2015年05月10日

最近ブログを書いてて思うのですが。

今日はちょっと最近の新規のお客様の傾向と、ブログのアクセス数の増加について、思うところがありましたので新作紹介を休んでそのお話を。





元々ファッション系のブログなんて、余程タレントさんやら人気デザイナーやらが書いているものでもない限り、お金を使ったSEO対策をしないでアクセス数を稼いているものがとても少ないと思います。これが食べ物の話であるとか、旅行の話であるとか、そういう物の方が圧倒的なアクセス数になります。現実にかつて食べ物のお話をした時にはアクセス数が一気に倍増。また正月やお盆ぐらいにしかしませんですけど、その年にほとんど取る事のない休みを取った時にその時間を有効活用すべくこだわった目的地と日程で、旅行記を書くと、これはこれでまたアクセス数が増えます。という事は人気であるとか誰それが着ているとか、そういう事を声高に謳ったり、書いている本人にビジュアル的なファンがついていたりしないとファツション系のブログで1日1000件とかのアクセス数を稼ぐのは難しいって事です。





がしかし。そりゃ1000には遠く及びませんが、ぶっちゃけ最近は平均的に170人ぐらいのアクセスがあり、服の話でしかないのに、しかもこの文章量にも関わらず、多い日は250以上になります。5年ぐらいの間に読んでいる人が倍ぐらい増えているって勘定になります。





つまり。短文のSNS等の普及によりそれに慣らされて直感的な短文や写真をメインに散文的な文章がチョコチョコっと入ったものを良しとする風潮にありますが、知りたい事を知る、伝えたい事を伝えるのにそんな物では伝わらないという事をしっかり自覚している人にしてみれば、言葉を尽くして語る文章の方が読みたい、という事なんじゃないでしょうか。





例えば現在書店で本を買う人がどんどん減っている、という情報があります。少年サンデーの発行部数が1年間で15%落ちたという話もあります。でもそれは文章を読む人が減っているという事では一概にそうとは言えないと思うのです。私は本を読むのが好きです。見れば一目瞭然のものを言葉を尽くして表現しているものを読むのが好きです。あくまで出版物が売れていないというのは電子書籍の普及により、紙媒体を買う人がいなくなってきているという事なだけであって、文章を読まない人が増えた為ではないと思います。いや思いたいんですけどね。





読んで楽しいと思わせられるかどうか、テンポ良く話を展開出来るかどうか、それはそれとして読んで頂く為の必要条件ではありますが、それ以上にきちんと伝えたいと思って書いているのか、写真載せてるんだからそれ見て直感的に良いか悪いか気に入るかどうか判断してね、という文章なのか、そういう事って読んでいると伝わってしまうものだと私は思います。





という事で、世の中にファッション系のブログできちんと読めるものが少ない為に、一貫してその姿勢を崩さず、取引先の営業さんからお前のブログは黒いと皮肉を言われつつ書いてきた結果がアクセス数の増加に繋がっていると自分では分析しております。





でですね、その結果がそのまま新規のお客様の傾向に結びついているというのが今日の本題。いらっしゃるお客様、又は遠方から問合せをして下さるお客様の多くの方がブログを読んで頂いて、とか某SNSサービスからB.A.Tに辿り着いて、という傾向にあるのです、最近。とうとう近場のお客様で新規のお客様が、近くの洋服屋を探してというのではなく見つけて読んだら近くだと判って、とおっしゃる迄に。何かこりゃ苔の一念というヤツで、どんなに時代が進んでも、逆に時代が進んで遠方の方にも同じ様に情報が共有される様になってきたからこそ、書き続ける事、何かそれがトレンドであるかの様に写真を載せれば認識を共有出来るという勘違いではなく、きちんと伝える事を伝えられるだけの言葉を尽くす事で、そういう事を好む方が増えてくれているんだなと思っております。





事実ファッション雑誌って殆どそのビジュアル的な部分と宣伝広告に占められてしまい、読み物として成立する様な部分がとても少ないです。そんな堅苦しいものは売れない、というのは結構なのですが、ではそれを見ただけで物の良し悪しや細かいディテールを判断出来る様な知識を持った一般消費者は、というと殆どいないと断言出来ます。だから雑誌に載っているからという事に対して何かそのもの自体の確からしさやクオリティが保証されているかの様な盲信をしてしまう。でもそんな事はないですよね。そんな目利きが世に溢れているだなんてとても思えませんもん。





だからこそ遠方からもいらして下さいますし、地方の方で通販を利用なさっている方でも細かくメールのやり取りをして買おうという方が増えている、という事で。マスに物を売る、というのであればその情報を駆使した心理的操作が良いんでしょうけど、そこに何らかの技巧が必要な売り方は、少なからず詐術に近いと私は感じます。だったら出来る限りそういう事とは縁遠い売り方をしたいなぁ、と思うのです。





いや実はGWとその後のこの週末にかけて、増えたお客様とこのブログのアクセス数等について考えていたらそんな事に思い至りまして、ついつい今日はそんな事書き連ねてみました。お粗末様です。


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2015年04月19日

歳の事なんて考えたくもないのですが(汗)

今日は久しぶりに、お店に関係なくはないのですがどちらかというと世の有り様というか同世代の人に向けて思うところを書かせて頂こうと思います。たまにはこんな話も良いかなと。というかB.A.Tのお客様は20代前半〜60代後半と幅広く大人の方にいらして頂いているのですが、その中でも中心層が30代前半〜40代前半という範囲になっている事が今日のお話の趣旨と密接に関わってきております。





まず。様々な方に読んで頂いているこのブログ。なので泣き言や経営上の不安等は極力書かずにいるのですが、ぶっちゃけ今月、予定よりも今の所圧倒的に売上が悪いのです。その原因は予約や取置きをしているお客様を含め、その中心層である30代前半〜40代前半のお客様のご来店が極端にないから。ないというよりもメールや電話で連絡は取って下さるのですが、仕事が忙し過ぎて週末も土曜日は仕事、日曜日は仕事絡みのイベントや接待等が立て混んでいてどうにも身動きが取れない、という状況なんですね。その為この土日迄は“ま、何処かしらで来るだろ、ブログは読んでくれているみたいだし入荷情報は別途流してもいるし”なぁんて鷹揚に構えていたんですけど、流石に今週の土日になってかなりドキドキしてきました。皆さんが今入ってきている物の展示会後や別注企画を練って決定する頃にお知らせをしてこれは行くぜ!とかこれは予約で!とか要連絡であるとか予約であるとかしていた物がドカッと入ってきていますので。





勿論新規のお客様も御陰様でこのブログやネットショップやそれ以外のルートからB.A.Tの存在を発見して頂いて、遠方からいらして下さる方を含め増えてきておりますが、やはり発注のベースになっているのは顧客様です。長年お付き合いして頂いていて、いらしたら1時間2時間は普通に滞在して服の話以外に近況や愚痴、飯の話から旅行の話、果ては人生相談に至る迄様々なお話をして、というかそちらが大半の様に過ごしていかれるお客様があってこそのお店です。そして遠方からいらっしゃる方でも、セレクトや接客を気に入って頂いてその中に加わって下さるからこそ次のより楽しんで頂けるセレクトや別注企画に繋がっております。





なんだかんだで15年近く続けていると、20代後半だった私と共に歳をとっていくのにもお付き合いをして下さっている皆様、気がつけばまさに今の中心年齢層になっているじゃありませんかww


