靴のプレートゥは履き易いであろう事は間違いないですが、グッドイヤーウェルト製法のベーシックな短靴はよくありますし、加工物では雰囲気は有りますがプレーントゥは綺麗な方が良いかな、と。加工が入ってイタリア製でゴツさ控えめのビブラム社のトスカニーソールで67,100円(税込)はかなりなコスパなんですが。そしてジップブーツは同じくグッドイヤーウェルト製法で同じソールを使っていまして、サイドジップのオフィサーブーツというのは面白いのですが、これで71,500円(税込)。モードっぽさというか加工とデザインのバランスで言ったらこれが一番ではあります。それに対して山岳部隊用ブーツ、まずこれの凄さはノルベジェーゼ製法である事。しかもしっかりと手縫いの本当のノルベジェーゼ製法であって、アッパーモロッコで作っているのが暗黙の了解的に知られているのにフランス製を名乗っている某人気自称フランス製のブランドの様に機械式のノルウィージャン製法ではありません。それでいて価格が75,900円(税込)とグッドイヤーウェルト製法との価格差が4,400円でしたので、現在イタリア製のグッドイヤーウェルト製法で後加工を入れたバケッタレザーのブーツとなるとグイディ&ロゼリーニ辺りになるでしょうけど、それだと15万はしてしまいますし、それをノルベジェーゼ製法となると18万は硬いところ。なのにまだまだディテールについて付加価値があるのに、単にここまでの条件で比べても、今回これ異常に安い価格設定という事がお判りでしょう。しかしそれに加えてこれ元々のディテールが凄いのです。


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これ袋状にしたタンの部分も全てバケッタが使用されておりますが、履き易いけど革1枚で作った柔らかな仕様ではなく、タンの真ん中にしっかりとウレタンを入れて強度の方を優先した質実剛健なミリタリー仕様。それに加えてフックに引っ掛けるレースアップの仕方で着脱がスムーズです。そしてヒール側もミリタリーディテールとして足入れ口に指を引っ掛けるループが付けられている上に、ヒールカウンターが外に付いていてヒールカップのみではなくこれでもかと強度を重視した仕様。単に登山靴として見てもここまで作り込まれている物はまずありませんが、これらのギミックは山岳部隊用のミリタリーブーツであってそのまま戦えるディテールとして採用されたものです。





そしてソール。このモデルには同じビブラム社のソールでもTUSCANYではなくMONTAGNAという濡れた地面の上でも強力なグリップを発揮するメガグリップシリーズの物を採用し、更に非常にそそられたのがつま先と踵人それぞれ5本ずつビスを打って万が一にもソールが脱落するというのを防止する、ミリタリー仕様にしております。ソールを裏側から見てこの穴は一体何の為のディテール??と思われた事がある方もいらっしゃると思いますが、いざ本当にビスを打っているのに出会うと、成る程こういう事だったのか、と合点がいきます。





ここまで作り込んだ上に更にドラム染色で製品染めしてヴィンテージの雰囲気を出しつつ経年変化を楽しめる、というのが75,900円(税込)というのは相場値で言ったら1/4程度でしかないのでこれはやらねばという事になった訳です。


サイズは41・42・43の3サイズ展開です。来春夏のラインナップには含まれておりませんでしたし、イタリア本国のカ○ペディ○ムは現在ブランドを休止して日本でライセンスでウェアブランドとして展開されているのみになっている今、これは是非押さえておいて欲しいアイテムです、早めのチェックをお勧め致します。





さて明日ですが。明日はミリタリーテイストでありつつアーバンな雰囲気を醸し出すMOUT RECON TAILORのCPOジャケットを紹介予定です、お楽しみに。


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2024年10月26日

秋の銘作紹介 vol.10 Le minor×Liberty FabricのCorduroy Regullar Collar L/S Shirt “Stamden Manor” (B.A.T別注)




