2025年11月12日

冬の新作紹介 vol.6 AlderneyのBritish Wool Cricket Vest


ここにきて入荷ラッシュは止まる所を知らず、今日はフォックスファイヤーのフロントジップフィッシャーマンセーターの今年の新色(ブラウン×ネイビー!)とこのご時世にこれは凄い!と押さえたイタリア製のリサイクルカシミアのタートルネックセーター(3色展開です)の入荷がありました。明日は定休日で展示会廻りに行ってきますが、明後日にはフィルソン×ラングラーの入荷もあり、来週にはブラックシープの別注展開している英国で手編みしたゴルフカーディガン(丸首のアラン模様のカーディガン)の今年の新色であったり、グローバーオールのどうやら日本に5着程度しか入ってこないバーシティージャケットも入荷予定です。その辺で秋冬の納品は終了となりますが、未紹介アイテムは豊富にありますし、銘作紹介で紹介するアイテムも沢山ありますので、暖冬具合が想定以上だった昨年に比べて私としては納得のいく紹介が出来ると思っております。

で、本日紹介するニット、国内有数のニットのラインナップを誇るB.A.Tにおいて一度も取り扱った事のないアイテムであり、それでも今回オファーがあった際に、これ以上ニットを入れる隙間なんてありまへんがな、という店頭のキャパであってもこれはやりたいと足別注を決めた価値あるアイテムです。

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まずこのクリケットセーター(これはベストですが)という物が一体どういう物なのか、とその起源は13世紀まで遡る英国及び英連邦やかつて英国の植民地だった国で人気のスポーツであるクリケットのプレイヤーが最初に着用した事からその名が付いております。17世紀半ばにはほぼ現在の形式が確定し、19世紀前半には米国においても人気No.1スポーツでしたが、南北戦争以降19世紀に米国で生まれた野球にその地位を取って代わられ1876年に野球のナショナルリーグが設立され米国での最盛期は終わってしまいますが、英国ではオーストラリアとのプロチームの対戦が行われる等人気は不動なものとなり、紳士のスポーツとしてプレイヤーはフォーマルな白いウェアを着用するのが一般的でした。白いフォーマルって結婚式の新郎か!?と思いますけどゴルフ同様紳士のスポーツというのはそれなりな服装を求められた、という事で。その中で、冬のユニフォームとして登場したのがクリケットセーターでした。

クリケットセーターの定義としては、身頃に施されたケーブル編みと襟元・袖口・裾に配されたストライプのラインが入っている事が挙げられます。これは伝統的(クリケット競技用として認定された物という意味で)には、白やアイボリーを基調とし、ネイビー・バーガンディ・グリーン・ゴールド等のコンサバティヴなラインがチームやクラブのカラーを反映するものとして入れられておりました。コートやジャケットといった布帛のアウターに比べて伸縮があり動き易く暖かかったので採用されたみたいですが、20世紀に入ると英国のパブリックスクールや大学、米国のプレップスクールやアイビーリーグのクリケットチーム所属の学生達が日常着としても愛用するようになり、結果アイビーやプレッピーといったスタイルのアイコンアイテムの1つとなりました。この時点でファッションアイテムとして確立したと言えるでしょう。

それとは別に何だかんだで発祥からして英国のスポーツであり、同じく英国発祥のスポーツであり服装的に同じようなフォーマルを求められていたテニスプレイヤーにも使用されたのですが、英国人のプレイヤーではなく19世紀末の1898年から3年連続で全米オープンを優勝したホイットマンが着用していたのが最も古い例であり、私もこのセーターをクリケットセーターというよりもチルデンセーターとして認識してましたが、このチルデンというのは1920年代に活躍し4大大会優勝10回を誇るアメリカの伝説的テニス選手ビル・チルデンに由来する日本での通称だそうな。というのも日本男子唯一の全英オープンファイナリストである清水善造とその1920年の全英オープン決勝で激闘を繰り広げたのがこのチルデンだった上、太平洋戦争が始まるその年1941年に来日して日本にプロテニスを広めたのもこのチルデンで、その状況での来日だったのに有明・甲子園・名古屋と3か所回ったどの会場も満員になったぐらいに人気だったそうなので、日本人にはチルデンセーターになったのも納得です。

で、私としてはこの歴史を踏まえつつ、白いセーターとかクリケットだろうがテニスだろうが上流階級のおぼっちゃま気取りで着る、というのはもう時代錯誤もいいところですし、となればその原理原則を謳う伝統至上主義的なトラッドスタイルにも付き合えませんが、実はこのオレンジの方のベスト、英国ブランドであるケスティンが3年程前に提案してボツった物をオマージュしておりまして。同じ英国羊毛でスコットランドで作ってましたが、草木染めで手紡ぎのニット糸というのにした結果当時で5万ぐらいになるベストになっちゃってまして、それでも私は発注したんですが敢えなくボツに。我ながら執念深いと思いますが、その当時見たクリケットベストでアースカラーというのがとても新鮮で、あれ、これ別に現代的に解釈しつつ様々なコンセプトで配色組んで問題ないじゃん、となったのですが、以来今年に至る迄クリケットセーターを他がやっていないのにB.A.Tだけで発注出来る条件の良さには行き当たらず。

ですが今回のこのオルダーニーを何故かクリケットセーターで紹介されて、それならばやろうという事になったのです。何故かクリケットセーター、というのはこのオルダーニー、これ英国ではありますが、ガーンジーセーターのガーンジー島と同じくチャネル諸島にある島であるオルダーニー島というのがありまして、ガーンジーとはまた微妙に違う文化を持っていて、ガーンジー島と同じ英国王室領であり独立行政区として英国王から承認されているという今回取り扱う事になる迄私も全く認識していなかった非常にマニアックな英国の、そこの名を冠したニットブランドなんです。調べるとほぼガーンジーセーターと同じなのですがあたたのパターンが微妙に違うオルダーニーセーターがあり、そっちを推さないんだ、と不思議に思いましたが私としてはクリケットセーターの方が欲しかったので、このマニアックさを含め千載一遇のチャンス!!という事でイラレ上で何十回も修正を繰り返して糸帳と睨めっこして渾身の別注を組みました。