でですね、ここ数年その兆候はあったのですが、今年は一気にそれが爆発的に表面かした、という事なんでしょう、皆さんとんでもなく忙しくなっているのです。栄転して給料は大幅にアップしたけれど、それ以上に物理的に不可能なぐらい、インセンティブの様な立場だからブラック企業だなんて甘っちょろい事は言っていられない状況だったり、仕事そのものにも責任と物量が重くのしかかり、そこを円滑に回す人間関係の構築や問題の解消にも時間を取られ、家庭をお持ちの方はそれはそれで入学等のイベントが発生し、どうにも収拾がつかない、となるとどうしても趣味嗜好の部分は優先順位を後に回さざるを得ません。





いやぁ長年お付き合いしてきてますし、人生において仕事をがむしゃらにやらねばならない過渡期に入っている、そんな年齢に差し掛かっているんだ、と否が応でも感じさせられていますので、何が何でも来てくれないと困る、なんてとてもとても言えません。取引先の方々には色々ゴメンナサイをせざるを得ないのかなぁ、なんて今の時点で月末の心配をしたりしてますが、そうはいってもGWも来週にはやってきます。なのでまぁその辺には一気にいらっしゃる事だろうと思いつつ、別の事を考えていたりも。





私は自分で事業を回している身ですからあてはまりませんが、憚り乍らB.A.Tで取扱っている物に興味を持って頂けてる様な方には、長年会社組織に身を置いていると収入を得るという点でもそうですけど文化的で物事の背景や客観的な立ち位置を検証しながら仕事をしていらっしゃってですね、それを評価されているとそれは自然と管理職であるとかチームの要であるとか、そういう立場になってしまうのも頷けるなぁ、と思うのです。いやそう思いたいというかww





そういうお客様方がすべき事を気を散らさずして頂ける様に、出来るだけ配慮していかないといけないなぁと思った次第です。きっとこういう事書くと、その年齢層の皆さん、そうかぁ、俺もそういう歳なんだなぁ、と改めて思ったりしちゃうかもしれません。かく言う私もちょっと触発されてネットショップの更新やブログのアーカイブへのデータの移行を進めてみたりなんかしちゃってます。そんな事考えながら。


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2014年11月18日

マクロ経済じゃなくて真黒経済やね・・・・

いきなりの日銀の量的緩和とやらで一気に円安が進んでしまいました。選挙も近い様ですし今日はそれについて考察してみたいと思います。





来年の春はともかく、次の秋冬に関しては何らかの施策を国がしない限り、インポート物の価格はこのままだと1割以上上がる事は今の段階で明らかです。2年前迄のレートだとクオリティと付加価値から欧米からのインポート優位な状況というのは否めず、更にアジア圏からの輸入品の価格と国内生産の物との競争という点に置いても円高だとアジア生産をして輸入した方が格安になるのでその方が、という事に。





確かにそれじゃぁいかんだろ、国内産業を保護し、消費においても国産な物を選択する方向に持って行こう、という趣旨は判ります。


しかしそれをあからさまに行うのってどうなんでしょう。まず問題なのはその低価格商品についてですが、それがアジア諸国のメーカーがやっている事であれば確かにそうなんですけど、大手アパレルメーカーにしたってファーストリテイリングにしたって、全て我が国の会社です。そして安い物が欲しいといってそこに群がる消費者も我が国の国民です。効率良く生産して利益を最大化するのは資本主義社会においてビジネスの基本でしょう。私は自分でそれに迎合する気は毛頭ありませんが、一般論としてその通りだと認めない程蒙昧ではないつもりです。そして著作権がないデザインであるとかシルエットであるとかテクニックであるとかを、そのアジアで生産する商品をより多く売りさばく為にフィードバックして反映させる事で、少なくとも見た目的にはコスパの高い物にしていくのも当然です。





かつてはアジア生産といえば安かろう悪かろうだったのですが、そういったデータのフィードバックを繰り返し、技術指導をきちんとする事で、日本製は勿論の事、イタリア等ファッションを高く評価される国で生産される物と比較しても、そこ迄大きな差がなくなってきています。技術的に大きな革新が存在せず、ほぼ完成された物をアレンジする事でオリジナリティを出す様な業種、まぁ我が身を例に書いているので服や服飾雑貨はまさにそういった業種に入るのですが、そういう物は発祥の国と後から発達してくる国とで技術力に差がなくなっていくので、発展途上国に技術を提供してしまうと、その間に自分たちが更なる技術の高みにいくという事にはならないのです。そういうジャンルに通貨レートによる有利不利を論じてもあまり意味がありません。それに発展途上国というのはその名の通り発展途上なので、人件費の上昇は経済成長そのものですからかなり急激に進みます。いつまでも良い様に利用されている訳じゃないって事です。それに比べれば通貨レートの上下なんて大した差になりません。人件費の上昇は数年で何倍にもなるでしょうから。





だから問題なのは高い関税をかけている欧米からのインポートに比べて関税で十分に保護されているのに消費者に訴えていけない国内縫製業なのであって、それを単に円安に誘導してみたところで、インポートが高いから大した事のないドメブラを買おうという事にはなりません。だったら高いから買わないという選択をするだけです。それだと我々小売店はジリ貧ですし、単に消費が落ち込むだけです。





本来やるべきは技術の保護や服飾の深い知識を必要とするハイレベルな服をそういう物だと理解する教育であり、縫製業をクールジャパンの目玉にしたいなんていうのであれば、そんな事言っている政治家や役人がその事を理解していないから内需に繋げることが出来ないんです。医療費の様に助成金を出して高い技術で面倒な仕様の服をきちんと作れる所には工賃を高くしなくても助成金を出して採算が取れる様にするとか、マクロ経済的な政策を取る前にやるべき事はあるはずなのです。





ここ迄書くと随分と趣旨がお判りになって頂けると思いますが、マクロ経済に則った政策は大局的にみて必要ですが、そういった政策と共にミクロ経済というか本質的な問題を改善するべき政策をきちんとすべきなのです、並行して。





なのに結局消費税を上げるとか量的緩和とか、マクロ経済的な施策だけをやり、その大掛かりな成果を謳える事だけでやると約束した事すらやらない。その結果がGDPのマイナス成長であり、国内消費の低迷なのです。





だからこそ現政権の施策に不満があるし、それをしないせいでこうなってしまっている事が自民党政権に対する不信に繋がるのです。





街の声として言われているまったくアベノミクスの恩恵が無いというのは、影響に時差があるからではなくミクロ経済的な施策をしていないからだと思うのです。やれやれですが。





この選挙の後にそういった本質的な問題を改善する政策を実施してくれるのであれば良いのですが。何もアパレルや縫製業に限った事ではなく、多岐にわたって。まぁ野党が政権とっても無理そうなのがジレンマです。


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2014年10月15日

現実とはいえ不条理を感じずにはいられません・・・

ユニクロが何故かダイワハウスと組んで即日流通のネット通販を伸ばそうというニュースが流れ、柳井氏は流通革命だなんて仰ってますけど、結局は単に画一化された規格で全体を塗り潰せば流通コストが下がって利便性は上がり、その結果売上と利益率が上がるという理屈を実践しているに過ぎないと思うのは私だけではないでしょう。