今日も天気はパッとしませんが、このぐらいの気温というのはとても過ごし易く。しかし今日は若干予定が狂いまして。というのも明日の投票所が若干遠いので今日の内に期日前投票に行っておこうと思ったら至近の駅前の期日前投票所は昨日迄でして、今日やっている区役所の投票所迄行くとなると明日の投票所へ行くよりも遠くなってしまうので、だったら明日の出勤前に行っておく方が良いな、という事に。まさかここだけ1日早く期日前投票が締め切られているとは思いませんでした。





先日メアグラティアのジャケットを紹介した際に書いておりますが、店頭のクロージングを秋冬物と入れ替えたら残りがかなり少なくなっている事が判明した、と書きました。その為残っているスーツとジャケットを検討される方がいらして下さいまして、特に現在ブランドが展開している物とクオリティと価格に著しく差があるハズバンズのモリッシーモデルが、一応過去最高価格のスーツだったのに、今のハズバンズが30万円台になってしまっている事で税抜とはいえ日本初上陸当時のまま19万というのは今となっては本当に安いって事に。フランス本国で買うよりもかなり安いですから。しかもかつてはフランスらしさとしての若干リラックスしてるかな、と思われたシルエットも今となってはかなり攻めたモデルでもあり、48と50で残ってますけどそこ迄大きくないのでサイズの合う方にはオススメです。近々そのスーツを紹介しようと思っておりますが、そういったスーツにノータイで合わせるのにも良さそうな今日のシャツです。


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コーデュロイで選べた生地の中で唯一ダークカラーだったのがこの生地でした。基本的にリバティ社の生地って服にするのではなく小物や袋やカバンなんかをパッチワークしたり、それこそそのままパッチワークでキルトを作ったりするのに使う方が多く、パッチワークじゃない使い方としてはクッションや椅子やソファーの座面を張ったりするのに使ったりもするからでしょうか、どちらかというと女性の方が好む様なビビットな色やパステルな色が秋冬生地であるコーデュロイであっても使われている物が多く、メンズのシャツとしていける物をモリスのテキスタイルで、となると本当に限られていて、その中で唯一これはと思わされたのがこの生地なのです。





で、このスタムデンマナーというテキスタイル、1879年に壁紙用にモリスがデザインした物で、意匠化された向日葵と葡萄を主体とした連続柄です。元々もっと大きな柄で作られており、それをコーデュロイの生地に乗せる為にタナローン生地で提案されている物より縮小しこの柄の大きさにしております。9月頃がシーズンな向日葵と葡萄がメインモチーフではありますが、他の秋冬コレクションで提案されている配色に対しダークな色をベースにしていて非常に落ち着いている上に、ともすれば入れてしまいがちなビビットな色も使われておらず、シックな中にも洗練された印象に一目惚れ。しかも生地からとれる着数が12着だけでしたので、こちらに関しては企画が別注なだけではなく他に出回らない完全専売の生地となっております。





こちらも人気でかなり数を減らしておりますが、今のところ3と4どちらのサイズも在庫がありますので、サイズ欠けする前にチェックして頂ければと思います。価格は昨日のと同じ20,900円(税込)です。





で、明日は衆議院選挙の投票日です、投票に出がてら、どうせ家を出るのであればちょっと遠出して是非遊びにいらして頂きたいところです。是非お越し下さいませ。皆様のお越しをお待ちしております。





そしてですね、実は本日今シーズン最も凝った作りのノルウィージャン製法というか、イタリア製なのでイタリア語表記でノルベジェーゼ製法のイタリア製ブーツが入荷いたしまして。語るところが非常に多い1足な上、価格的にも現在では有り得ない価格設定でして、今日いらしたお客様も想定外のアイテムに出会って即決とはいきませんでしたがかなり気にしていかれました。なので明日はこのブーツを紹介する予定です、お楽しみに。


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2024年10月25日

秋の銘作紹介 vol.9 Le minor×Liberty FabricのCorduroy Regullar Collar L/S Shirt “Morris Allotment” (B.A.T別注)