英国羊毛なのでミドルゲージにはなってしまいますが、今回セーターのみならずベストを作っても良いとの事でしたので、1柄はそのボツったケスティンのカラーリング提案をベースに紅葉や落ち葉といった秋冬のイメージで暖かみのあるアレンジにし、もう1柄はグレー系のグラデーションで糸を統一しつつ、地色とラインの色とのコントラストで3色全て違う色にして作る、というコンセプトで配色を組みました。そしてオーセンティックでベーシックな地色であるグレーに関してはよく見ないと写真では判らないと思いますが、ネップの入った糸をセレクトしております。逆にアーシーな配色の地色であるレンガ系のオレンジには杢調の糸をセレクトして差別化を図っており。

因みに日本代理店のラインナップは白地に2本ネイビーのラインと逆配色でネイビーに2本白のライン、そしてライトグレーに2本黒のライン、というこれでもかとアイビー&プレッピーの定番にしておりますし、糸も全てソリッドな物を組み合わせているので、全くの別物と言って良いでしょう。

サイズは今回38・40・42の3サイズ展開で、価格は25,300円(税込)です。これ別注しても展示会のラインナップで取っても価格は同じなので、後々紹介する別注のセーターを含め、とても高見えしていると思います。そして4色も色を使っていますけどグラデーションや同系色、コンセプトに沿った相性の良い色を組み合わせておりますので、ガチャガチャとした煩い感じは全くしていません。来年は値上がりはどうやら確実みたいですし、諸事情によりミニマムオーダー数がアップする可能性を代理店が示唆しておりますので、そうなると来年はやらない、という事になりかねず。それもあるので是非早めにチェックしてみて下さいませ。

という事で明日は展示会、来春夏の盛夏展(2回目の展示会)を行うハリスとその会社の他のアイテムの展示会に行ってきますが、いつも通り16時には戻ってブログを書いております。明日は展示会報告と言ってもさらりと終わりそうなので、もしそうならアイテム紹介になります。展示会報告かアイテム紹介かどちらになるかは明日のお楽しみ、という事で。

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2025年11月11日

冬の新作紹介 vol.5 YDOTのOCTA Half Zip Polo Shirt


週明け月曜、昨日出荷すると本日届きますので、本日はノービット×アルファインダストリーズのN3-Bモディファイとその組下のパンツが入荷しました。先週いらしたお客様、申し訳ありません。でもこれ、流石のクオリティです。米軍に納入していた生地そのものを表地に使い、中綿はプリマロフト。プリマ使っているアルファインダストリーズの民製品、見た事なかったですが、ノービットの指定でプリマロフトになっており。パンツのギミックも凝りに凝って作り込んでいて、これノービット×グローバーオール同様日本国内の供給は日本代理店経由では行われず、ノービットの取扱店のみでの展開となっておりますので、国内供給量が前職わあせて数十着というとてもレアなアイテムとなっております。特にN3-Bに関しては他の取扱店ではグローバーオールのダッフル同様早々に完売してしまっているみたいですね。B.A.Tでは冬を越せるアイテムに関してはダウン同様極力今月投入にして頂いており、結果eコマースは別にして関東エリアで実物を見られるのはB.A.Tのみとなっております。

そして何故か遅れていた(なので触れてきませんでしたw)TAIONのバッグ関係も本日入荷しました。今シーズンの新作であるリュックはライトデニムと迷彩プリント生地の2バリエーション、昨年クレイジーパターンが人気で一瞬で終わってしまったヘルメットバッグはライトデニム、そしてこちらも新作の大型ショルダーは迷彩プリント生地というセレクトです。これがどれもこれも内装もバッチリな上その価格破壊振りはウェア以上です。なるべく早く紹介しますが、オマケ買いが激しそうなのでバリエーションは昨年の4倍ですが昨年以上に無くなるのが早いかもしれません。

とはいえ、冬の新作紹介の時期迄紹介しないで引っ張ってきているアイテムがあり、紹介する順番をある程度組んでおりますれば、今日の紹介は今年の秋冬のミドルレイヤーの必須アイテムと言っても良いハイテク素材の他にはないデザインのアイテムです。

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YDOTで唯一紹介せず引っ張っていたこのアイテム。でもこれ、非常に画期的なアイテムでして、今迄ハードシェル(3レイヤー等のマウンテンパーカ)とソフトシェル(フリース等のパーカやスタンドカラーのブルゾン)の下にベースレイヤーという、エクスペディションモードのフィールドギアとしての着方の提案がアウトドアウェアの着方の基本であり、精々がヘヴィデ(アイビースタイルの一部としてのヘヴィデューティアウトドア)や昨今のアウトドアブランドに見られるビジネス向け提案のラインぐらいでしたが、それも単に素材を乗せ替えて既存のクロージングやカジュアルウェアのコーディネートを踏襲しているだけでした。、まぁヘヴィデューティアウトドアというのは敢えて街中でゴリゴリのクライミングブーツを合わせるとか、マウンテンパーカの中はインバーアランのセーターであるとか、新旧織り交ぜるユニークさは評価出来ますが、アウトドアアイテムを現代で合わせるのにマウンテンパーカ+フリースの中がネルシャツだとそのフランネル生地そのものに何かしらかの機能性を持たせているとかであってもまだ弱かったのは否めず。

