昨日全く今日の事に触れずじまいでしたが、展示会は個展を含めて都内で開催される予定だったものは全て中止若しくは延期になっておりますので、徒らに都区内に立ち入る必要はなく。そして現状を考えると休める日は休んで運動なりをしておこうと思いまして定休日とさせて頂きました。
私としては至って冷静にウィルスの特性と現在の東京近郊の状況を把握していると認識しておりまして、その辺を全国民に理解させるのが大変だから一律で不要不急の外出を避けろ、という事になっているのでしょうけど、まずウィルスの特性をよく考えるべきだと思うのです。現在提唱されている3密を避ける、これはまさにその特性に対して感染回避の為の方策として重要な事です。密閉空間で密集して密な会話というのを避けろという事ですから。
コロナは細菌ではなくウィルスです。細菌は栄養源さえあれば細胞分裂して増えていく単細胞生物ですが、ウィルスというのは細胞がなく人を含む生物の細胞に入り込みそこで自らのコピーを作って増殖し細胞を破壊し他の細胞に入り込み、というのを繰り返し増えていきます。
細菌は抗菌薬や抗生物質が有効ですが、抗ウィルス薬はそもそも開発段階の物が多く開発済みの物が少なく、子供の頃に予防接種を受けるポリオや麻疹、風疹やおたふくかぜや日本脳炎、そして毎年予防的に打っている人も多いインフルエンザぐらいです。エイズにしろエボラやハンタ等の深刻な感染症を引き起こすウィルスのワクチンはまだありません。今回の新型コロナウィルスに関しても基本的には人間の免疫力に頼るしかないのですが、その辺の仕組みは清水茜氏の漫画“はたらく細胞”等にこうやって字で書かれるより判り易く説明していますので、外出出来ない分ネット上で読めるのを大いに活用して頂きたいと思います。
で、大雑把に説明するとウィルスが入り込んで本来の役目を果たさず壊れてウィルスを他の細胞に染す感染した細胞をマクロファージというのが情報収集して指令を出すT細胞というのに伝え、まずはキラーT細胞というのにその感染した細胞を破壊する命令を出します。それと並行してB細胞というのにそのウィルスに対する抗体を生成させキラーT細胞と共にウィルスに感染した細胞を破壊する、という流れです。
つまりコロナウィルスに感染した細胞の増加スピードと免疫系がウィルスに感染した細胞を破壊するスピードとで破壊するスピードが上回らないと快方に向かいません。この増加スピードを抑制する薬が抗ウィルス薬で、直接作用する物と免疫機能を強化する物があるのですが、現在コロナ専用の抗ウィルス薬の開発を進めつつインフルエンザ用に開発されたアヒガンが有効なのではという事で増産と臨床使用が進められております。実証されると良いんですが暫く時間がかかりそうです。
とまぁこれに対して我々が出来る事は限られていて、嘘っぱちの情報も多いのでそれに惑わされない事も大事です。ここで免疫と言っているのはコロナウィルスに対する物で、全般的な免疫力という言葉で使われているものではありません。ですから自称健康食品を売るメーカーが正しいデータもなく自称するだけの物はほぼ意味がありません。得体の知れない宗教に縋る様なものです。イワシの頭を拝む信心みたいなもの。納豆かき集めて狂った様に食べてもコレステロール値が上がるだけです。信じるか信じないかはあなた次第なんていうのは都市伝説レベルって事です。フィクションとして楽しむ分には害はないですけど、ウィルス蔓延という事態においてそんな事言って儲けようとしたり人心を惑わしてほくそ笑む様な輩は害悪でしかありません。又この程度の専門的ともいえない知識を得ようともしないでそういう話に踊る人も迷惑極まりありません。自分は頭が良くないとかいう言い訳は全く通用しないと己を戒めるべきです。
困った事にじゃぁ罹ったら有効な対処が出来ないじゃん、というとその通りで、だから今回これだけの事態になっているのですが、ウィルスなので細胞内に入り込まないと増殖も出来ず自ら生命活動を行えないので飛沫感染か生存中に付着して経口若しくは粘膜や目等から侵入するしかありません。そして空気中ではエアロゾル(空気中の微笑物に付着した状態)以外では生存時間は短く、外気の中ではほぼ生きられない物と考えて良いでしょう。どこぞに付着して数日生きているという事はある様ですが、他人と接触した後にアルコール消毒をしていればそれも少なく、だからこそ3密の全てを満たすところは勿論ですが、感染者がいる前提で密集したり飛沫感染する距離でマスク無しに会話すると感染リスクがある、という事になります。