雨も出勤する時間には上がっていて、それでいて最高気温が21℃だったので長袖Tシャツ1枚で快適な1日。曇っているせいで日が暮れても気温があまり下がらず21時過ぎでも19℃あります。明日は若干気温が上がるもののある程度落ち着いた気温になりつつある様ですが、ここ1週間の気温の推移の予報が出ていたんですが、なんと月が変わって来月になった2日に26℃予報が。まさか11月に夏日になる可能性が出てくるとは・・・勘弁して欲しいところですがこればかりは神のみぞ知るというやつでしょうからねぇ。





とはいえ、11月の10日頃まで基本20℃ぐらいの最高気温予報になっておりますので、そうなるとシャツとジャケット程度の服装が丁度良いと思われます。という事で秋らしいシャツの紹介を続けようと思います。


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昨日紹介した無地のコーデュロイに対して今日明日で紹介するのはウィリアム・モリスのテキスタイルをプリントしたコーデュロイのシャツです。薄いナチュラルストレッチのブロードであるタナローンを使った生地が所謂リバティプリント生地として知られている物ですが、秋冬用に流通量は少ないですけどコーデュロイの物もあり。ただ流通量もラインナップも少ないので残反や展示会用試験反が少なく、リクエストを続けて3年目にして漸くモリスのテキスタイルに巡り合いました。





この柄はモリスの提唱したアーツアンドクラフツ運動の集大成としての色とりどりの野菜や果物や花が採れる菜園をイメージしており、ブロックパターンとミラーリングの繰り返しによる複雑に絡み合う様に見える柄が秀逸なのです。イチゴ・ウリ・アーティチョーク・フダンソウ・スィートピー等が描かれておりますが、今回のこの生地は工程数が1つ多いこだわりのテキスタイルでして、コーデュロイ生地を下染してサックスの生地にしてからプリントを施しております。通常白無地に多色で版を重ねてプリントしていくのですが、薄い色は色の乗りが悪く、その為こんな色のコーデュロイのプリント生地を作ろうとしたら先にサックスで下染めして、その上に濃色をプリントしていく事になります。なので濃色の生地に比べて下染めする工程が多くなるのです。





結果的にサックスベースでブルー系のグラデーションに色を重ねながらダークタンやオリーブといった色を配する事で寒色系の色を多く使用していても寒々しくならないバランスの良いシャツになっております。ベージュやブラウン系のジャケットやアウターと合わせるととてもバランスが良いでしょう。サイズは3と4の2サイズ展開、価格は20,900円(税込)とタナローンの物より高くはなりますが、日本で縫製してリバティ生地でこの価格で収まっているのはかなりリーズナブルです、是非チェックしてみて下さいませ。





という事で今月最後の週末であるこの週末、例年以上に、暖冬だったここ数年を超えて本来の気温よりも暖かな日が続きましますが、暖冬であっても長期予報通り12月以降は例年以上に寒い冬が来てもこういったアイテムは使えますし、ファッションとしても希少性が高くオリジナリティを担保してくれます、是非秋物をチェックしにお越し下さいませ。





アイテム紹介は今日に引き続きもう1柄リバティのコーデュロイ生地のシャツの紹介をさせて頂きます、お楽しみに。


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2024年10月24日

秋の銘作紹介 vol.8 Alex InghのThin Ridge Corduroy Wide Spread Collar Shirt (B.A.T別注)