今回のこの長袖ポロは最新の吸汗速乾・超軽量・遮熱/断熱機能を併せ持つ生地OCTAを使用したハーフジップ仕様。オクタは同じ直径の断面が円型のポリエステル繊維の重さに比べて約半分と軽く、吸汗速乾・軽量・遮熱/断熱・嵩高など様々な機能を併せ持ちます。表面に放射線状に配列された八本の突起が汗を素早く吸い上げて拡散させるだけではなく、その独特の形状によって出来る空間に多くのデッドエアーを含む事で薄くても強力な遮熱保温効果を実現します。しかもメッシュ構造と起毛構造を別々ではなく一体で形成可能な為、肌に触れる面をメッシュ面にする事で暑くなり過ぎないサラリとした肌触りになっております。

見た目にベロア調なのでブラウンやインディゴといった色にするとレトロ感がありながら、素材自体はハイテク素材ですので寒い時期にはアクティブインサレーションとして素材はハイテクでも見た目にアーバンなアウターと合わせるのに最適で、どうしてもスポーティに偏るかレトロな見た目になりがちなアウトドア素材を使ったカジュアルウェアのインナーとして、今迄にないジャストフィットなパズルのピースになっております。YDOTならではと言いますか、独自の解釈でモードとライトデューティなアウトドアとアーバンカジュアルをバランス良くまとめたYDOTのコンセプトがしっかり生かされたアイテムと言えるでしょう。

ぶっちゃけオクタを裏地では無く単独で使う、というのはアウトドアブランドのインナー&ミドルレイヤーとしてはちょっとしたトレンドでして、パーカやクルーネックのカットソー的な物は他のブランドでも散見されるんです。でもこのデザイン、ポロエリのハーフジップというのは他にはなく、しかも胸ポケはフラップにして左右に配置し、両脇にはハンドウォーマーポケット、裾はドローコードで調節可能で袖口はドットボタンのシャツかフス、という細部に渡って作り込まれていたのはこのアイテムだけでしたので、これだけに絞ってセレクトしております。

サイズはMとLの2サイズ展開、価格は26,400円(税込)です。日本で一番ニットノアだ、とリエーションを持っていると自負しておりますが、どうしてもハイテクなアウトドアスタイルにはニットよりこういったアイテムの方がしっくりきますし、モダンなアーバンカジュアルという点でもそれは同じ事。なので是非チェックして頂きたいです。まだサイズ欠けはありませんが、ブラウンが現段階で2サイズともラス1になっております、気になった方はお早めに。

明日は打って変わって真逆な提案、今シーズンの渾身の別注アイテムである、今シーズン初取り扱いとなる英国ニットブランドのベストを紹介します、お楽しみに。

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2025年11月10日

冬の新作紹介 vol.4 TAIONのReversible Track Down Pants(JAPAN SPECIAL)


昨日に比べて8℃高い最高気温でこれじゃ体調崩しまんがな、という気温の乱高下です。これ27℃→35℃よりも風邪ひき易く困ります。ですが程良く暖かくなるとお客様が外に出て下さるからでしょうか、今日は平日なのに色々と動いていて、未紹介な冬のミドルレイヤーの本命、YDOTのハーフジップ長袖ポロシャツやこちらも未紹介ですがどんどん減っているTAIONのスカジャン等が動いてました。特に今日確認したらTAIONのスカジャンは黒×セピアの今シーズンの鉄板カラーの物はMとLどちらもラス1になっており、対抗馬のクレイジー×黒の方も想定以上に人気でこちらもMサイズはラス1になっておりました。入荷したのは今月1日ですが、2週間程度で完売が見えてきてしまいそうですね。

そんな中こちらも早期の完売が想定されるのが今シーズンのTAIONの完全新作であるダウンジャージの、今日はパンツの方の紹介です。

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トップス以上にサイドラインの入ったトラックパンツ、如何にもジャージです。でもトップスのライトダウンに対し、昨日も書きましたが同じ暖かさのパンツとなると昨日レベルの寒さ、最高混んで10℃程度の冬にならないと快適な着用にはならないので、秋の新作紹介で紹介せず冬の新作紹介迄引っ張りました。何でも先物買い的に早く買えば良いものではない、というかもしかしたら今年も去年の様に寒くならないかもしれませんので、ある程度寒くなるな、という確信が持てないと買おうという判断は出来ないじゃないですか、昨今の日本では。でもジャージの方を表にしている分には見た目には厚着をしているのは分かりませんので、まぁそろそろ紹介して良いよな、と。痩躯しているうちになくなってしまっては意味がありませんし。

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でもひっくり返してキルティング面を表に出すと途端に冬の装いになってしまいます。なので引っ張れるだけ引っ張ろうと思っていたのですが、トップスの方の減りが激しく、このままではジャケットの方がなくなってしまう、という恐れがあった上にあまりの価格破壊価格にだったら真冬を想定して下も合わせて買っておこう、という方が複数いらっしゃり、これじゃパンツもなくなってしまう、という事で冬の新作紹介4回目にして紹介することになった訳です。

サイズはM・L・XLの3サイズ展開、価格は12,980円(税込)です。パンツの方もとんでもない価格ですよね、リバーシブルでこの価格って・・・これで800FPのダウンのパンツなんですから更に恐ろしいです。それもあって他のブランドとの兼ね合いでそこまで数を取っておりません。あくまでTAIONはエントリーモデルと位置付けているのですが、他に同じコンセプトの物が無いジャパンスペシャルラインに関しては価格以上に他にはないアイテムである事が魅力なので幅広い層の買いが入って動きが早く。なのでこのパンツも早めの対応をお勧めします。

明日はいよいよ減り始めたハイテクアウトドア素材に魅せられてしまった方々に冬のトップス&ミドルレイヤーとしてお勧めなYDOTの長袖ハーフジップポロシャツを紹介します、お楽しみに。