てかどうなんでしょ。私は元々そういうものに組みしない考えの人間ですが、その前提条件をなしにしてももうこの多様性を産まないシステマチックなビジネスを嗜好品に持ち込むのは、いい加減個性やオリジナリティを謳うものについては満足感を産まないって事に気付かないのだろうかと思わずにはいられません。





ユニクロ云々は一つの例ですが、来年の春の展示会もほぼ折り返し状態で、今週来週が1つの山なんですけど現段階で代理店経由で入ってくるインポートが先月の展示会であまり調子良くなかったというか集めたオーダー数がミニマムに達しないというメーカーが沢山でているという事態になっている様です。





特にアウターとニットとスウェットがどうにもこうにもならないぐらいに発注が集まらないという結果の様なのですが、私としてはこの状況、商社の皆様と同じぐらいの深刻な受け止め方をしております。1シーズンだけであるのであればまぁ仕方がないか、と言えるのですが、これは現代における情報の収集の仕方やバイイングに関するデータの活用に問題があるせいなのではと私は考えております。





例えばTシャツであれば通年で売れるし、という判断で発注するけれど今シーズン来シーズン辺りはニットが良いのかスウェットが良いのか判断がつかない。だから春の長袖アイテムはネームで押せる鉄板なところの無難なものだけにしておいて、他のところはちょこっとだけ発注して様子を見る、という事になります。





いや私だって自信が無いというかこれって押してるけどどうなのよと今一つピンと来ない提案に対しては手を出しませんが、ニット全く無しとかアウターは定番のみとか言われるとそれはちょっと違うんじゃないかと思ってしまいます。それぞれの経営判断ですからそれについてはわたくし如きの私見を挟む余地なんてありませんけど、全体的に発注がミニマムに満たなくて没る警報の出ているブランドが来シーズンは多過ぎなんです。





私としてはネットで売るにしても検索したらお金使ったSEO対策の出来る大手の在庫がトップに出て、自分のところが取扱っていても何ページ目に出るんだか判らない様なものを安パイだといって取扱う気が知れません。その結果何処行っても同じ様なものだけ売っていて、結果として何処にもこれはというものがない。





そりゃお子ちゃまは判り易くティンバーランドやレッドウィング売っておけば喜ぶんでしょうけど、それってABCマート行って買えば良いじゃん、という事になりませんのでしょうか。ググればアスビーのオンラインショップがサクッと引っ掛かりますし当然アマゾンも一番上に出ます。そういうものはそういうところが売っていれば良いんですし、そのおこぼれの様な注文を拾って売る事にどんなモチベーションを持って取り組めというのでしょう。





文化の本質というのはマスなものには存在しません。例えばクールジャパンと言って我が国の首長等は喜んでますけど、じゃぁ歴女と持て囃されたマニアックな女性なんかは別にして、一体人口の何割が我が国の歴史についてセンター試験で8割取れる程度の知識を持っているのでしょうか。受験生ですら偏差を見ると8割以上なんて2割もいないんです。つまりその程度の知識で文化の価値を判断する訳です。そりゃぁ感性ってもんもあるでしょう。センスのある人でしたら文化財を見て何の知識がなくてもその技術水準や美意識を十二分に感じ取れるって事も考えられます。でもそれこそ極々一部の人の話になってしまいます。





それが別に歴史的文化とかじゃなく漫画やアニメにしたところで、どれだけの人がマスな雑誌の判り易いテーマの作品以外の物に深い造詣を持つのでしょうか。オタクだなんだと馬鹿にしておいて、海外から評価されたら代表的な文化として持ち上げるなんて正直どん引きですよ。





つまり判り易く伝わり易い単純な図式で企画された物がマスな人に支持されるのであって、それが売れる事はビジネス的には成功かも知れませんが、人類の文化を貶める事はあっても向上させる事は難しいと私は考えます。





文化度が高いという事はより深い理解を求める探究心や本質を生活の中に自然に取り込む人の多さに他なりません。利便性と効率は文化的に高度で多様な発展とは相容れないので、文化度の高さとは安易にその利便性と効率に流されない人の数だと思うのです。





しっかし結果的にそういう事を考えるアパレルの人間がとても少ない。だから片っ端から色々な物が入れ替わっていく羽目になります。それがより高いレベルに変わっていくのであればそれを進化や進歩と呼ぶのでしょうけど、残念ながらそうではなさそうです。





そして中身がないくせに表っ面だけは取り繕おうとするからネームに頼る。このブランド買っておけば間違いないとかそういう事を考えるから、それを逆手にとって詐欺を働こうという輩の格好の餌食になります。トリッカーズのモンキーブーツをこの間ググったらとんでもない事に上位表示される1ページ目の半数は偽者を売るサイトもしくは詐欺サイトでした。かなり悲しくなりました。つまりそういう物に金を出す消費者が沢山いるって事ですから。





悪循環でグーグルが商業的な運営をはじめてからというものそういうところが行うSEO対策が反映されるのか、まともな情報が上位数ページに半分もない。となるとそれがグーグルへの信頼からそのヒットしたところへの信頼になってしまいます。その結果偽物でも来れば良いですけど石鹸やらペットボトルやらが入っていて愕然とする人が後を絶ちません。





直接メーカーと取り引きをしている所はなんとかなりそうですけど、商社が介在しているところは余程に仕切りが良いか物自体が良いんじゃないと来春は入荷が少ないか無いと思います。明日はインポート1ヶ所、メアグラティアとアンドワンダーとドメブラ2つのペースです、わたし的にはかなり手堅く廻る発注する物がないという事のない展示会廻りなのです、今日の愚痴めいた嘆きを払拭する様な結果を期待して見てきます、報告をお楽しみに。


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2014年08月05日

1週間の苦労の末。

まぁ24日以上ブログ更新するぞ!と書いたからには久しぶりにこのカテゴリの話をしてみようかと思います。世の中理不尽な事は多々あります。我が儘で自分の愚かさを責めるのではなく他人のせいにする、果ては社会のせいにする。自由に生きるという事は野垂れ死ぬ事との隣り合わせだった時代は疾うに過ぎ、社会保障という名の下にかなりな水準の生活をする事が出来ます。





3週間ぐらい前から店に入るエレベーターを降りたホール部分が荒らされているのを朝出勤して発見する、という事があり、それが2回目を過ぎたところでどうにかせにゃいかんと思いまして、先週の月曜日から夜更けの午前3時頃、一度店を訪れて不審者の有無を確認するという事をやってきました。苦節6日、日曜日の午前3時に侵入者と遭遇し、しかるべき手段をとって取り敢えず問題はクリアしました。





看板を痛めつける、長年使ってきた“今いるよ”と“ちょっとお出掛け中”の下げ札を紛失させる、ゴミを散らかして帰る、という所業だったのですが、こんなの現行犯以外で被害届出しても警察は夜中見回ってくれる事はないでしょうし、もし責任能力のある輩であれば色々弁償させてやるわ!と怒り心頭に夜の見回りをしていたのですが、6日も引っ張りよったのには心が折れそうでしたww





これがその辺の飲食店のバイトとか社員とかで終電無くなって入り込んでいたとかだったら弁償やら不法投棄で告訴してやるとか出来たんですけど、捕まえてみたらホームレスでした。とほほ。見つけてすぐ1階に降りて警察に電話。駅前交番の夜勤の警官をよこしてもらい、一緒に戻って片付けさせて連れ出しました。一人で対応していたら、怒鳴りつけると脅されたとか言われたり暴行されたとかやってもいないのにヌカされても無実の証明が出来ませんから万全を期しました。でもまぁホームレスなので。