羽織は持ち歩いてはいたものの、半袖Tシャツ1枚で快適に日中過ごしており。予定通りの時間の京王線で新宿に行き、変則的な代々木方面にある自社ショールームでの展示会でしたので、新宿から歩いて向かいました。久しぶりにこの辺歩くよなぁ、とサザンテラス経由で代々木方向に向かい、小田急線を越えてすぐに脇道に入って裏道を通ってかつてカンボジア料理の有名店アンコールワットがあった場所(現在はより新宿寄りに移転しております)で太い道に出て後は道なりに進んだ先だったのですが、行ってみたらこれ新宿から文化服装学院方向に甲州街道の一本裏道を進んで、交番が見えたらそこを左折して小田急の踏切を超えるルートの方が楽だった事が判明。とはいえ、他の会社が近くにあったり展示会がこの周辺で行われる事はない場所なので、なかなか来る機会のないエリアではありますが、帰りに楽ちんルートで帰ってみたら大行列の蕎麦屋が途中にあったり早い時間に行けば凄まじいてんこ盛りな海鮮丼を格安で出してくれる寿司屋があったりでなるほどこれは良いところの展示会が出来たな、と別な意味で収穫があった事を喜んで帰ってまいりました。





で、MOUT RECON TAILORは絞りに絞った少数精鋭コレクションでして、トップスの羽織物は1型のみ、ショーツは布帛とカットで1型ずつ、半袖スウェット1型と半袖プリントTシャツ2柄で終わりでした。厳選されたシャツジャケだけにこれは良かったのでこれと、真っ黒いショーツを取った事がなかったので取ろうかな、と思っております。まぁTシャツはもうちょっと考えてから。とまぁそんな感じなのでサラッと済ませて新宿で秋冬物のマーケティングリサーチをして飯食って帰りましたが、まぁ秋物、売れてないですねぇ、バブアーのワックスコットンのアウターなんてこの暑さの中では見たくもないですからねぇ。ましてやダウンなんてもっとですよ。タタラスやモンクレールやカナダグース、全部取って並べている某大手セレクトショップ、アンタ等凄いよそのぶれなさは!と半分呆れ気味に思いましたが、誰も近寄っていませんでしたww





とまぁそんな感じでこりゃやはりどこもかしこもこの気候に対してはどうし様もないんだな、とこれなら随分B.A.Tは頑張ってんのね、と思いましたというお話。





で、本日のアイテム紹介ですが、ジャケットと靴をこんな感じのコーデとして提案したので、それにシャツを合わせるならこんなシャツ。というシャツを紹介しておこうと思います。


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特徴的なジャケットを活かそうとしたらシャツはシンプルである方が良いのは間違いありません。だからといってこれからの季節にブロードのシャツを着てもどうにも面白くも何ともありません。となると季節感を出しつつありそうでないシャツ、という事でとてもしなやかな細畝のコーデュロイを使ったシャツです。当然先日紹介したメアグラティアのジャケットのみならず、ツィードのジャケットにも他の秋冬仕様のジャケットやスーツでも合うのですが、無地のシャツなのに生地の織り方で表情がある物というのは表情や生地感のある生地と組み合わせるとお互いがより際立つというものです。





今年の気温が気温なので引っ張ってますが、今年もハリスのコーデュロイのシャツやベア天竺のカットソーは発注しておりますし、それ等のアイテムは勿論、無地のフランネルのシャツやハイゲージのセーター等もインナーとしてバッチリハマるのですが、そんな感じのコーディネートでこの週末以降は過ごせると思いますので、そうなるとありそうでないコーデュロイの“無地の”シャツ、貴重になってくるのです。だってそちらはそちらで価値あるシャツでこれもまた流通量は少ないですが、先染めコーデュロイのシャツは単体で成立するシャツですが、コーデュロイの無地のシャツというのは単体ではミニマルになってしまうので更にリリースするところが少ないのです。リリースしていても色でビビットな色にしていたりド定番色のみだったりで、微妙なオフホワイトや良い感じな塩梅のブラウンというのはありそうでないので。





現段階でブラウンの方は39のみになっておりますが、秋冬のビジカジのベースにもなると踏んで多少多めに取ったオフホワイトの方はまだ38・39・40の3サイズとも残っておりますので、キャッチーなアイテムではありませんが、長く使えてなかなか手に入れる事の出来ないアイテムですので是非チェックしてみて下さいませ。価格は22,000円(税込)と、イタリアのこのグレードのシャツとしては今となっては3割以上リーズナブルに手に入れられますので。