反面1人若しくは夫婦やカップルや2・3人程度の現在感染が確認されていない人同士で公園や山や海等に車やバイクや自転車や徒歩で行き過ごす分にはそれが不急の外出であっても何ら感染拡大には寄与しない事になります。人の少ない換気の良い店で距離を保って接客していてもされていても染りませんし、そこ迄の行程でマスクをして人混みを避け会話せずに移動していればこれもまたリスクは相当に低いでしょう。
我々は利便性を求め、東京近郊に暮らしていると都心部に行けば何でも手に入る、という集約を良しとしてきました。それはとても便利だしありがたい事ですけど、今回の様な条件下だとマイナスにしか働きません。また経済活動としてみてもディズニーランド&シーやUSJの様に大規模に人を集めて集金する場所(そこに楽しさを感じている消費者に対し運営側にはお金儲けの場でしかないので)はウィルス蔓延という事態には全くなす術はありません。ネット上でバーチャルに楽しむ様なものは問題ありませんが、服等は通販で買っても良いと思えるのは安価でな量産品ぐらいで、文化の一部として人が積み上げてきた様な物は手に取って試着してみないと良さは伝わらないので売れません。それにアウトドアウェア等のギアに相当する物も使う場があってこそで家から一歩もでなければ必要ないですわな。靴なんて全く必要なくなります。近所のスーパーに買物に出る時だけしか履きませんから。でもそれが人のあるべき生活としてどうなんでしょうと思わずにはいられません。
確かに一気に押さえ込むのに人との接触を8割カットすれば終息に向かうという理屈はその通りですが、通勤している人は通勤時に接触する人の数=分母の大部分ですから通勤している限り接触数は減りませんし、私なんてスーパー寄らなければ1日の接触者数は家族を含め5人以下、という日もざらにあります。でも満員電車で通勤している人は100人じゃきかないですよね。テレワーク可能な仕事じゃないかぎりそこがなんとか出来ないと全体で8割カットは無理でしょう。5割カットが良いところでしょうね。とはいえ都下や神奈川・千葉・埼玉の衛星都市に暮らす多くの人は通勤以外では他人と接せず外を歩く事は可能です、ジムに通うのではなく散歩する、ジョギングする、軽登山や散策、可能ならそういう風に原点回帰に近いですけど利便性よりも泥臭く地道なライフスタイルにすれば運動不足にはならないはず。ストレス云々も軽減されるでしょう。あるお客様のツィッターで外出自粛の中、庭でキャンプ飯的にカレー作って楽しむというのを上げていた方がいらっしゃいまして、とても羨ましく拝見しました。庭がなくてもちょっとした河原の近くでしたらそんな事も可能だよなぁ、と思ってしまいました。
洗練されたアーバンライフや人工のアトラクション、集団での娯楽に関わる営みは無理ですけど、やがて元に戻る迄は人の密度の低い店に出来れば滞在時間は貸し切りにして行くとか、自然の中で過ごすとかであれば問題ありません。そういうライフスタイルへの切り替えさえ出来れば多くの店は存続出来るはず。行列が出来ていないと成り立たない、満席で3回転しないと成り立たないビジネスモデルとかは今後も起こりうる未知のウィルスの蔓延にはどうにもなりません、別にスローライフを謳う気はありませんが、かつての日本の商道の美徳とされた“釣りして網せず”の姿勢が当面のあるべき姿な気がします。大儲けはありませんが、人と人との繫がりを大切にして目の届く範囲の方に物だけじゃない様々な背景を含めて提供する事を良しとする、そんなお店がかつては沢山あったのを記憶しています。
この状況下で感染者にならず出来る限り文化的で人らしい生活が出来る工夫が出来ると良いですね。
という事で長々と書いてきましたが、畏れるべきを畏れ理に適った行動をして過ごしましょう、という事でして、かくいう私は展示会廻りで週1で10km以上歩く運動が断たれたので、久々に自転車に乗って津久井湖の方に向かい、途中に自転車を留めて峰の薬師まで登ってきました。往復1時間の自転車と往復1時間弱の軽登山でしたが全く誰とも接触しない屋外の活動で、鈍った身体は結構な疲労度ですが、なかなか取れない純粋に自然の中で過ごす時間に気持ちは晴れやかです。夕方帰ってきて店でこうしてブログだけ書いて家に帰るのですが、明日はこのタイミングで英国からTシャツが沢山届く予定です。今年はGWだからどうという事ではないのが確定していますから、タイミングを見て順次紹介していこうと思います、そちらもご期待下さいませ。
人気ブログランキング