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2025年11月09日

冬の新作紹介 vol.3 norbitのAinu Quilted Pants


非常に寒い1日になってしまいました。最高気温14℃という予報でしたが、この14℃というのは低気圧が通り過ぎて風向きが変わった夕方の気温で、日中は10℃程度までしか上がらなかったみたいです。こりゃアウターを用意してからじゃないとウロチョロしちゃいかんですわな。私も足元から冷えて悪寒がしてまさか風邪か!?と思ったぐらいです。それが夕方になって改善されるという可笑しな事に。しかしこんな気温で日曜日と来た日には誰も来ないよな、と思っていたんですが、もう完全に冬アウターをチェックしに、という方がちらほらとお越しくださり、寒さに震えておしまいという事にならずよかったです。

しかし、こうなってくると昨日紹介したのも今日紹介するのも、ちなみに明日紹介するのも(w)冬のパンツというのが欲しくなってきます。という事で本日も暖かいパンツ、紹介させて頂きましょう。

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こちらも秋の新作紹介 vol.32で紹介したパーカと同じ、今シーズンのノービットのやりたいからやってしまった手間暇かかったテキスタイルを使ったアイテムで、テキスタイルについての説明はそちらを読んで頂くとして、何故トップスとパンツを続けて紹介しなかったのか、というところから話を進めていこうと思います。

不思議なものでパンツってそこそこ薄くても上半身から腰にかけてを暖めておくとかなり寒くなる迄耐えられてしまいますよね。スーツに至っては上半身は芯も入って裏地もあるのにパンツは生地1枚だというのにそれでいけ、という組み合わせです。なのでパンツをトップスと同じ暖かさにすると使えるのはしばらく後になると思いまして、パンツの方は冬の新作紹介まで引っ張ったんです。しかもこのパンツ、サイジングをリラックスシルエットのテーパードにしているのですが、それはオーバーパンツとして使う事も想定しているから。厚手の裏起毛のスウェットパンツの様な使い方をして、フィールドで本当に寒くなったら重ね履きする事も出来ますので、比較的早めに、もう使い始められます。まだ流石にダウンパンツは早いと思いますが、これぐらいなら良いでしょう。

でもキルティング生地というそのままだとゴワつきそうな生地でありながら、膝に2ヶ所プリーツを入れて(1ヶ所入れているのはよくありますが)非常に履き易くしており、ポケットのディテールはノービットのパンツとしてはすっきりフロントポケットとバックポケットの4つのみを装備した、シンプルな仕様。右の前ポケットにはキーホルダーフックが付いておりますが、それ以外は目に見えるディテールはありません。そして裾とウェストどちらもドローコードが入っていてシルエットの調整が可能ですし裾からの外気の流入も防げます。でも国内外を問わずトップスよりも先にこのパンツが早々に完売になっていましたし、敢えてネットショップへの掲載をしていないからこそB.A.Tでは残っている、という事なのでしょう。そして国内でベージュの方をやっているのはとても少なく、画像の露出も今のところB.A.Tのみ。どちらも使い易い色ですので是非チェックして頂きたいですね。サイズはSとMの2サイズ展開、価格は46,400円(税込)とパンツとしては高額な方になっておりますが、パーカの紹介の際に書きましたけど、この生地キルティング加工を3回重ねておりますので、表地と裏地と合わせて5枚分ぐらいの生地値がかかっているので、生地価格の影響が大きいアイテムですので、とても価値があると思います。

今年はこの手のパンツ、あると快適なぐらいの本格的な冬が来ると言われております、昨日のパンツ、今日のパンツを含め冬パンツの提案を複数揃えておりますので、合わせてご検討頂ければと思います。ただテキスタイルとしては近年の様々なテキスタイルを鑑みても技術的になかなか見る事のないやれば出来るけれどまずやらない生地ですので、このパンツは繰り返しになりますが、一度チェックしておくべきアイテムです。

さて明日ですが、明日も引き続きパンツの紹介を予定しております。昨日フリース、今日キルティングで明日はダウン、という事で。お楽しみに。

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2025年11月08日

冬の新作紹介 vol.2 HENRIETTE STEFFENSENのItalian Fleece Easy Pants(JAPAN LIMITED)


昨日送り状番号を送ってきていない時点で怪しむべきではあったのですが、ノービットの委託している物流倉庫が左側の集荷最終時間に間に合わず、結果本日入荷せず。来週の火曜日になるとの事で、本日この情報を基にお越しいただいたおキュア苦様にご迷惑をおかけしてしまいました。やれやれです。でも来週は現時点で入荷が判っているのがFILSON×Wranglerの日本代理店未入荷なカプセルコレクションでして、これ特にジーンズが現時点でヨーロッパのフィルソンのサイトではほぼなくなっていて、残りもフィルソンのサイズ感を考えるとインチ刻みでサイズの判っているジーンズ以外は恐ろしいのでSのみしか取りませんでしたが、それでもシャツとボア裏のジャケットをセレクトしてますから、ジーンズと合わせて美味しいアイテムになろうかと思います。ただ価格がフィルソン価格なのが恐ろしく、ユーロのフィルソンは取り扱いをしていたので価格を確認しましたが、私の想定していた価格よりも高くなっており、どう値付けしてくれようかと悩ましいです。

今日もTAIONとノービット、そして昨日今日で紹介しているヘンリエッテ・ステファンセンが動いており、しかも昨日その前に紹介したホワイトマウンテニアリング×バンズのスニーカーが一気に動いて残り8.5のみとなっており、ここのところで紹介しているアイテムの動きが顕著でした。

それもあってこれは粛々と新作紹介を進めねば、と思っておりますが、これセットアップで紹介出来る内に紹介してしまいたい、と思いまして続けてパンツの紹介をする事にしました。

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昨日素材やブランドについての説明はしているので、それは昨日のブログを読んで頂くとして、このパンツが結果的に日本限定仕様になってしまっている、という。といってもシルエットとかはそのままで若干の仕様の違いと展開色が違っている、というだけなのですが。本国サイトでメインで展開しているのがジョガーパンツ仕様に裾にゴムを入れて絞ったシルエットになっている物なのですが、それをセットアップで合わせてもスポーティではあっても北欧テイスろのアーバンカジュアルには鳴らんだろう、と思い、日本の展示会で提案されていたこちらのイージーパンツをセレクトしました。ところがデンマークでどんなMDが行われたかは判りませんが、ジョガーとは別になかにジョガーパンツメンとしてこのパンツよりもリラックスシルエットにしたモデルを色もグレーとオフベージュとダークチャコールというモノトーン展開にしております。