関西以西では未だに猛暑日が発生しており、なかなか秋らしい服に手を出すのが憚られる状況ではありますが、そろそろ手に入れておかないと関東の気温が秋になりつつありますので、11月に入って秋服が丁度良くなる頃にはサイズ欠けや完売アイテムが出ている可能性が大です、特に秋らしい長袖シャツや長袖Tシャツ、そして枯渇しつつあるクロージングに関しましては早めの対応をオススメ致します。という事で明日はコーデュロイ繋がりでリバティ社の展開しているウィリアム・モリスのテキスタイルにしてタナローンではなくコーデュロイを使った生地のシャツを紹介予定です、お楽しみに。


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2024年10月23日

秋の銘作紹介 vol.7 Joseph MalingeのVesitable Tanning Scotch Grain + Patine Ankle Tanker Boot “CHUSTEL” (B.A.T別注)




25℃にならないのと雨がパラついていたので長袖Tシャツ1枚で過ごしとりましたが、明日は予報では26℃と夏日予報。一応予報を見るとこれが東京近郊では今年最後の夏日の様ですが、10月も終わりが近い24日になっても夏日があるなんてどうなってんだ!?と思ってしまいます。しかも明日は今週に持ち越しになったMOUT RECON TAILORの展示会に行くのでもうちょっと涼しくても良かったんですけどねぇ。とはいえ、ここにきてようやっと秋物を見にいらっしゃるお客様が平日でもいらっしゃる様になってきまして、やっと秋が来たという気がしております。





実際ジャケットやカバーオールを紹介してもまさに今でしょ!と思える気候なので紹介するのに躊躇いというか遠慮というかがなくなりましたw





で、カジュアル化が進んだ結果、カジュアルクロージングのコーディネート、自分でイメージしてもちょっと新鮮というか、ミリタリーやワークやアウトドアなドカジュアルに振り切ったコーディネートに対してタウンユースだとこっちの方がなんかしっくりくるよな、と思えてしまいます。制約がなくなればなくなる程季節や気候やTPOに合わせてカジュアルウェアとクロージング、それぞれのコーディネート、またはそれぞれをミックスして楽しむ事が出来たら楽しいんじゃ無いかと思います。今回は昨日紹介したジャケットにジーンズを合わせたら足下にこんな靴を合わせたら季節感もあって格好良いよな、というブーツの紹介です。


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何だかんだでここ2年新たに何も投入してこなかったマリンジェ。比較的値上がりも軽微に抑えられていて、物流コストの上昇と円安分を考えたら今靴を取って価格的にもコスパとしてもお客様にお勧めするならマリンジェだよな、と思いつつ、店頭の靴のバランスからしてイタリア・ドイツ・英国枠、特にドイツ・英国のドレッシーな短靴を追加したいところでして、ここ2年色々と検討してはいるのですがなかなかこれを撮ろうというところに至らず。今のインポート靴を取り巻く状況からして、納得のいくクオリティとコスパで考えると今取って自信を持ってお客様にお勧め出来る靴となるとマリンジェか来春投入予定の某ドイツ靴とか、本当に限られてきます。5年前に戻せとは言いませんがコスパ的にそれ以前からおつきあいさせて頂いている顧客様方に納得して貰える程度の値上がりとコスパ(このぐらいのクオリティの靴はこれぐらいの価格であって欲しいという許容範囲)であって欲しいと思うと、いくらインフルエンサー的な個人やサイトがヨイショ記事をネットでばら撒いたところで皆様の懐具合が良くなる訳でもなし、金銭感覚を麻痺させる程の呪文でもなければ消費者がそんなヨイショに騙されるほど愚かでも無いので、7万が12万になっても仕方がないのだと開き直る気に私はなれません。