ちょっとだけ尋問に付き合ったんですけど、静岡の某県で生活保護を受けていたが、生保であてがわれた市営団地の住人が殆ど生保な上にお約束でヤーさんを名乗る輩等がいてトラブルとなり、飛び出して点々としている、等と話しはじめ、もうどうにもこうにも・・・・その辺でいても仕方がないのでお巡りさんを交番の外に連れ出し、被害届は出さないしガッツリ説諭して2度と来ない様にしてくれとだけ伝えて帰って寝ました。





それから3日、本日は都心部で最高気温36℃という予報が出ているぐらい灼熱の日々が続いておりますが、気分的にも体調的にも少しスッキリしております。どうしてもそういう変な時間に戻ってきてという生活パターンを繰り返すと20代の頃の様な無理は利かないもので、2・3日ならいいのですが6日ともなると結構しんどかったので。





私は生保というシステムそのものにはそれ程懐疑的な思いはありません。むしろその運用や生保を受ける条件等に問題があると思っております。実際本当に動けない様な人はそれ程おらず、何らかの手間仕事ぐらいなら出来る人は多い訳で、自治体も生保をただ支給するのじゃなくて、支給するからには支給された方の身体状況や頭脳的メンタル的な能力から判断して出来る仕事を生保受給者を対象に斡旋するぐらいの事はしても良いと思うのです。ましてや生保を受けている身でありながら、勝手に飛び出して一般市民に迷惑をかけ、生保受給しているよりもホームレスの方が良いなんて勝手な事をするぐらいならもっと厳格に管理してもいいのではと思ってしまいます。人権を口にするならその一人の人権を確立する為に真面目に税金を納めている人から徴収した税金をそんな人が生活する為に支給されてしまうのでは堪りませんので。堪らないのですけど現状支給されていますし。弱者救済は良いけれど、それを悪用したり身勝手に振る舞われるのは納得いかない人が多いと思いますしね。





と、我が身と店に降り掛かった小さな災難を一先ず回避したお話でした。また来るかもしれませんから一先ずって事でww


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2014年04月09日

時代は移り行くものですが。

1週間空いてしまいました。ヤフーが使い辛いというか効率良くコピー出来ないというか。それにかまけて色々な事がおざなりになっていて良くないなとは思っているのですが、まぁ単純作業で物理的な作業時間だけはしっかりとかかるものをひたすら積み上げていくというのは本当にストレスです。CSVファイルとかで一気に更新可能ならこんな苦労はないのですが、一度ダウンロードしてみたんですけど上手く行かず。明後日にもサポートに訊いてみようと思っております。





さて。本日は書きたい書きたいと思っていたお話を。先日訃報が届いた蟹江敬三氏。時代劇大好きで時代小説大好きなわたくし、影の軍団?で千葉真一演じる多羅尾半蔵の右腕、虎麻呂を演じていたのを見たのが最初でした。完全にこれ千葉真一の趣味じゃないかという湯屋の竈焚きという職業柄、お色気シーン満載(ほぼ毎回女湯のシーンがw)で忍者が戦うという時代劇といってもかなりマニアックな設定。しかもその湯屋の主人が樹木希林で千葉真一にモーションかけまくるというお笑いネタがお約束。真田広之や志穂美悦子も共演者という豪華な顔ぶれでした。32年前だもん、映像の中ではみんなまだ若かった。小学校高学年だったのですが、放送当時は見ておらず、テレ東の再放送を夕方見ていました。彼の脇役振りは、これまた故人の名優松山英太郎と比肩する位飛び抜けておりました。





それで蟹江敬三氏の名前を覚えたのですが、以来刑事もの(さすらい刑事旅情編や京都地検の女ですね)中心に拝見していたのですが、まぁ役どころによくハマっておりまして。だからという訳じゃありませんが、もしこの小説が映像化されたら、という際に彼こそが適任という役が思い当たっていたのです。BSのNHKでやっていた酔いどれ小藤次。時代小説文庫の巨匠佐伯泰英作の名作ですが、どういう事情かフィクションだからか(良いじゃんねぇ、フィクションに名前使う位)原作の藩名や設定を変えて竹中直人主演でやっていましたが(もう全ての設定が気に喰わず一切見ておりませんw)、これこそ蟹江敬三氏にリアルな設定でやって頂きたかった。彼こそがまさに赤目小藤次役にピッタリだったのに。





まぁそんなこんなで。どいつもこいつも同じ様にスタイル良くて格好良くて、そんな俳優女優ばかりじゃドラマも映画もリアリティが出ません。見た目はモズク蟹の様な爺でも実は凄いという設定は、剽軽な竹中直人氏には向いていません。不器用で冴えない男が時折見せるはにかんだお茶目さみたいなのは蟹江敬三氏の真骨頂だったでしょうに。主演を張ってる人にしかキャスティングで主役がいかないのは楽しくありません。





最近どうもそんなのばっかりです。演じる人のみならず服や靴や物に対しても判り易くぱっと見の見栄えがいいものが好まれます。そりゃ見映えが良いに越した事はありませんが、誰もが思う事ですけど見た目じゃなくて中身を評価されたいじゃないですか。綺麗なんじゃなくて味がある、一見平凡だけどその平凡さがあってこそ他が光る。そういうところに特化した人や物、少なくなってきている気がします。それだけに蟹江敬三氏の逝去、とても残念です。





ひたすら商品ページを作っていると服の話を書きたくなくて、今日はこんなお話をしてみました。でも何気に半袖Tシャツが沢山上がって来ておりますし、写真撮れていないんですけど何とかして写真撮って新作紹介進めていきますのである程度目処がつく迄こんなペースでご勘弁を。


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2014年01月13日

成人の日だからという訳ではありませんが・・・

あれ・・・そういえば・・・と気になって思い返してみた事があります。そしたらやはり気のせいじゃないと確信し、ちょっと愕然としました。





何の事かというと、昨年1年間で高校生のお客様が1人もいないって事。まぁ良いんですけどね、今迄も高校生で買いにきていたお客様て基本的にエヴィス買いにくるぐらいで、そこから定着してくれているお客様もいますけどほんの微々たるもの。基本的に社会人でこのエリアに越してきた、又はネットで検索して見つけた、同じく大学生で・・・という方で構成されていますので。





同じくちょっと思い立ってお客様の構成比率が気になって顧客リストを見てみたら、地元の人がとても少なくなってきていました。相模原でも相模大野側からいらしている方や、同じ神奈川でも横浜や川崎、厚木の方からいらっしゃる方が目立ち、八王子や町田ではなく23区内からいらっしゃる方も結構な数になっています。アクセスし易いところにお住まいのちょっと距離のある方(30〜40分程度)が多いのですが、ネットショップから入って本当に遠方から遊びに来て下さったり、という方も増えてきていて、これはやはりネット通販の利用の仕方の変化=一度は実店舗で対面しておいて、ある程度サイズ感や好みや性格等を把握して貰った上で通販で買いたい、というお客様が増えている、という事なのでしょう。これは最近多くなっているというショールーミングというのをする方もそこにハマるかと。大手百貨店等で定番アイテムのサイズ感を確認した上で別注をしていたり限定アイテムを取扱っているネットショップで買物をする、という。