そして結果的に日本の展示会用にピックアップして提案されていたこのモデルは本国では展開されていない、という事に。特にブラウンに関しては色展開すらないので、それ考えるとチョコレートブラウンのセットアップ、とても美味しい気がします。で、展示会の際に資料で頂いたルックの写真ですが、セットアップで着るとこんな感じに。

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モノトーンという事もあって鉄板ですし、モデルさんが格好良いという点は差し引いたとしても、それでもこれ、日本ではこういう提案てされてないよね、という洗練されたミニマルなコーディネートです。足元は革靴でもスニーカーでも違和感ないですし、何より着ている本人が気持ちよくリラックス出来てそれでいてシャープなイメージにもなるといういかにもなスカンジナビアンデザインです。

パンツもS・M・Lの3サイズ展開で、価格は27,500円(税込)です。パンツに関しては本国価格と大差ない(極僅かに安いですがw)ので、ジャケットの方が意図的に価格設定を押さえて頂いたのかもしれませんが、この生地感でこのデザインでEU製でこの価格だと納得できる見栄えの良さですのでオススメです。

明日は雨がぱらついて寒いみたいですが、この気温の中で軽く快適に着られるライトダウンアイテムやコートの中に着るセーター等秋から冬にかけての準備をするのには実感の湧く気温ですので是非お越し頂ければと思います。そしてアイテム紹介ですが、本日フリースのパンツを紹介しましたので、比較対象という意味も兼ねて明日はノービットのキルティングパンツの紹介をさせて頂きます。お楽しみに。

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2025年11月07日

冬の新作紹介 vol.1 HENRIETTE STEFFENSENのItalian Fleece Shirt Cardigan


今日は今日で今シーズン最も気合を入れて別注を組んだニットが到着。セーターとベストがあるのですが、近々ベストの方は紹介しようと思っております。どちらも配色を組むのに試行錯誤を繰り返したものの、イラレの中で組み上げてサンプルを作っていませんので本日納品されて梱包解いて見たのが初めてでしたが、想定以上に出来が良く、これはいける!と入った時点で手応えを感じております。加えて明日は明日でノービット×アルファインダストリーズのコラボのアウターとパンツが入荷予定です。

そして本日は立冬という事で今日から冬の新作紹介となりました。そこでその第1弾として今シーズンの新規取扱ブランド、デンマークはコペンハーゲンのブランド、HENRIETTE STEFFENSEN(ヘンリエッテ・ステフェンセン)のトップスの紹介です。

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2003年にデザイナーHENRIETTE STEFFENSENによってローンチされたデンマークはコペンハーゲンのシェル・バイ・シュテフェンセンにあるブランド。以来20年以上にわたり、メンズレディスキッズを問わず高品質なカジュアルウェアやライフスタイルウェアを手がけてきました。イタリアのテキスタイル工場で生産されるエコテック認証のフリース生地は70%を構成しているポリエステルの内50〜70%をリサイクルポリエステルを使用し、82本の糸を織り交ぜ30%レーヨンを混合する事により、しっとりと滑らかな肌触りを実現しています。北欧ブランドらしく、落ち着いた色合いを基調に仕上げスポーツブランドとは一線を画す大人が上品に着こなす事ができるフリースウェアのコレクションです。

このシャツ型のカーディガンは伝統的なブレザーに代わるアウターとして提案されていて、清潔感のあるデザインはカジュアルで洗練された雰囲気を兼ね備えており、非常にクールで快適なスタイルはモールスキンやコーデュロイのパンツと合わせてデイリーユースやビジカジには勿論、同素材のパンツとセットアップにするとリラックス感とキチンと感を両立した北欧らしい洗練した提案として会食等にもバッチリです。これ私がそう認識しているというだけではなく、彼等のオフィシャルサイトでビジネスシーンにも、と書いているので、そうなると北欧においてもビジカジ的な服装としてカジュアルなセットアップや綿パン+このぐらいの羽織というのは認知されている、少なくとも提案はされているんだな、と思って良いでしょう。テーラードジャケットに対してこのシャツ型カーディガンを提案しているんですから、同じセットアップにミニマルなスニーカーを合わせてノームコア的なスタイルとして日常着にするのは最も適した使い方でしょうしね。

長らく日本においてはレディスでの提案をする商社はあってもメンズラインを提案するところが無く、今シーズンメンズアイテムとしての提案は初めてだそうで、このチョコレートブラウンとダークチャコールの2色をセレクトして、上下で提案してみました。サイズはS・M・Lの3サイズ展開、価格は35,200円(税込)なのですが、イタリア製の生地でリトアニアとはいえEU内生産でこの価格はとてもコスパが良いですし、これ想定以上に円安が進んだ結果、オフィシャルサイトでは€190なので今のレートだと税抜きで33,000円以上ですから日本の方が安いという可笑しな事になっております。それもあって今シーズン大人の着用に耐えるミニマルな高機能繊維アイテムでセットアップ提案をしております。是非チェックしてみて下さいませ。