その点マリンジェは代理店が身を削って値上げを最小限で抑えているのが判るので、発注しようとは思うのですが、それでも現在展開している価格に対して2割近くは値上がりしているので、このシュステルの様にデザインごと別注したモデルは税込にすると10万にはなってしまいます。それを考えたら取り敢えず今ある物をお勧めしたくもなろうというもの。特に秋冬というのは短靴だとどうしても寒々しいのでブーツをお勧めしたくなるのですが、デザインをいじって革も乗せ替えてとなると作ってくれるところが限られてきますので、それ考えてもこれはありなんじゃないかと。





これ元はもっと高さのある8ホールのブーツだったんです。そのモデルをベースにデザインを微調整してオリジナルデザインにして貰ったのですが、まずは革についての説明から。革は素上げのデュピュイ社のスコッチグレインで作って貰った後にパティーヌで更にダークな茶色で仕上げて貰ったスペシャル仕様。パティーヌ用の革ではなく、そのままでも十分良い感じなデュピュイ社のスコッチグレインをベースにパティーヌを施す事で素材と仕上げ両方で完成度を上げております。そしてそこに組み合わせるソールはビブラム社のリサイクルソールを使用。見た目のインパクトとSDGs的な主張を両立させた拘りの革とソールの組み合わせです。加えて別注仕様のディテールも元々のディテールもこのブーツの完成度を数段押し上げております。


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まず特筆すべきはスキンステッチ、モカ縫いのUチップに見える様にプレートゥの爪先に向かって革を糸で引っ張ってモカ縫いの縫い合わせた部分の様な盛り上がりを付ける事をスキンステッチと言いますが、この靴は曲がり易さや整形(吊り込み)のし易さを重視して、スキンステッチの山の部分に切り込みを入れて、1枚革で作られているのにパーツを組み合わせて縫い合わせた様に見える仕様にしております。端の部分や爪先に近いYになっているステッチの合流部分を見ると1枚革で出来ている事が確認出来るのですが、敢えて切り込みを入れているとても珍しい仕様になっております。他では見た事のない仕様ですのでかなりマニアックです。





そして別注仕様の部分、8ホールを6ホールの高さに変更し、上の3つのホールをフックに変更しております。これにより格段に履き易さが増しておりますが、私のリクエストで他にはない仕様になっているのが横から見た写真で確認出来る上の履き口の部分の仕様です。高さを削って2穴分全体の高さを低くしただけではなく、踵側を若干低くして踵に向かって緩やかなカーブを付け、動き易さと見た目にシャープでありながら柔らかな印象になる様にしてもらいました。そしてその上の端から3cmの幅にウレタンを入れて足首への当たりが柔らかく、最初からその部分に靴擦れとかにならず履き易い様にしてみました。





正直鉄板なデザインとしてはトリッカーズのモールトンの様にウィングチップブーツなのですが、そのせいでしょうか、個人的にそちらは英国調なイメージなんです。それに対してオールデンのタンカーブーツで有名なデザインではあるのですが、このトゥのデザインはアメリカンでもあるのですがフレンチな印象に思えてまして、ジーンズの足元を小粋な感じにまとめるならこんな感じが良いんじゃなかろうかと。そしてアーチスティックなコーディネートにしようとしたらフレンチカジュアルというのは有名な画家を多数輩出しているモンパルナスやモンマルトルといったパリ近郊の芸術家が集まる街の雰囲気を彷彿とさせる気がしまして。是非チェックしてみて下さいませ。





サイズは現在39・40・41の3サイズが残っており、価格は89,100円(税込)とアンダー9万円の完全別注フランス製ノルウィージャン製法+コバダブルステッチのブーツとしては破格の設定です。次に取ろうとしたら2割増しで済んでも税込だと10万オーバーになってしまうので、今の内に押さえておく事をお勧めします。