いずれにしても10代と極近隣のお客様がとても少なくなってきている、という事を再認識して、成人を祝う祝日である本日、ちょいと思う事を書き連ねてみようかと。





最近目についてストレスな事の1つが、電車で出掛けるとイヤホンからの音漏れを気にしないというか、パズドラやりながら音楽聞いてて、電車に乗っていても車内放送は全く耳に入っていない、そして自分の降りる駅は目で車内の扉の上の電光掲示を追って確認している、という若い人の多さ。見るからにドキュンな格好をしている訳でもなく、極普通というか、むしろ社会との接点は少なそうではあるけれど学校に入っている大学生か専門学校生と思われる方々です。音漏れしてるから突ついて下げろとジェスチャーで教えてやっても、はぁ??俺(私)の楽しい時間に何興醒めな突っ込み入れてんのこのオッサン??という表情をします。そこで初めて“他人様に注意されなきゃ判らないって恥ずかしいと思えないのが恥ずかしいんだって認識しろ!”といわんばかりに真っ直ぐ目を見返してやると眼を伏せて面倒臭い奴がいるところに乗り合わせちゃったよとばかりに渋々ちょっとだけ音を下げる。ふざけんな、元の半分にボリューム絞って外の音よりも小さく微かに聞こえる程度にするのが本来の音量だと思いつつ、それ以上関わるのには結構な気力と覚悟が必要なのでそこでお終い、というパターンが結構あります。





別にそいつがどんな環境下で暮らそうと、社会性に欠けようと知ったこっちゃないのですが、同じ電車に乗り合わせてその社会性やマナーの欠如にこちらが我慢をしなければならない謂れもありません。注意をして逆にトラブルに巻き込まれたくない、より不快な思いをしたくない、その手の一見普通に見える輩と関わったらいきなり刺されたなんてニュースもある中、そういう気持ちでいる人が多いのは仕方のない事ですが、それを逆手にとって好き放題振る舞えると思われるのもしゃくに触ります。敢えてバカ、と書きますけどそういったバカがいつ電車に乗っても必ずその車両に1人以上いる、という事は嘆かわしい事です。ただこれは最近の若者は、的な事が書きたい訳ではありません。深い関わりのない人から注意されない、叱られないという結果ではありますが、100名弱乗っている車両に数名ですから、そういうバカは電車だけで見ても数%、電車を利用していない人の方が多い訳ですから実際は極微々たる数しかいない訳で。マナーを守って使用している若者の方が多いのです。だからそれ程若者にそういう輩が増えている、という事ではないのです。いつの世にもいる不幸にして常識が育たなかったけど普通に生活している人が今もいる、というだけで。





人前に姿を表すからそういうのが目立つ、という点ではむしろこちらの方が書きたいネタです、というのがネットショップについての質問掲示板での質問。こちらはおそらく未成年〜大学生程度が殆どだと思われるので、書いちゃいますけど、レッドウィングやティンバーランド、ナイキやモンクレール等々の激安販売サイトについて、ここは正規店と書いてあるけど大丈夫でしょうか、という質問が無駄に多く見受けられます。ゴキブリは1匹見かけたら100匹はいると思え、という格言(笑)もありますし。





これはねぇ、試験中に携帯からコソコソと試験問題の回答を質問板で訊いちゃう様なのと同じ。全く後先考えていない上に自分で判断する努力すらしない。先程のをバカとすると、こちらは阿呆です。いいカモです。こういうのが知恵袋等の掲示板で見かける数以上に沢山いて、だからその手のサイトはヤフーだろうが楽天だろうが大手のモールにも入り込んでしまうんでしょうけど。





我が国の法律ではネットショップに関しては必ず会社概要として実在する住所と連絡の取れる電話番号を記載していなければならない事になっています。法人登記簿じゃないので別に設立年月日や資本金や役員名等は書けとはなっていません。なのに肝心の電話番号を書かないところがとても多く見受けられ、これは全て偽物サイトと思って間違いないところなのですが、何故か激安とか書かれてどこからか持って来た本物の写真を並べていると、それを信用してカード決済したりお金振込んだりしちゃうんです。おかしいと思わない方が悪いし、その程度の知識や理解力がないくせにネットで買物する方が悪いのですが、私的にはもっと別な観点から見てしまいます。





世の流通している商品は小売店に入る時点で殆ど60%前後の卸値で入ってきております。良くて50%。それ以下となると大手のOEMやSPAによる製品仕入となります。つまり。海外発祥のメーカーという時点でほぼ全て50%以下にはなりません。50%にするのもどうかと。だって全く儲け出ませんから。そんな事してたらその店潰れます。倒産セールかもしれないし、閉店セールかもしれませんのでそれは良いのですが、その流通過程とは別に工場から直で仕入れるルートがある、という事はその手のメーカーに限っていえば絶対にないんです。今程厳密に法体系が確立されていなかった昔はあったかもしれませんが、工場直って要するに横流しです。それは発覚した時点で全てを失う事ですからありえません。失うだけじゃなくメーカーから多額の賠償金を請求されますしね。でもそういうの謳われちゃうとひょっとしたら・・・なんて思う訳です。





金出したくないけど虚栄を張りたい悲しい習性に見事に付け込まれる訳です。まぁアウトレットとかで定価以下で物が買えるかの様な勘違いをしてしまう人が多いんでしょうねぇ。あれはメーカーが在庫処分をしている場だからで、現状人気の物を何故処分する必要があるのか。そんな事考えもしない。





ついでに。正規価格で物が買えない人は、本来その物を買うべきではないのです。普段から買っているお客様にささやかに感謝する為だったり、メーカーや店の都合で在庫を一掃したくてセールを行ったりは買う人を選んではいませんが本来は顧客向けで行われているセールだったり、そういう物を利用する事自体は否定しませんし、むしろ大いに使って頂きたいと思いますが、それに慣れ切ってセールじゃないと買わないとか、それを賢い買物の仕方であるとか、そういった風潮が結局は普段から安く買える方法があるんじゃないかという妄想に繋がり、結果殆ど中国にある偽物サイトの餌食になっているのでしょう。





欲しい物は定価で買ってメーカーや店が正当な利益を享受して存続出来る様にする。それに対してメーカーや店は顧客セール等のサービスで応じる。それが本来の姿だったのですが、規模が大きくなるとそれでは立ち行かない。だから通常価格では半分も売れなくて半額セールで更に残った物の半分が売れて、更に値下げをしてその半分を売り、最後に残った2割ぐらいをアウトレット業態の子会社に払い下げる。そういうビジネスモデルを成り立たせる為に原価を20%以下にした物を箱や各種媒体を使ったイメージ戦略で売る。





つまり、正直原価20%以下で計算した定価なんてボッタクリも良いところですが、それがまかり通るビジネスモデルに慣れ親しんでしまった大多数の消費者にしてみたら世の中は全てそういう物だと思い込んでしまいます。つまり安く売る事が可能であると。