まぁこれだけ色々入ってきておりますので、この週末、見る物沢山ございます、なので是非皆様にお越し頂ければと思います。

という事で明日は同色同素材のパンツを紹介します、お楽しみに。

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2025年11月06日

秋の銘作紹介 vol.3 White Mountaineering×VANSのCHUKKA 49 DX


いやぁ、自分で出掛けてみると判るんですよねぇ、日中は長袖tシャツの上に長袖のカットソー(Tシャツ生地のジップアップ)を羽織ってその上にナイロンのハーフコートを着たらちょっと歩いただけで暑いのなんの。いや一応今日は18℃程度の最高気温だよね??といった感じで。今日は来シーズンから展開を再開するB.A.TオリジナルブランドであるContinental CircusとKyrie qu'il Chanteの2ブランドに使う生地の検討の為に日暮里に行って生地を見つつ馬賊でラーメンと餃子食べて帰ってきました。現在Continental Circusに関しては来春夏のハイグレードなシャツラインを、Kyrie qu'il Chanteに関しては来春夏開始の3シーズン対応定番展開スーツを予定しておりますが、2ブランドのメリハリをつけるのに出来ればドレス仕様のシャツ・ドレス仕様のパンツ・テーラードジャケット・スーツは同じブランド名で統一しておきたいと私は思っておりまして、では何故スーツをKyrie qu'il Chanteにする方向で現在いるのかというと、単に既存の織りネームでスーツでもいけると思える雰囲気の物が無いから。なのでジャケットやパンツにも使えるしクロージング用に新たにContinental Circusの織りネームを作るか、という気になりつつあります。

それとは別に今の段階で春夏に使う生地はある程度決まっていて、今日見に行ったのはスーツ以外の秋冬になったら展開するべきアイテムに使う生地です。春夏はぶっちゃけ3シーズン対応のスーツ以外ジャケットは要らないな、と思っております。なので展開アイテムをシャツとパンツだけにして、本格的な展開は来年の秋冬からにしようと思ってまして、そうなると単品のジャケットとパンツのインスピレーションを得るべく変な生地無いかな、と思って足を伸ばした次第です。基本インポートで展開していたクロージングの価格がその価値と見合わないレベルに迄上がってしまったので、5年前のインポートクロージングの価格でクオリティはこちらの指示でそれ以上に向上させて国内生産で、というのが趣旨なのですが、折角ならkyrie qu'il Chanteの方もきちんとリスタートさせてやりたいと思いまして、こちらは日本のユニークさをより全面に押し出した基本カジュアルなアイテム構成で企画したく、そうなるとまずは生地だよなぁ、という事で。場合によっては生地を織る事も念頭に現在動いております。

とまぁそんな感じで定休日を使った1日でしたが、本日が秋の〇〇紹介の最後、という事で秋らしいアイテムを持ってきたいと思い、このスニーカーの紹介を。

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このスニーカーをセレクトしたシーズンのバンズコラボは2型あったのですが、シーズナルというか秋冬、という事を考えるとこれだけで良いや、となりました。コラボするにあたって前回のスリッポンと今回のチャッカは、バンズの創業当時から使用されているモデル名とスタイルナンバーを用いて、かつてロサンゼルス近郊のアナハイムにあった工場で製造されていたオリジナルモデルのCHAKKA49のラストを使って現在の中国工場で生産されました。それに対して今シーズン展開されているもう1型はバンズのド定番であるSK8をベースにしたので型から吟味したというよりもある意味勝ちにいった黒いローカットでしたので、ここは一発チャッカに絞って展開しよう、と思った次第です。

そしてですね、何が凄いってこれバンズではまず見る事のないレザーモデルなんですが、毛足を短く刈り込んだカーフのスウェードに今季ホワイトマウンテニアリングがデザインしたオリジナルパターンのボタニカル柄をインクジェットプリント。更にその上からレーザー彫刻で別柄の植物を彫り込んだ非常に凝った素材となっております。革の地色であるレンガ色に対してプリントした赤茶色が重なり、レーザー彫刻で染色した革の色を削り取って革本来の色を表に出しているので、染色・プリント・彫刻で全て違う色を重ねるというここ迄凝ったバンズってあったっけ??と思うぐらいの素材で作られております。端のパイピングはシンセティックレザーを使用しておりますが、紐もメランジの入った革の雰囲気に合わせた物になっており、腰巻き(サイドのラバー)もベージュにブラウンのラインという徹底ぶりです。

で、何が凄いってこれだけ作り込んで16,500円(税込)という価格設定。ローカットのSK8の方は黒のスウェードの上にグレーのインクジェットプリントを施していますがレーザー彫刻はなし、それで15,400円(税込)ですのでそれで1,100円差というのならこりゃもう私としてはチャッカ1択でした。

しかもこの配色ですので、今年の秋冬も引き続き提案しているレンガ系の茶色や焦茶やマスタードといった秋冬らしいカラーのコーデュロイやモールスキンとの相性、抜群なのは疑う余地がありません。こんな大人な1足、そしてそれでいてこんなコスパな1足はまずないでしょうから是非チェックしてみて下さいませ。随分と数を減らしましたが今日の時点で8・8H・9Hの3サイズ各1足だけ残っております。とはいえこうして掘り返して紹介してしまうと減るのが早そうなので気になった方はお早めに。

という訳で明日から冬の〇〇紹介になります。初回の明日は冬の紹介に相応しい今シーズンからの新ブランドのアイテムの紹介を。お楽しみに。

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2025年11月05日

冬の銘作紹介 vol.2 Harley of ScotlandのM2474/7 Saddle Shoulder Crew Neck Sweater


昨日書き忘れておりましたが、今日は今日でガッツリ納品が。今日はハリスのパンツと暖かいカットソー、そして今シーズンから投入の素材から縫製迄オールEU生産なデンマークブランドのシャツジャケとパンツの入荷でした。この中でハリスの暖かいカットソー、というのはもう定番的に展開している機能素材を使った薄手のベア天竺のタートルネック長袖Tシャツで、鉄板配色のボーダーのタートルです。今回はその1色のみに絞って追加しました。何故か今シーズンは無地の提案がなく、ボーダーは過去の分もありますしね。そしてパンツ。今回のハリスのパンツは歴代のパンツの中でも格段に美味しい出来映えでして、非常にオススメです。見た目にはウールのツィードにしか見えませんがポリエステル100%
の機能素材で出来ており、お家で洗濯も出来ますし2ウェイストレッチで肌触りも良く保温力にも優れている逸品です。これで国産2万のパンツというのはそりゃお勧めしますよね。