という事で明日は午前中から展示会に行ってきます、17時迄に戻ってきてサラッと報告しつつ何かしらかのアイテム紹介を予定しておりますので、お楽しみに。


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2024年10月22日

秋の銘作紹介 vol.6 meagratiaのFlowery Action Paint Jaquard Peaked Lapel 3B Jacket




過ごし易い気温の1日。日が暮れても曇っているからかそこまで気温が下がっておらず、これなら帰りも快適でしょう。昨日クロージングの出し入れを大幅に進めた、と書きましたが、その結果として秋冬用のクロージングのラインナップが随分と減っており、これはそろそろ真面目に色々取る事を考えねば、と危機感を感じるレベルでした。何しろ秋冬対応の3シーズンスーツ、4型のみ、内訳としてはロイヤル・ロウ1型(3ピース)とアンジェロ・ナルデッリ2型(3ピースと2ピース)、そしてハズバンズ1型(2ピース)ですし、ジャケットに至ってはイタリア製クロージングのテーラードジャケットに至ってはロイヤル・ロウ1型(2B2Pジャケット)とL.B.M1型2色(モールスキンのサファリジャケット)のみとなっております。それに準ずるアイテムとしてザチノリバイブドの秋冬デニムとグレンチェックの2型とラッダイトの縮絨ツィードのジャケット1型とがありますけどそれぐらいですかね。





これがなくなると今まで通りの価格帯ではどうやっても無理になりますので、どうにかして他の所に比べて影響を最小限にする対策を取ろうとは思っておりますが、まずは確実に今の相場値の半額以下レベルで手に入れられるアイテムを押さえておく事をお勧めしておきます。





さて、それ以上にデザインや生地的にカジュアルなジャケット、それはそれで如何にもB.A.Tというセレクトの真骨頂だと思っておりますが、そちらもかなり減っていて、不本意案がら新たにこれはという提案が出来ていないのでそうなっているのですが、どうにもここ数年のコロナ禍中の傾向がよりカジュアルになっていて、結果そういうアイテムが中心になってしまっていたのが要因でもあり。





ただ昨年辺りからコロナ禍前迄ではないものの大人はテーラードジャケット着てジャケパンスタイルがいい感じに出来るのがTPOにもよるけれど年相応の分別、という程度にはカジュアルクロージングの需要は戻りつつあり。まぁスポーティだったりワーク&ミリタリーなアイテムで年相応の分別をとなるとそっちの方が難しいですし、敢えてクロージングを着ようという方はお仕着せではなくビジカジを楽しもうという方やファッションとしてクロージングが好きという方でしょうから、そういった方々への提案としては楽しいのですが、最大の問題は価格です。流石にジャケットで10万円台になると可処分所得とそこに占める服に割ける額というのが問題になる方が多いのは間違いないので。その辺を考えるとここのところはかなりセレクトが難しかった、という事です。





それだけに形としてはベーシックだけれど、これは誰も作らないだろうと確信出来る凝ったオリジナル生地のジャケット、というのはその価格が通る範疇ではかなり少なくなっています。なので本日はそんな凝った生地のジャケットの紹介にさせて頂きます。


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東コレ=楽天ファッションウィークの常連になり、よりモード傾向を強めているメアグラティアですが、デザインやディテールの作り込みというよりは他のブランドがやらない生産地や職人と今迄にない生地の提案をするべくデザイナーの発案と職人の意欲と技術を突き合わせて作られたオリジナルの生地にこそこのブランドの魅力はあるのだ、と思っております。それ故にこのジャケットに使われている様なジャガード織りへの新たな挑戦とも言うべき生地の提案は個人的に是非やらねば、と思うのです。