そんなもんと一緒くたにされては堪らないのですが、そういう業態のところに限って更にセレクトという隠れ蓑を被る事を考案します。そう、そんな原価率ではなく本当に人件費がかかり流通ギリギリで大手にも精々50%でしか廻らないセレクトアイテムを全面に押し出し、それを隠れ蓑に原価率20%以下の物をまるでそのセレクトアイテムと同等であるかの様に錯覚させて売るのです。もっと酷くなるとブランド名だけをライセンス料を払って借り受け、あたかもそのブランドの別ラインであるかの様に同じく20%以下の原価率で売る。まぁ良くも次から次へと上手い事だまくらかして金を儲ける手段だけを考えつくものです。その情熱には別な意味で感心してしまいますが、その結果が偽物サイトに付け込まれる愚かな若者を増加させる土壌となっているのです。





そういう事を誰かに回答として教わるのではなく、自分で考えて思い至るというのが大人である事だし、大人であると認知される歳にもなったら考えるべきだと思うのです(あ、成人の日の訓示っぽくなってきたw)。





自分にとって場当たり的に都合が良いかどうかではなく、自分を取り巻く社会の循環の中で、また壮大なテーマになりますけど人類の文化的側面から(笑)、物事はどうあるべきか、はたまた自分はどうあるべきか、そういった事に思いを馳せられるかどうか。結果的にそれは場当たり的だったり短期的には違っても中長期的に見て自分に都合の良い結果をもたらしてくれるものですので。





そういう思考の出来る20代前半のご来店が今年は増えます様に、と願いつつ。


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2013年12月17日

旗色が悪くなると辞めれば良いのが政治家ですからねぇ・・・・

予告していた通り、来年の消費増税とそれを取り巻く周辺環境について今日は一席。消費税が上がるのは仕方がありません。先進各国と比べても消費税は低い方ですし。国民皆保険が今のところない(オバマケアとやらで導入されそうですが)米国ですら州ごとに差はあれどおおよそ8%程度の消費税は取られます。州によっては9%の所もありますし。その辺の裁量が各州に委ねられているあたりは流石は米国と思わなくもありませんが、要するに今後の社会保障等の為に必要だといわれたらそれはもう仕方がないと思います。本当にそうならね。くだらない戦前思想が垣間見える“国土強靭化”とやらの為だったりするのはまっぴらごめんですけど。





それに関しては政権がどうあっても実行しないわけにはいかなかった消費税ですから良いんですけど、それ迄の経緯があってこその現状を打開する根本的な解決方法を検討考案する事無く、単にマクロ経済とか宣って通貨レートを国として有利に操作し、その結果既に輸出産業の構造がかつてとは違う状況になっているにも関わらず、輸出を有利にして貿易収支を改善し、更にはインフレターゲットを設定して物価上昇による賃金と景気の上昇を図るなんていうのは、結果論ですけど愚策極まりありません。





まだ結果出てないという方もいるかもしれませんが、既にユーロに至っては安倍政権になって4割高。ドルだって90円からしても15%高。これが短期的な景気の読みだったり、投機的な仕手筋の動きによるものだったりするのであれば良いんですけど、麻生さんは否定してましたがこれって日銀等を使って通貨介入を行った結果だとしか思えません。円を売ってドルやユーロを買えば良い訳で、国内に通貨が溢れると問題ですけど為替市場に流す分には国内経済に直撃はしませんから。それにやりましたと言わない限り判りませんしね。





しかし日本が物を作って海外に売るというのは、資源産出国ではありませんから、原材料はほぼ全て海外からの輸入です。つまり円安誘導すればその分原材料の調達コストは上がります。同じ物を1年前に取る事と比べたら、単純にユーロ圏から買うのに対し、日本から買うと4割安いって事になります。それで4割多く売れれば問題ないのですが、そう簡単に40%輸出増とはなりませんよね。そして原材料費が上がった分原価率は上がっています。もし同じ価格で出していたら利益は圧縮されています。原材料費が原価に占める割合は人件費よりも少ないでしょうから、輸出量が大幅に増えれば経費の増加よりも利益の方が上回るでしょうけど、さてここで問題なのが原材料じゃなくて消費材や耐久消費財で輸入に頼らざるをえないもの。石油そのものを含め石油製品であるとか、製品そのものを輸入しているもの。そして食料品も。そういう物はダイレクトに通貨レート分値上がりしますよね。





で、今のところ眼に見えて凄く上がっているという感じがしないのは、大手商社はLCという1年なら1年、為替相場とは関係なくお互いが取り決めた通貨間算式による計算で取引をしているから。でも当然更新時にその時の通貨レートに切り替わります。おそらく年度で契約している所だと、来年の3月末で切り替わるとか、1月から切り替わるとか、そういう所が多いはず。となるとそこで一気に国にもよりますけどドル建てでも15〜20%アップする事に。ユーロ圏ですと一気に4割上がる事に。当然その分を価格に反映させてきますから大幅な値上げが待っています。服や服飾雑貨でいったら来年の秋からという事になります。





ちなみにですけど、未だに写真紹介していないインバーティアのダッフルコート。今年の価格は126,000円(税込)でした。今の段階で既に来年は税抜きで15万になると予告されています。これを8%消費税で計算するとなんと162,000円に。同じ物なのに1年で36,000円も価格が違う事になります。税込で28%強、約30%の値上げって事になります。今インバーティアを例に取りましたが当然インバーティアに限った事ではありません。かなり多くのメーカーがおそらく同じ様な値上げをしてきます。トリッカーズも既に予告されていて、今年の春迄60,900円だったローカットの靴は、英国での材料費や人件費の上昇に伴い少しずつ上げてきていましたが、来年の秋の段階で83,160円になる予定だそうです。





高額アイテムを例に取っているので、とんでもなく上がっている様に感じるかもしれませんが、例えばワインのボジョレーヌーボーなんかも若い味だけど安いしお祭り気分で!なんて言っていたらこれも確実に4割近い値上げが想定されます。他にもユーロ圏からの輸入品は全て同じ様な状況だと思って良いでしょう。米国だって10〜20%値上げしてくるでしょうし、結果としてインフレターゲットの2%は来年の秋には余裕でクリアどころか行き過ぎたインフレが訪れると予想出来ます。その分国内の製造業が内需で盛り上がればそれはそれで良いのですが、ここ迄疲弊した国内向けの製造業がそれ程の生産能力を持っているとは思えません。つまりどうやっても行き過ぎで悪影響なインフレがやってくるのです。





これは金券配ったり軽減税率を導入したりではどうにもならない変動で、一度円安にしむけた流れは、慌てて円買いの介入をしたところで世界的な投機の動きはそうそう反転はしません。それにユーロ圏も米国も経済的に良い訳ではないのです。対外債務をどうにも出来ずにズルズルと先延ばし法案だけを採用し続ける米国、ドイツ以外はどこもかしこも疲弊しきったままで全く根本的な解決が成されていないユーロ圏。なのにドル高ユーロ高になってしまうとどうやってその高い物が売れるんでしょうか。





本来日本の輸出というのは安いから売れるんじゃなくて、価格は高いけど品質や性能が良いから売れる、という物でした。それが今ではアジア諸国で作った部品を組み立てて、LGでもソニーでも大した差の無いクオリティです。産業スパイが血眼になって技術を盗みにくるぐらいの技術立国だったのは遠い昔。そんな状況で価格競争をする為に通貨レートを操作したって何の解決にもならないのです。





だったら何かもっと違う経済施策があるはずです。でもそれをしない。無駄に公共事業で予算は使う。中国が調子に乗っているのを良い事に国防費は1兆円増し。景気はマクロ経済頼み。これで良くなる訳がないのです。煽られて踊れる金を持っている人はまだ良いですけど。