そしてこのご時世に投入する北欧デンマークブランド、これはこれでとても美味しく、フリースの上下なんですが、イタリア製の毛足の短い上質な杢調のフリースで、見た目はウールのフラノと言われても信じてしまうレベル。それを使ってリトアニアで縫製する事で縫製コストを抑え、デザインはミニマルなデンマーク、というブランドです。肩の力を抜いた大人のカジュアルウェアをシンプルなデザインで演出するラインで、レディス中心のメインコレクションは色々なところで取り扱いがありますが、このコレクションは日本初上陸との事。シャツジャケはカーディガン的なミドルレイヤーとしても使えますし、パンツは冬もこれでOKでしょう。つまりアウターだけ羽織ればこの上下で冬のパンツとミドルレイヤーはOKって事です。シャツジャケの中をそれこそベア天竺のインナーとかにしてしまえばそれでもう十分でしょう。新しい提案として近々紹介します。

明日は定休日でお休みしますが、明日は明日で入荷があるとの事。明日はnarifuri×TAIONのインナーダウンベストが入荷しますが、背中側を綿無しにした従来のモデルはそれはそれとして、今回は背中側にもダウンを入れた状態の新しいデザインの物をメインにしております。それはそれでとても良い感じなので乞うご期待です。そして明後日金曜日が立冬なので明後日から冬の〇〇紹介に切り替えます。なので今日明日で秋の新作紹介はお終い。とはいえ、気温としてはまだ11月は秋なんですけどね。

で、本日ですが店頭にももう出ております、結果としてどこよりもレアカラーでカラバリ豊富に揃っている、ハーレーの定番セーターをこのタイミングで紹介しておこうと思います。

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このハーレーのM2474というモデルは長きに渡って百貨店や大手セレクトショップでは勿論、個店のトラッドショップや我々の様な個店のセレクトショップで取り扱われてきたテンプレート的なモデルです。ただ、B.A.Tにおいてはたとえ定番であってもど定番的な手堅い色を揃えておくというセレクトはしたくなかったので、基本染色槽にドボンとつけたらこうなった、という単色ではなく毎シーズン微妙に入れ替わる杢調の糸をコレクションしている英国ニットメーカーという事で、他の名の知れたメーカーではなくこのハーレーをセレクトしております。色々あるんですけどね、英国のニットメーカーは。

ですから現在9色展開ですが、定番として他ブランドでも揃えているベーシックカラーは一切セレクトしておりません。例えばネイビーとかチャコールというのはまさにそのベーシックカラーじゃないですか。ですがハーレーの糸は凄まじいバリエーションがあるので、ネイビーではなくナイトシェイドを、チャコールではなくモウルダーを、と基本製品染めでも生産可能なソリッド(単色)の染めではなく、複雑に複数の色を使って染めた毛を撚って作った先染めの糸でしか作れない奥行きのある色のみをセレクトしております。なので先に挙げた2色に留まらずグリーンやシルバーやダークブラウンといったソリッドの糸を使った物はありません。マスタードではなくクミン、バーガンディではなくボルドーミックス、といった具合に微妙にトーンが違うメランジやネップの入った糸色の物で全9色を揃えております。現在価格が高騰して2万円オーバーになってしまっている事もあって、ウェブ上で検索しても旧価格やセール価格にしているところはほぼ枯渇しており、現在のレートを反映した価格で定番展開しているところはガッツリ残っているといった感じですが、2020年の秋冬の価格のままにしておりますので、17,600円(税込)のままです。サイズも38と40の2サイズ展開で、色によってサイズ欠けはしておりますが、この9色を持っているところは他にはない、と断言出来ます。

ベーシックモデルでありながら現在廃盤になってしまっている色も含め手間のかかった糸だけを使って作った(大手商社では予め色を絞って展開しているので糸帳から選ばないと使えない色ばかりです)シームレスなクルーネックセーター、ビジカジでも活躍するアイテムですので、是非チェックして頂ければと思います。色によってはラス1になっている物もありますので気になった方はお早めに。

明日はそんな訳で素直に定休日とさせて頂きますが、夕方荷物の受け取りにやってきてそのままブログを書いているので、お時間の合う方は遠慮なくお立ち寄り下さいませ。そして明日が今年の秋の〇〇紹介のラストになりますので、秋らしいアイテムを紹介したいな、と思いまして。そこで恐らく現在はB.A.Tにしか在庫がないであろうこれぞ秋、というコラボスニーカーを銘作紹介で。お楽しみに。

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posted by mercier at 22:50| Comment(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年11月04日

秋の新作紹介 vol.33 TAIONのReversible Track Down Jacket(JAPAN SPECIAL)


もし長期予報通りに日中の気温が多少平年よりも高いとしても、最低気温はしっかり下がっている気がする今日この頃。そうなると朝晩に外にいる方や通勤している方の事を考えると、日中しかお出かけしないという方はまだライトダウンでも早いかもしれませんが、日が暮れて昨日みたいに木枯らしが吹いている夜は今回のTAIONのどれか1着でもあれば丁度良いのに、と思うだろうな、と。

実際今日も連休明けだというのに今日紹介するダウンジャージが動いていて、ここのところ秋が抜けていきなり冬だったのが、それらしい季節がしっかり来ていて、それだけに今年は順当にあまり引っ張らずに新作紹介が出来てありがたいです。で、本日の紹介はどんどん減っていて残りが少なくなってきてしまったので、先週土曜日に入荷したばかりのTAIONの今シーズンの新作、ダウンの入ったジャージです。

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見ての通りのジャージです。マットな質感のジャージ生地をベースに肩から袖にかけてベルベット生地で2本ラインを入れております。なので本当にシンプルながらアーシーで落ち着いた配色のジャージにしか見えません。しかもポケットはしっかりファスナー開閉ですので物を入れて動いても閉めておけば落ちませんから安心です。ですがこれしっかり800FPのダウンが入っているんです。そうなってくるとこれ、見た目には冬になったら寒いんじゃないか?と思われるジャージの見た目でありながら、そんじょそこらのアウトドアブランドのダウンよりも高性能なダウンを内蔵しているんですから面白いですよね。あの人大丈夫なのかな、と思わせておいて本人は快適という。そしてこれ、それだけに留まらないのです。

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流石はTAIONと言うべき贅沢な仕様で、リバーシブルでミリタリー仕様のオニオンシェイプパターンのキルティングのブルゾンになります。今回はジャージなのにダウンというのがキモなので、リバーシブルでひっくり返したキルティング面の方は至ってシンプルなブルゾンで、リバーシブルでも使えますよ、という程度ですが、今回のこのジャージ、パンツもあるというのが更なるポイントでして、単体で勿論使えますが、上下で着るとなんか本当に人間をダメにする服になると言いますか、近所のコンビニやスーパーやちょっとご飯食べに行く程度でしたらこれだけで真冬で大丈夫でしょうし、布団要らずでゴロゴロも出来ます。そんな自堕落なことはしないのだ!という方はご立派ですが、仕事から帰ってきたらリラックスした格好で過ごしたいじゃないですか。そしてこれ、何が凄いってこれだけの作り込みをして14,960円(税込)という相変わらずの価格破壊プライスな事です。既にダークチョコレート×ネイビーの方はこのジャケットに関してはLサイズのみとなっており、ダークオリーブ×チャコールの方はMとLどちらもまだ欠けてはおりませんがかなり減っておりますので、気になった方は早めに押さえておく事をお勧めします。

で、明日ですがまだパンツに関しては早いというか、ライトダウンであってもパンツともなれば流石に冬アイテムでしょ、という事で冬の新作紹介まで引っ張りたいと思っておりまして。で、今年新たに追加していないけれど、他では値上がりした価格で出している定番的なニットを銘作紹介しておこうか、と思い立ったので、明日はそれを。お楽しみに。

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posted by mercier at 23:00| Comment(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年11月03日

秋の新作紹介 vol.32 norbitのAinu Quilted Hood Jacket


今日は22℃予報だったんですが。昼過ぎから強風と共に気温が一気に下がり、夕方にはもうこりゃライトダウン普通に着れるがな、というぐらいまで気温が急降下。こうなってくると明日以降平年より気温が高くなるってほんまかいな、と疑いたくなってきます。たとえ日中の気温はそこそこに高くなるとしても朝晩の気温差がかなりなもので、明日なんて晴れて最高気温16℃、最低気温はもう5〜6℃になるみたいですし、ここからは日中暖かくても朝晩の気温は一桁なので、そうなってくるともうアウターは必須になってきます。

それもあってか今日もTAION強しな1日に。でも今日紹介するキルティングジャケットも動き始めましたし、フリースを中心に暖か過ぎない暖かくなるアイテムが必要な時期になってきているんだな、と実感します。そんな訳で本日は秋も本格化した中丁度着られるアウターでありミドルレイヤーでもある今シーズンのキモなテキスタイルの1着を紹介します。

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オリジナルのテキスタイルというだけなら色々なブランドが提案しておりますが、今シーズンのノービットがフィーチャーしたのは我が国の北海道を中心に東北地方に居住してきた先住民族であるアイヌのテキスタイル。アイヌ伝統の紋様を今回はキルティングのステッチで表現するべく線画に落とし込み、撥水加工を施したナイロンとポリエステルフリースを重ねてキルティング加工するのに使っております。これサラリと取ってみて後から気付いたのですが、このキルティング糸が3色使われており、キルティング加工をしている工程を調べたら、これ糸の色ごとに3回キルティング加工をしないとこんなふうに3色の糸を使ったキルティングは出来ない事が判り。つまりこれ、キルティング加工を3回やってこの状態にしている、という事です。そして中綿を挟んで表地と裏地で行うキルティング加工ではなく、2枚の生地を縫い合わせるのにキルティング加工を使って作った生地ですので、それもまた珍しい生地です。そしてシンプルではありますが、ノービットらしいディテールが随所に施されたアイテムになっております。

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まずフロントは合わせを多めに取ってファスナーとドットボタンの両方でフロントを留められる仕様になっていて、更にその上から縦に2ヶ所紐で留められるダブルループ仕様になっております。結果的に日本の羽織紐の雰囲気を加えるべく加えられたこのディテールを2段で使う事でこのテキスタイルと相まって、アイヌの民族衣装の雰囲気を醸し出しております。生地のウェイトとしては撥水で防風機能はあるナイロンとそこ迄の厚さではないフリースを組みわせているのでスウェット程度の厚さなのですが、防風性能とフリースの暖かさを併せ持つ単体でアウターとして当面使えて、後からミドルレイヤーで使える点で程良く便利に使えるアウターです。

そしてサイドにはハンドウォーマーポケットと背面に大きなゲームポケットを装備しており、ノービットらしく機能性はしっかり持たせております。ですがハードシェル的なアウターと違ってこれでもかとポケットを沢山付けたりではなく、こんな感じでテキスタイルを活かしたスッキリなディテールですけど必要十分な機能はしっかり持たせてくれている、憎い仕様です。

生地に非常に凝った為コストが掛かりましたが、これはもう他にはないスペシャルアイテムなので、かなりな人気になっており他で取ってる店ではすでに完売しており。しかも使い易い色とサイズだけで固めておりますので、満を持しての紹介ですが、是非チェックして頂きたいですね。サイズはSとMの2サイズ展開、価格は59,400円(税込)です。

明日はこの気温の低下を受けて、そして減りがあまりにも早いのでTAIONの今シーズンのキモアイテム、前代未聞なダウンジャージを紹介します、お楽しみに。

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