パンツやアウターにアクションペイントを施す事でワンオフ、唯一無二のアーチスティックな1着にするという試みは、アバンギャルドな様で今となってはありがちな表現手法になってしまっております。だって即興で刷毛や筆に色とりどりなペンキを浸けてそれを飛ばす事でペンキの飛沫を服に付けるというのは誰にでも出来ますから。それをアート足らしめるのは偶然が産み出す色彩のユニークさであったり飛び散らかされたペイントのバランスであったりであって、本来アクションペイントを施せば何でもアーチスティックというわけでは無いはず。しかもその評価って現代アートに対する評価にも似て、良く言えば難解、悪く言えばよく判らないけどダイバーシティ的な個性がアートだと主張しているだけ、という事になりかねず。なので私個人としては安易な即興を評価する気になれませんん。それはそれで何とか己のイメージするところを独自の手法で表現しようと四苦八苦している絵描きというか抽象画家の方々と比べるのも失礼だとも思いますし。





ですが、アクションペイントの中にこれ花に見えるよな、という自らのインスピレーションを基にアクションペイントを花を連想させる状態になるようサンプリングを重ね、その秀作を組み合わせて意図的にコンセプトに合ったバランスの良いアクションペイント的なテキスタイルを作ろう、という試みは誰もやっていないオリジナリティ溢れる発想である事は間違いありません。そしてそれを安易に顔料プリント、捺染で表現すると経年変化で擦れはしますが、大部分が落ちてしまえばクオリティが著しく低下し、最初が一番良かったという事になってしまいますし、しっかり染料で含染して染み込ませてしまうとアクションペイントの濃淡を表現出来ません。それをジャガード織りにする事で擦れ具合や濃淡をリアルに表現し、織り表現の面白さとして裏側の表情を一部表に出して更なる複雑且つユニークなテクスチャーを加え、更に生地は経年変化はしてもテキスタイルとしてのクオリティは良くはなっても劣化はしないというアドヴァンテージを積み上げた生地を完成させました。





ベース色に対しアクションペイントを表現するのに6色を使っておりますが、6色という事はアクションペイントをダイレクトに表現した表側の表現と裏側に出る表情を敢えて表側に出した裏側の表現を組み合わせると、12通りの表現がこの生地には為されております。しかも確かにアクションペイントでありながら花の様なイメージの部分もあり、それでいてベースが落ち着いた色である事もあってかなりな多色(多種)表現になっているのにバランスの取れた美しいテキスタイルに仕上がっております。





その生地を使ってバランスの良いシングルブレストのジャケットにしておりますが、総裏仕立てなので一重の綿のカバーオールに対して裏地がある分暖かいのでこの時期から夏を除く3シーズン対応になっております。そしてポケットをフラップに、ラペルをピークドラペルにする事でアクションペイントをデザインソースにした多色使いのカジュアルな生地を使ったジャケットをフォーマルに寄せております。モード的ディフォルメやデコレートといった変則ディテールではなく、モードアプローチからのパターンワークではありますが運動量をしっかり取りつつシャープに見える完成度の高いシルエットのミニマルなテーラードジャケットと凝りに凝ったアーチスティックな生地と組み合わせて作られたこのジャケット、ジーンズ&白シャツと組み合わせるとアンディウォーホル(現代アート作家)を彷彿とさせ、よりドレッシーなコーデュロイパンツやツィードのパンツとフランネルのシャツを組み合わせると印象派ぐらいのモネに代表される画家を彷彿とさせるスタイルになります。それでいて派手にはならず落ち着いた雰囲気になりますので、そんなコーディネートで美術館に行くと気分出るでしょうねぇ。サイズは1・2・3の3サイズ展開、価格は79,200円(税込)です。





今となってはテーラードジャケットを着ているだけでビジカジの範疇に入れてくれる会社もあるでしょうけど、私としてはビジカジを考えずにテーラードジャケットを楽しむという提案としてセレクトしております。オリジナリティに富んだ秀作ですので是非チェックしてみて下さいませ。





明日のアイテム紹介ですが、こんなジャケットを着たらこれぐらいの靴が良いな、という秋らしいブーツの銘作紹介を予定しております、お楽しみに。


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