さてこれ何を書こうかといいますと、私として売れたら嬉しいとかそういう問題じゃなくて、今年の秋冬のうち、せめて増税前の4月迄にインポートメーカーの高額アイテムは買っておくべきだっていう事です。いや高額じゃなくても欲しい物は無理してでも買っておくべきです。だって2割だ4割だ値段上がるの馬鹿らしいじゃないですか。そりゃ私は仕事ですからそれでも買いたくなる様なアイテムをセレクトしたり別注したりして揃える努力はします、しますけど価格に関してはどうにもならない事の方が多いのです。確実に予測出来る、もしくは既に予告されている大幅な値上げを把握しているのですから、そりゃぁ“津波が来るぞぉぉぉ!!!”と触れ回りつつその直撃を回避してしっかりと備える様に呼びかけるのは当然でしょう。





ファッションにおいてドメブラもさる事ながら、評価の高いインポートメーカーとなると殆どユーロ圏か米国の物です。つまり軒並み大幅な値上げに見舞われます。今回不幸中の幸いでトリッカーズは3月を予定していた分が、いくらなんでも早過ぎだろ!という突っ込みを入れましたが既に届いております。それでも若干の値上げがあり66,150円です。3150円の値上げでしたが十分にその価値がある様にモデルを選定し仕様を変え素材を当込んでありますので、遥かに高くなる前に買っておくべきです。インバーティアも来年は今年78,000円だった生地の物が来年は10万クラスに値上げされますが、それでも16万よりはマシだという事で巷で売られるインバーティアのダッフルコートはその安い方を10万ぐらいの値段にした物になります。





その中でも価値のある物を提供していこうと思ってはいますが、やはり今の内に手に入れておいた方が良いと思います。私は頑張った、でも駄目だった、だから責任を取って辞めますなんて言って済ませられれば良いのですが、国民の生活をどん底に落とし込んでおいて、ごめん、辞めたから許してね、と言われてもねぇ。そうならない私の想像だにしない施策があるのであれば、あとでいくらでもわたくしの不明は詫びますけど、おそらくホレ見た事かという事になるかと。なので別にB.A.Tでなくても良いです(B.A.Tでだとなお良いですけどw)、インポートアイテムはこの時期に買っておきましょう。今回はこういうお話でした。


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2013年11月08日

水面下で炎上なうw

思わず笑ってしまうオチなんですが。ちょっと小話を。ブログが炎上するとかツイッターが炎上するとか。タレント等を中心にそういう話題は事欠きません。しかしうちのブログにそういったくだらない輩の書き込みはなく。むしろみんなメールや電話やお店に来て感想や突っ込みを頂く事が多くて、折角ブログあるんだから公開でそういうの書き込んでフレンドリーなショップだって演出をしてくれたって良いじゃんよ、と思うぐらいでして。





別に炎上を希望している訳ではないのですが。そして炎上する様な根拠がなかったりや理路の整わない文章を書いていない自負もありますし。でもブログ上で意見をぶつけ合う様な状況、ちょっと憧れなくもありませんww





恐らく長文な上に、論法としても書いている内容の正論異論の判断にしろ、そうそうネットの中だから己の自我を無制限に拡張して好き放題出来るみたいな事を考えていたり、実社会においてもそれが通用するかの様な考えの輩には、書き込んだら自分が恥ずかしくなる様な文章を書いていると思っているので、そういう奴らは書き込みしないだろうなぁ、と。





でも凄いんです。1年以上前にリリースされたアイテムについて問合せをしてきて再販しないのかとかどうにかならないかとか。いや良いけどね、別に。それぐらいで磨り減る様な神経じゃないんで。メールや電話での問合せには文句のつけようがない丁寧で理路整然とした対応を返しておりますし。





何かブランドビジネスという物に対して勘違いをしている人が増えているのでしょうか。人気商売なんだから買ってやるかもしれない相手のご機嫌を取って当り前、とか。同じ事をじゃぁディオールやマックィーンクラスのブランドにもやれるんでしょうかね、そういう人達。まぁやったところでその手のブランドでしたらもっと丁重にあしらわれる事でしょうけど。





で、何の話をかいているのかというと、タレント着用の服を後から追っかける様な客は要らない、と書いた事が思わぬ波紋を呼んだ事が発覚したので。まぁなかなか読み進めて頂くと笑える話なのでお付き合い下さい。





これ何度も書いてますけど、取扱っているメーカーが1型につき150枚以上作る様になったらもうB.A.Tでは恐らく取扱わない方向で検討に入ります。価格帯的にもそんな程度しか売れない物なのです。それは売れていないところを集めているのではなく、そのクオリティレベルにある物を継続的に売っていくのにはその程度じゃないと難しいと思うから。要するにそれ以上作ると大手セレクトショップチェーンがガッツリやるか百貨店でもかなりの数を付けていたりという事になりますので、だったらそっちで買えば良いのです。





その代わりその手の大手さんは移り気です。消費者の動向をシビアに読んで、売上のベクトルが下向いたらその時点で取扱いを止めるでしょう。ビジネスライクに判断すればそれは至極当り前の事。要するに熱にうなされた様にそのブランドを妄信的に買う様な人がいてこその売上ですから。残念ながらそういう一攫千金的な売上を当てにする程の博打は打てませんし(元手もないしw)、元々そういうコンセプトで店をやっていません。だからそういう事を求める人、もしくは同意義に物の価値なんてどうでも良くて誰かが着たから買う様な人はうちには要りません、と書いております。





別に傲慢な訳でもなければ一般消費者をバカにしている訳でもありません。自分の思うところを判って頂けるお客様と継続的にお付き合いをしていく上で、そういう人がいると迷惑がかかるのでうちでは対応したくありません、と書いているだけです。喩えは微妙ですけど京都なんかの一見さんお断りのお店みたいなものです。継続してお店(ブランド)を支えてくれるお客様へのサービスや提案のクオリティを下げない為にこういうシステムを取らせて頂いております、という。勿論一見さんお断りなんかじゃないですよ?B.A.Tは。念の為ww





ところが本日のタイトル“水面下で炎上なう”ですが、コメントでもなんでも書けば良いのに、前回シックスパックの亀梨君着用の波紋というので書いた時に某取扱いブランド(これ以上そういうくだらない電話がいったら申し訳ないから検索対策でこう書きますw)引き合いに出したら、なんとブログにコメントも書かなければうちにメールもせず電話もせず、“タレント着用が切っ掛けだとお前のところのブランドの服は着ちゃいけないっていうのか!”という電話をメーカーに入れた方がいらっしゃる様で。更にブログを見てこのブランドが○○着用なのを知ったのですがというブランドへの問合せが急増。それがまた“なんでないんだ”“再販しろ”“サービス悪っ”等というシマムラの商品で土下座させたヤツと被ってしまいそうな無茶振りだそうで。なんだかなぁ・・・・・(汗)





何か最近コンビニに老舗百貨店の様な対応を求めたり、ファミレス慣れして本気な個店が激混み時に待たされただのサービス悪いだの食べログに書き込んだり、シマムラにエルメスの様なクオリティとサービスを求めたり、何様なんでしょ、そういう人達。店迄来て面と向かって正論吐くならいくらでも聞きますし、至らないところがあれば謝罪も致しますが、これだけ筆舌を尽くして書いているのに、書き込みすらせず、他人の迷惑顧みない行動に走るのはもう地球にアクシズぶつけたくなるぐらい人類に対して絶望したくなります(とネタを入れておくw)。





ほぼ一人でネットショップ更新とブログ書くのとお店立つのとバイイングとOEMの受発注と経理まで全てやっているので、ブランドをほぼ一人で切り盛りする苦労、苦労だなんて好きな事を仕事にしているから決して口にはしないでしょうけど、我が事の様に理解出来ますが、そういう人の時間を無駄で不毛な作業に使わせるのってどうなのよと思わずにはいられません。





メーカーは作り手であって売り手ではないので、直接エンドユーザーに売れる実店舗やネットショップを持っているメーカー(ブランド)ならともかく、そうでない時点でメーカーに問合せをしてよこせなんていうのは非常識。取扱い店舗を教えてくれというならまだしも、売り切れている物をよこせなんて誰に言ってんだって話です。そのブランドのデザイナーが誠実でそういう要求やクレームにも丁寧に答えようとしてしまう方なので尚更です。





結局そういう対応をしていたら仕事にならなくなってしまうので背に腹は代えられないと対応をアウトソーシングするべくプレス会社に投げてしまう事もあり。





別にわたくし、タレント着用が切っ掛けで興味を持つ事を否定もしていませんし拒否もしておりません。着用アイテムそのものがないとそのブランドに興味がないという輩をお断りしたいと書いているのであって。着用していた物を見てそれを切っ掛けにそのブランドについて興味を持って取扱い店舗に見に行ったりネットで検索したりして、着用アイテム以外の物を買うというのは極々ありふれた事。それでこそ着用してくれた意味があるのであって、そのものズバリ以外要らないのに見当違いの“お前んところのブランドはそういう態度なのか”なんてクレームをぶつけるのはお門違い。転売する為に買おうとする様な輩もそう。買うヤツもだし売るヤツもです。やる事自体は勝手にやればいいですけど、少なくとも私は関わり合いになりたくありませんし、ブランドだってそうです。ましてやこういう話を読んでクレームつけてくる様なボーダー気質なのは迷惑極まりない。





それでもうちにかけてくる分には対応して差し上げるのでどうぞして下さい。メールでも結構。勿論ご来店でも。ただブランドのクリエーションの妨げになる様な問合せは厳に慎んでもらいたいものです。





ブログが燃える分には構いませんが(炎上する様な事を書いていないので望む所です)、デザイナーの手を止めさせるのは迷惑過ぎます。ましてや足がつくメールや書き込みでなく、電話という手段を逆手にとる様な行為は嫌がらせに過ぎません。どうせならタレント着用を理由にそのものだけを欲しがり、そのブランドのクリエーションには興味を示さないのにそれを欲しがる事が如何に素晴らしいのかを滔々と説いてですね、私が間違っておりましたと土下座したくなる様な書き込みでも電話でも来訪でもして頂きたいものです。そんな事語れる方なら是非お目にかかりたい、いや待ってますww


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posted by mercier at 22:55| Comment(2) | TrackBack(0) | Pourvu qu'il fasse beau demain ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

オリンピックは良いけれど。

黒くならない様に(笑)間をあけて黒い(=文字だけ)ブログを。多くの方がそれなりに高揚した気分になったであろう2020年夏のオリンピックの東京招致決定。レスリングの公式競技存続も加わって、なかなかな盛り上がりです。株価もオリンピックの為に必要な建物やインフラに関わる建設業等を中心に値上がりし、ご祝儀相場の様相を呈しております。7年後とはいえ。紆余曲折はあるにしろ少なくともその7年後迄は国から予算が出て巷にお金がばらまかれる事は間違いなく、そしてその7年後の1ヶ月ぐらいは観光業やサービス業もフィーバー状態になる事は、ほぼほぼ予定調和として盛り込まれる事になりました。





がしかし。ギリシャを例に取るまでもなく、オリンピックを招致した国はその後経済運営において重大な局面を迎える事になる、というこれまた確実に予見出来る問題が発生する、という事実を見落としてはいないでしょうか。この法則にはオリンピック後に経済的な問題が発生する一つの条件があります。それはオリンピックを行うのが発展途上国、この場合先進国に対して使われる言葉としての発展途上国ではなく、実際に10%以上の経済成長を続けられる、伸び代がある国という意味で使っていますが、そうであればそれ程の問題は起こりません。むしろブースター的にオリンピックを使って、その後の経済成長に拍車がかかる事も考えられます。そういう意味では中国は成功例です。勿論1964年当時の日本も。





何故発展途上国なら良いのか。オリンピック後もオリンピックに向けて設備投資や仕事を増やしていった勢いそのままにまだ伸びていくから。低所得者にお金が廻り(オリンピックの為に産まれる短期的な需要が彼等の仕事になる為)、それによって社会全体が底上げされるから。そしてその期間に身につけたスキルによって次の仕事での給与がランクアップされるから。そしてオリンピック後もオリンピック前迄なかった様々な施設が有効利用されるから。





で、何故ある程度成熟した国家が手を出すと問題があるのか。開催される迄は同じなのですが、オリンピックという国の威信がかかっているという理由で既に飽和状態にあるホテルや施設を新たに積み増しする事になります。その予算たるやGNPを数%押し上げんばかり。つまり1%程度の成長しかしない、よく言えば成熟した、悪く言えば成長しきって閉塞した状況にある国にしたら劇薬に近い副作用のあるドーピングなのです。しかしオリンピック後にその施設は需要がなくなります。だって既存の施設で十分に足りていたし、もし新たなところを残すのであれば既存の古いエリアにあるホテルや商業施設の売上は分散され、総売上が同じなのに施設数だけが例えば倍になると大雑把に言って売上は半減するのです。半減して持つ体力があるところは残りますが、結局損益分岐点を越えて存続出来る数迄淘汰されてしまう訳で、それは右肩上がりを要求される資本主義経済においては大きなマイナスとしてしか捉えられません。株価は下がり国債の長期金利も上がります。それに耐えられれば良いのですが。





そして福島原発の問題も詭弁が通用しません。7年後です、開催3年前迄に一切の汚染水漏れがなく、それこそ炉心周辺を完全に隔離遮蔽出来ない限り、最悪欧州主要国からオリンピックを辞退する国が出かねません。そんなみっともない事態は是が非でも回避して頂きたいものです。迅速に現状の問題を回避しつつ、オリンピック景気はオリンピック迄なのだから、それを過ぎてからの経済を取り巻く環境を念頭に、特に製造業の設備投資やサービス業の集客見込みは控え目にして、祭りが終わった後の日常生活を見据えて行動したいものですね。





人生にそう何度もあるものでもありませんし、同じ都市で3回開催された例はなさそうですから、生きている間に開催される東京では最後のオリンピックになるでしょう(他の都市は判りませんが、既に東京・札幌・長野と開催しておりますから日本でしかも東京でもう1度となるとかなり先な気がします)。それはそれとしてしっかりと楽しむつもりではありますww





それにオリンピックという言葉も五輪マークも、更には東京2020という地名と年号の組み合わせすら商業利用が禁止されていて便乗商売は出来ないので、わたくし的に仕事を離れて冷静に見ていられるってもんです。





7年先だから随分と先の話ですけどね。


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posted by mercier at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Pourvu qu'il fasse beau demain ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする