2025年11月02日

秋の新作紹介 vol.31 HUNTER OUTDOORのBlitish Tweed Country Jacket “Fern Blazer”


今日は昨日入荷したハンターアウトドアとタイオン、そして未紹介ですが日本の気候と日本人の服の着方に最適化したロンドントラディショナルの別注ダッフルと、アウターばかりが動く1日に。気温は過ごし易いとはいえ、ここ数日の寒さを味わった方々は冬を見据えた買い物をしますよね、そりゃ。TAIONはジャージ上下が昨年も同型別カラーで展開のあったスカジャンよりも動きが良く、2色展開の内チョコレート×ネイビーの方のMサイズのジャケットの方が完売しました。リバーシブルで税込アンダー15,000円というのはあまりに安く、店頭に並ぶ多くのスウェットよりも安いレベルになっているので、そりゃ売れるわな、と。これは今押さえておかないと無くなってしまう、という印象を実物を見た方の多くが受けた様で、パンツも残り少なくなっております。まぁLサイズの方も多いと思いますが、そちらもMより多めに今回は発注しましたけどそれでも減ってますので早めが良いと思います。

それに対してこちらも大きめなサイズ感なのは否めないハンターアウトドアですが、意外にもフィールドジャケットよりベストの方が多くの方の妙味を引いております。これ店頭ですとノービットぐらいしか提案していないオーバーベスト、要するにアウターの上から着るベストとしての提案なので、それが新鮮という事もあるんでしょうけど、ジャケットとほぼ同様のギミックを装備していてジャケットとの違いは肩のラインと袖の有無だけなので、それでいてジャケット49,500円でベストが31,900円となるとこれベスト良いかも、となるのはよく判ります。またダッフルコート、既にグローバオール×ノービットはラス1になっておりますが、価格的に英国製なのに6割も割安なロンドントラディションの物はサイズバランスも生地のウェイトも日本人の服の着方に最適化して別注したので、今シーズンの物は紹介前からどんどん減っており。具体的には分厚いジャケットを着た上にさらにコートを羽織るとか、軍服を着込んだ上にコートを羽織るとかはしないって事です、我が国の大半の人々は。精々がパッとや芯の少ない軽いジャケットかミドルゲージのセーター迄が中身であって、それ以上着ると軽い服に慣れた現代日本人は重くて肩が凝りますし、電車や建物の中だと暑いでしょうし着膨れて動き辛いのです。そして冬は寒いは寒いですけど暖冬化は間違いなく、セーターやフリースを着るのであればダブルフェイスのメルトンよりも2割ほど軽い生地の方が裾の捌きも良く着易い事間違いないな、と。で、今日もそれらが動いていた、という。

で、そんな中でのアイテム紹介、何にしようか、と思ったのですが、これだな、というのがハンターアウトドアから今シーズン初めて取ったクロージング。もうこれがとてもクラシカルな英国らしいジャケットではあるのですが、それをこの価格で提供してくれるというのはとても有り難く。

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しっかり英国らしくゴリゴリでは無いのですが良い感じなウール100%のツィードで作ったガンクラブチェックのジャケットです。ボタン位置高めな3つボタンで斜めに角度をつけたスラントポケットで右側にはチケットポケットが付いております。そして後ろ側には深めのサイドベンツが付けられており、肘には補強の当て布が付いているというこれでもかと英国カントリーを地で行く判り易いジャケットです。二重格子のチェック柄も相まって今となってはここ迄ベタベタなのも珍しいくらいのジャケットですが、内装も凝ってまして見ての通りオリジナルのジャガードでブランド名を入れたライニングとハッとさせられる様なビビットなラベンダーカラーの裏地を組み合わせていて、見返しはお台場仕上げで右側はジッパー付きのポケットで左側はボタン留めの両玉縁ポケットトペン刺しとシガレットポケットになっております。そして裏地の端にはしっかりAMFミシンで手縫い風にステッチを入れております。ここまで作り込んでいて46,200円(税込)なんですから恐ろしい限りです。

しかし。好みが分かれるポイントも敢えて書くのが私の主義ですので書かせて頂きますと、まずサイズが大きめなのにSサイズが英国表記の40サイズになっているのです。いやいやいやいや、このサイズ感だと40というのはゆったりめのMサイズ、かなりL寄りですよ?と思うのです。これが38サイズからあれば何の迷いも無く38メインで40ちょぼちょぼ42は1着だけというバランスで取るのですが、仕方がないので40を多めに発注してはいますが、大きいなぁ、という方がそこそこいらっしゃるのは間違いなく。そして本当にクラシカルでカントリーでハンティングに行く様な男は男らしく、という表現からしっかりと肩パットが入っていて、シルエットとしてはコンチネンタルな感じなんですよねぇ。まぁその辺はお直しで外す事も可能ですし薄くする事も可能ですが、正しくカントリーテーラリングを頑なに守っている、という事で。その2点以外は価格といい内装といい雰囲気といいケチをつける所のない秋冬用ジャケットです。まぁこのサイズ感でも逆に中にセーターが着られるジャケットだと思えばそれまでですし。という事でサイズは表記としてはS(40)とM(42)の2サイズ展開です。

個人的には現行で英国ブランドのテーラードジャケットでこの価格で取れる物は他にありませんので、サイズの合う方は押さえておくべきアイテムだと思います、かつてのノービットと同じ課題ですが、英国のカントリーウェアメーカーにそれを言っても始まりませんし、サイズが合う方には是非チェックして頂きたいジャケットです。

明日は連休最終日です、是非色々とチェックしにいらして頂ければと思います。アイテム紹介、明日は取扱店で完売している人気アイテムみたいなので、凝ったテキスタイルと技法によるライトなキルティングパーカの紹介を予定しております、お楽しみに。

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2025年11月01日

秋の新作紹介 vol.30 Daniele Fiesoliの18G Merino Wool High Neck Sweater


今日はドキドキでした。荷物を持ってきてもらう時間を昨日のうちから佐川に連絡して指定していたにも関わらず、いざ届けてもらったら何とハンターアウトドアの分の2パッキンしかなく。TAIONの分はどうなったんだ、という事で再度確実に出荷されているかを確認した上で佐川の営業所に問い合わせたら午後便になってしまっていて16時半頃になるとの事。その為昼過ぎにお越し頂いたお客様にはお見せ出来ずまた明日以降いらして下さいとお願いする羽目に。事前に連絡を入れて準備を進めていたのにこのグダグダは一体!?とやり場の無いモヤモヤを抱きながらも検品と整理をしつつ、その間にもいらしたお客様が出す先から押さえていかれ、夕方からだったのに想定以上に減りました。とはいえ明日明後日が本番でしょうね。

来週迄に今シーズンのアウターは殆ど揃う予定ですが、今日の段階で納品されていたノービット×グローバーオールの魔改造ダッフルがラス1になってしまいましたし、先日紹介したデッドストックのM-65も減ってます。しかし出来る限りアウターの紹介は冬の新作紹介になってから、という事で今日はもう買っても良いかな、というハイゲージのハイネックセーターを紹介します。

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価格が上昇し続けているインポートアイテムにあって、それでも取り続けているダニエレ・フィエゾーリの18Gのハイネックセーター。このブランド、ド定番色以外は毎シーズンカラーバリエーションを入れ替えるので、定番以外の色を敢えてセレクトしていくと、他には無いカラーバリエーションになるのと、他の同クオリティのニットメーカーと比べるとまだ何とか価格を抑えているので、かろうじて継続しております。でも今年の段階で既に代理店設定価格は29,000円+税になっており、恐らく来年は今のユーロレートを鑑みるにどうやっても3万円台に突入すると思われ。でもレートが落ち着いていた当時から取り扱っているので、在庫と平均して価格を設定しているので、それもあって続けているところもあり。で、今年追加した2色がこれ。ワインレッドとアーミーグリーンです。どちらも他には無い微妙な色出しで良い色です。

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今回の2色も既存の8色を補完する色を考えてセレクトしておりまして、レンガと合わせて紅葉の色を形成するワインレッド、色としてはグリーンなのかグレーなのか悩ましいけれどミリタリーなアースカラーでコーディネートを組める様にアーミーグリーンを足した次第です。でも使い易くありそうでない色を足せたと自負しておりますが、毎年問題になるのが価格なんです。今シーズンどうにも値上がりが避けられず、今シーズン分だけの価格は31,900円(税込)と遂に税込ですと3万円台になってしまいました。そこを既存の物と平均してB.A.Tでは26,400円(税込)と無理矢理アンダー27,000円にしております。実際18Gのイタリア製のセーター、他の名だたるイタリアのブランドですと4万前後にはなっていますので、税抜きアンダー3万で抑えているだけでも代理店はかなりの努力なのですが、加えて長年取り組んできたアドヴァンテージを活かしてこの価格にしております。ですが前述の通り来年にはおそらく更に値上げする事は間違いないと思われますので、カラーバリエーションが揃っている今の内に押さえておく事をオススメしておきます。サイズはS・M・Lの3サイズ展開です。

来年はこのままだといかんな、という事で現在直接取引出来るハイクオリティなニットメーカーをイタリアで模索中なんですが、フィエゾーリのこのハイネックは続けられればな、と思っております。でももしかしたら、という事もありますのでアンダー3万円でこのグレードのニットを押さえられる内に押さえておく事をお勧めします。

という事で紆余曲折ありましたがハンターとタイオンが揃っておりますので、是非お越し頂ければと思います。

そして明日のアイテム紹介、秋らしさという事で本日入荷したハンターアウトドアのガッツリ作り込んだ英国らしいツィードジャケットを紹介します、お楽しみに。

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2025年10月31日

秋の新作紹介 vol.29 NANGAのDry Mix Terry Half Zip Sweat


今日は夕方から雨で夜は大荒れで雷雨になるかも、なんて天気予報で、しかもそのまま15時頃から雨がぱらつき始め、18時頃にはもうかなりしっかりとした雨で、このブログを書いている21時過ぎには土砂降り一歩手前ぐらいの本降りになっております。でも明日の明け方前には上がって明日は晴れて夏日になるかならないかという気温になるみたいですので、是非皆様にはお越し頂きたいところです。

お天気の話から入りましたが、明日は過去最大に入荷が重なり、TAIONとHUNTER OUTDOORが一気に納品という。恐らくTAIONは巨大な箱で4パッキン、ハンターも同じく大きいので2パッキンで合わせて6パッキン来ちゃいます。数だけなら6パッキンというのは過去にもありますが、今回ハンターは英国製アイテムとしての価格破壊振りを評価して、3レイヤーツィードのフィールドジャケット・フィールドベスト・それに加えて日本ではB.A.Tのみとなる同素材のニッカボッカーズ、更に同素材のテーラードジャケットと日本で最もバリエーションを揃える事になっております。他では考えられない価格で英国カントリースタイルが構築出来、ワックスコットンやキルティングじゃなく英国製のツィード生地で作られるフィールドジャケットが45,000円、ニッカなんて19,000円ですから。こりゃ2万円そこそこだからと電車乗ると嫌がられるワックスコットンとかやってる場合じゃないでしょ、という事で今回はツィード祭りです。でもまぁ、ドカッと付けたのでドカッと納品になってしまい、明日はアポ入れていらっしゃるお客様も複数お越しになるのでこりゃあかんな、と。恐らくお客様がいらしている中荷物が届き、検品と品出しとそれを即抑えるお客様、というカオスな感じになると思われるので今から戦々恐々としております。

とはいえ。まずは本日のアイテム紹介から進めようと思います。本日は昨日予告した通り、偶々ですがナンガのアイテムが続きます。

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昨日も自嘲気味に書きましたけど、羽毛布団メーカーから派生したダウンウェアブランドであるナンガなのに今迄に展開しているアイテムとしては圧倒的にダウンが少ないという申し訳ないセレクトをしておりますが、それもこれもナンガのダウン以外のアイテムがとても優れているからでして。このスウェットも吸水速乾性と軽量性に優れ、汗をかいてもすぐに乾き、常にさらっとした快適な着心地を保つ“DRY MIX R”という高機能素材を使っていて、パイルの厚みを抑えたフレンチテリー生地に編んでいるので、糸の機能性と組み合わせるととても快適な肌触りですし、耐久性も高く洗濯に因る型崩れが少ない為、日常着からアウトドアのみならず様々なスポーツシーン迄幅広く使えます。

しかもこれ、そういった高機能で快適というのに留まらず、デザインやディテールに凝ったアイテムになっており、スポーティでアウトドアウェアでもよく見られるハーフジップのスタンドカラーになっていて着脱が容易ですが、サイドパネルやリブ部分にはスパンフライス編みを採用し、さらに二重仕立てにすることでヴィンテージスウェットを思わせるクラシックなデザインになっております。ヴィンテージレプリカ系のアメカジブランドが好むクロスグレイン(チャンピオン的に書くとリバースィーブ)に脇を切り替えているだけではなく。前身頃の生地の向きも横向きにして使っていて、洗濯で縮む事はないと思いますがヴィンテージスウェットに用いられていた機能性を高める仕様と現代的なスポーティでフィールド向きなデザインを組み合わせているんですね。それでいて胸と袖の刺繍も控えめな色で入れられていて、その点でも使い易いです。

ただサイズ感はリラックス感のあるバランスになっていて、今回SとMの2サイズ展開にしていて私はSとMで十分だと思いますが、写真の女性が来ているアイボリーの方、これでMサイズ着用という事なので、ゆったり目程度といえばそうなのかも。そして何より価格が凄まじく、ここまで作り込んで13,200円(税込)というちょっとした長袖Tシャツ程度の価格設定なのです。こりゃ売れるよな、と思いましたが案の定売れていて、アイボリーはM1着を残すのみ、ブラックもこちらを選ぶ方が多いだろうと思いそこそこ数を積んだのですが、こちらもSはラス1になっており、Mも残り2着です。という事で気になった方はお早めに。

一応立冬まで引っ張ってから冬の〇〇紹介にする予定ですので、あと1週間は秋の〇〇紹介が続きます。ですが明日から11月に入りますので、キルティングやハイゲージのニット等晩秋らしさを彷彿とさせるアイテムを紹介しても良いだろう、という事でハイゲージのセーターの紹介を予定しております、お楽しみに。

そしてこれはというアイテムの入荷が明日は集中しておりますので、皆様是非チェックしにいらして頂ければと思います。皆様のお越しをお待ちしております。

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2025年10月30日

秋の新作紹介 vol.28 NANGAのHINOC DOWN VEST(Season Limited Color)


なんか予報よりも20℃台になる日が少ない気がします。明日もの午後から明後日にかけてしっかりとした雨という予報になってますし。今日はお世話になっている知人、と言っても親の年齢の方なのですが、重篤に体を壊して入院しているというのでお見舞いに行ってきまして。仕事柄なかなかそういった時間が取れず、心ならずとも不義理で終わってしまう事が多いのですが、今日は千載一遇という程ではありませんが展示会も何もない定休日だったので行ってこようと思い立って行ってまいりました。今時ですから私としても何が何でも仕事優先と迄は思いませんが、私用を優先して展示会や商談をキャンセルしたり行かなかったりというのは抵抗があるというか出来ずにいます。でもタイミングが合うのであれば出来る事はやっておきたいので。

で、本日戻ってきたら連絡が入っていて早ければ11月1日に、つまりTAIONと同時にハンターアウトドアの今シーズンのラインナップも入荷する可能性があるとの事。明日代理店商社に届くので検品と仕分けが終われば出荷するとの事。それが間に合わなかったら連休明けになってしまいますが、なるべく出荷するとの事です。この週末3連休はガッツリ入荷ラッシュになりますので、是非お越し頂ければと思います。

さてそれでは本日の新作紹介に移らせて頂きましょう、本日は昨年から取り扱いを始めたナンガのオリジナル難燃素材であるHINOCを使ったダウンベストの今年の限定色の紹介です。

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ここ数年NANGAのアイテムを取り扱っていて、トリプルコラボのインナーダウンベスト以外本来の主力であるダウンアイテムを昨年迄全く取ってこなかったのですが、その使われているダウンの素性から暖かさの程度(ただただ暖かければ良いってもんじゃないので)、全体のコンセプトとの整合性とかから、タウンユースにはオーバースペックなダウンが取扱店の多いNANGAのダウンをファッションとしてお客様に提案する機会がなかなか廻って来なかったからです。

でも咋シーズンからHINOCに名称が変わった難燃加工生地のシリーズに初めてダウンベストが提案されまして、しかも日本製で提案されるとの事。そこでミリタリー系じゃないと定番色としては順位の低いコヨーテ、そして咋シーズンのみのスペシャルカラーだったライムという、他ブランドでの提案が少なく、アイテムとしてもニッチなダウンベストであれば、他のセレクトショップでの取り扱いが少ないだろう、と見越してその2色で提案しました。そして今年ですが、こうなったらもうB.A.Tではこれしかないな、と思い定めて今年の新色の身をぶつける事に。今年の新色はフェードブルーという微妙にくすんだブルーグレー調のブルーでして、これはこれで定番色ではないですがコーディネートし易い色ですし、余程これはイカンだろ、という色じゃない限り今後も定番展開されている色ではなくその年の限定色を取っていこうと思います。

というのもこのシリーズの生地、今シーズンも取っておりますが SUBUとのコラボでも使われていて、地道に店頭に並ぶアイテムをメジャーブランドであっても別注とかを自分で組まなくても数シーズン経てばレアカラーで構成されている状態に出来るやないか、と思いまして。

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辛うじて昨年のカラーも残っておりますので、現在この2色と合わせて3色展開なのですが、今年のフェードブルー、使いやすさと限定色というのが合わさってここのところの15℃前後の最高気温のせいもあって既にMサイズ1着を残すのみとなってまして。こりゃイカンな、という事で本日紹介しておく事にした次第です。価格は昨年と変わらず53,900円(税込)で、変わらず日本製なのでそれもお得ですよね。どうやら晩秋らしいというか、12月は平年よりも寒くなる予報になっておりますし、ミドルゲージやローゲージのニットもしくはフリース+ダウンベストという組み合わせ、良いんじゃないでしょうか。是非チェックしてみて下さいませ。

で、今月最後の日である明日ですが、明日は何を紹介してくれようか、と悩んだ末、来月になるとセーターの紹介をする事になるので、今シーズンのNANGAのアイテムで最もリーズナブルでそれでいて高機能でデザインも良かったハイネックでハーフジップのスウェットの紹介をする事にしました。お楽しみに。

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2025年10月29日

秋の新作紹介 vol.27 CONCORDの1965's M-65(Late 1980's Dead Stock)


晴れても20℃に届かない、そんな日がある様になってくると季節が進んでいるのを実感しますが、今年は確実に来そうな秋であり冬に向けてコートや中綿アウターの納品が進んでおります。本日予定通りロンドントラディションに別注した今シーズンのダッフルコートが入荷しました。サイズ感も良いですし生地のウェイトも2割程軽いライトメルトンをセレクトしており、既存の着方と違った提案をするべく取ったので、冬の新作紹介の時期が来たら早々に紹介しようと思っております。

そして本日連絡がありTAIONの今シーズンのアイテム、来月頭の3連休に間に合わせるべく、11月1日に入荷する事になりました。今シーズンはリバーシブルのジャージのダウンパンツとジャケット、そしてこちらもリバーシブルのスカジャンの今シーズンの新作をセレクトしております。昨年2週間経たずに完売したスカジャンのこれはという素敵な配色の物を2色、そして刺繍も生地も全て刷新した別バリエーションの方から1色、そしてこれは珍しいという新機軸で見た目ジャージだけれどライトダウンという上下が2色の提案です。どれもこれも減りが早そうですが、昨年スカジャンを手に入れた方はジャージ上下か新柄のスカジャンに行くでしょうし、昨年スカジャンを手に入れられなかった方や昨年の柄がお気に入りの方は昨年よりもパワーアップした2色の方に行くでしょうね。

さてさて、そして本日の紹介ですが、本日は今シーズンのデッドストックアイテム、2型取った内の1型、1980年台後半にリリースされたと思われるコンコルドネームのM-65フィールドジャケットです。

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昨年も取った最近掘り出されてあっという間にデッドストックが市場から枯渇していっているコンコルドネームの米軍採用アイテムの民製品。詳しくは昨年取ったMA-1の紹介の際に書いておりますのでそちらを読んで頂くとして、現在も米軍のミリタリーアイテムの民製品の最大手であろうアルファインダストリーズ社(以降アルファ社)が米軍のオフィシャルサプライヤーだった当時、アルファ社ネームで民製品を販売出来ない契約になっていた為、ヨーロッパ輸出用にコンコルドというネームで生産していた米国製の米軍レプリカアイテムです。レプリカではありますが、ネーム以外は素材から仕様からサイズスペック迄全て米軍納入品と同じだったので、デッドストックミリタリーとカテゴライズされるアイテムとして知られております。

そしてこのM-65も米軍にアルファ社が納品していたアイテムのうちの1つなのですが、これまたあまりに人気で多くのブランドがアレンジした物を出しているので、オリジナルのディテールを大手セレクトショップチェーンのスタッフですら正確に把握出来ていないのに、カジュアルブランドのアレンジ品を本格的な作りみたいに謳ってしまう、本物はそんじょそこらのレプリカやらカジュアルブランドの見た目だけ真似した物とは違うんだぜ、というレアアイテム。これ30年ぐらい前だと湾岸戦争後の放出品が溢れ返り、本物も確認出来たんでしょうけど、今じゃそんな事を知らないアパレル関係者が多くなっています。

で、これなんですが何がレアって実は米軍の放出品の古着に黒はとても少ないのです。だって本来ミリタリーウェアで黒を使っているのってMPとか市街地戦に特化した特殊部隊用とかしかないですから。このデッドストックのコンコルドネームのM-65においても、カーキオリーブの物が大勢を占めていて、今年になる迄黒のM-65の出物はありませんでした。なのでこれ見た時に本当に上がってくるのかぁ??と半信半疑で発注しました。だってサイズも日本人のゴールデンサイズであるSからある事になっていたので。これフライトジャケットであるMA-1よりも地上で歩兵が装備をつけた上に着ているのでサイズ感が大きく、MはLぐらいの大きさなのです。それを知っていればいくらデカいサイズが一昔前に流行っていて今もそこから抜け出せない層がそれなりにいるとはいえ、LだXLだをメインに取ろうだなんて思わないんでしょうけど、ネットで売られているのを見ると(それですら完売してますね)そのサイズだけを取っているところが散見されます。今回一応Lサイズを1着だけ取ってますけどメインはSで固めております。で、今回これがしっかり入荷した、という事で。しかも前述の通りS・M・Lの3サイズ展開で、価格も今の円安レートでは破格の29,700円(税込)です。

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その意外と知られていない特徴をザッと紹介していきますと、判っていないとやりがちなディテールNo.1が襟の中にフードを収納してしまう仕様で作ってしまう、他にはないこの襟の仕様です。襟にジップが付いていてそこを開けると中からフードが取り出せるのは同じなんですが、あら不思議、オリジナルのM-65は襟の中にフードは入っておりません。どこにフードが入っているかというと襟の内側は背中の裏地とくっ付いていて、その裏地と背中の間にフードは入っております。これは全体写真の様に襟を倒して着る際に襟の中にフードが入っているとモコモコして襟が倒れずこの様には着れないから。そこでこんな不思議な作りになっていて、しかもファスナーを跨ぐのでファスナーの下の部分に引っ掛かるのを防ぐ為その部分だけリブが使われております。そして襟の外側にはそのリブが出ない様フードの首元側の端はファスナーの外に出される作りになっています。なかなか文字で書いてもイメージし辛いでしょうけど私はこの仕様にしないならM-65を名乗るなと言いたいぐらいの特徴的なディテールです。

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そして背中と袖の接合部分はアクションプリーツが採用されていてより動き易くなっており、すっきり見えて動けるというのもこのジャケットの特徴。そして襟とフードの仕様と違い実際にこれを使う事あるのか??と思いはしますが、袖口のカフス部分には内側に折り込まれてマジックテープで留められている持ち出しタブが装備されていて、袖口の広さを調整するマジックテープのタブと一体になっております。これは熱い鍋を掴む為か手の甲を保護する為か、はたまた砂漠で遭遇する自然の脅威である蠍を掴む為か、私も様々な風説から確かなのはこれ、と断定は出来ず、実しやかにグローブと連結する為とか書かれている事もありますが、他のミリタリージャケットになくM-65にだけあるこのディテールが専用グローブなんてミリオタな私でも見た事がありませんし、納得しかねます。ですが後期型ではエポウレットと共に廃止されてしまうこのディテール、無駄でもあってこそオリジンオブオリジンの証というものでしょう。

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そしてウェストが絞れるドローコードがハーフ丈のフィールドジャケットですが装備されているのも嬉しいディテールです。ともすれば無骨に思われがちですが、この絵thストを絞ったシルエットはとてもクロージング的で洗練されたラインを描きます。このジャケットはクロージング同様2枚袖になっていて、アームにカーブも付けられているので、実はモッズコートと違いクロージングとの相性が抜群に良いのです。だからこそ一世を風靡してどこもかしこもこのモデルをレプリカで作り提案しており、かく言う私もオリジナルのコンチネンタルサーカスネームで60/40ナイロンを表地にして内側をお台場にしてフードと袖口の仕様は忠実に再現した納得のいく春夏用を作った事がありますが、実際ドレスカジュアル的なアイテムとして提案しました。

で、このタグに書いてある通りでこれはUSガバメントオーダーのスペックで作られている、という事。つまりこのディテールに対する私の認識は米国政府の公式見解であって、ポケットを4つ前に付けたスタンドカラーのハーフ丈ブルゾンがM-65じゃないんだぞ、という根拠でもあります。ぽっこり膨らんだ立ち襟しか出来ないのにM-65のディテールみたいに作られてもねぇ。

流行りが一巡した今、レアなブラックでサイズさえ合わせれば実はかなり綺麗なシルエットであるオリジナル仕様のM-65をゴールデンサイズで手に入れるラストチャンスです、しかも市場からはデッドストックは枯渇していますし、5年10年楽しんだ頃には古着であってもこの価格の倍ぐらいにはなっているでしょうから、是非チェックしてみて下さいませ。現段階でMとLがラス1、Sはある程度数を積んだのでまだ余裕があります。

そして明日ですが、月末ですし展示会はありません。ただずっと展示会廻りをしていましたし、少々私用もあってお休みはお休みにして夕方17時には店に来てブログを書こうと思っております。明日の紹介はナンガ唯一の日本製ダウンベストの今年の新色を紹介します、お楽しみに。

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2025年10月28日

秋の銘作紹介 vol.1 KESTIN×LOCHCARRONのOriginal Fancy Tweed Vest “HAYLE GILET”(Only at B.A.T)


なかなか見つからなかったハイゲージのセーターも全て発見して店頭に出し、パンツもほぼ段ボールに詰め終わり、あとは積む順番を入れ替えて下の方に春夏のストックと店頭分、上の方に秋冬のストックという順にするだけにはなりましたが、思った以上に苦戦。結局シャツの入れ替えとクロージングの入れ替えはタイムリミットで明日に持ち越しに。とはいえ、未だ新作は毎年新色を足しているダニエレ・フィエゾーリのハイゲージのハイネックのみしか上がってきていませんが、店頭に出してフェイスになるとニットのラインナップ、やはり自分で書くのもなんですが尋常じゃないですね、これ。よほどど定番が欲しいという方以外のニーズをカバーしている上に別注色や別注仕様がかなりの割合を占めていて、尚且つ価格設定が円安進行前のままな物が大半を占めておりますので、自分でも1着決めろと言われたら目移りして悩ましいです。加えて価格を通す為の努力を重ねて別注した今年の新作が投入されてきたら更に悩ましいでしょう。今年のミドルゲージの新作はシャツ+Vネックセーターorベストという提案ですし。楽チンなフィールド由来の機能素材のアイテムでコーディネートするのもそれはそれとして、四季を愛でる日本人の感性にはブリトラベースのアーバンカントリースタイルがしっくりきますので。

そして明日ロンドントラディッションの別注ダッフルが予定通り入荷するという連絡が。昨日も書きましたが今迄に無いダッフルに仕上がっていると思われます。と言っても生地スワッチだけでサンプルを作っていないので製品になったのを見るのは私も明日届いた時なのですが。出荷連絡で良い感じだと代理店商社から言われてはおりますが。また、本日TAIONの入荷日の確認をしましたので、明日にも返答があるかと思います。11月の頭の連休に投入されるのかどうかでご来店の予定が変わる方も多いと思われますので。確定し次第告知しますので要チェックです。間違いのないコアなところだけを抽出して取っておりますので、ライトダウンという事もあり足は早いかと。

そんな中でのアイテム紹介、久しぶりに銘作紹介を挟む事にしましたが、明日明後日の紹介は逆に決まっており。流石に綿のアウター(中身次第ですけど20℃台だと暑くて着れないヘヴィなデッドストックです)については紹介してしまおうというのと、ちょっと早いかな、と思っていたらあっおい馬に在庫がなくなってしまったのでこれは早々に紹介しておかねば、というアイテムがありますので。

でも今日は秋らしく季節感のあるアイテムを紹介させて頂きます。

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今ではもう価格的にどうにも手を出せないブランドが増えている英国ブランド。英国のインフレの進行や人件費の高騰は我が国の比ではありません。私は自分で書くのも何ですが、相当なロマンチストだと自虐ネタとしても思っていて、売れる売れないよりクオリティを、そしてそのメーカーやアイテムのバックボーンとなっている歴史を重視して長年(もう30年になろうかとしております)この業界でのたくっております。現実に仕事にしていますからそれだけを追求していく事は不可能ですが、売れれば良いのであればもっと効率良くそんじょそこらのコンサルなんぞより確実に結果を出せる自負はあってもそんな事をするぐらいならこんな商売しとらんわい!という世のあり様に抗う青臭さ無くして事業継続もまた不可能なので。そんな私をして、いやいやいやいや、もうそれって我が国では億り人とかじゃないとおいそれと手が出せませんやん、という価格になってしまっていると判断せざるを得ないのが昨今のインポート価格です。

ですがこれ、英国ブランドではあっても英国製なんてもう作れなくなって久しい、しかもポルトガル製でも価格はこのクオリティでこの価格は無理っ!と判断せざるを得ないケスティンの、英国の生地メーカーとコラボしてオリジナルの生地を英国で織って英国縫製で仕上げていた銘作です。

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織り方としては大柄で変形のハウンドトゥースになるんでしょうけど、まずこの生地を織っているのはロキャロン社、スコットランドでも老舗中の老舗であり、英国の伝統の様に思われておりますがスコットランドの氏族(クラン)を表すスコットランドの伝統柄であるクランタータン、通称タータンチェックの織元として知られ、スコットランドの伝統的な生地を多く織っているミルです。

そこから単に生地を買ったというのではなく(それだと精々が別注と名乗る程度です)、オリジナルでファンシーツィードを織って貰っております(これでこそコラボでしょう)。しかもスコットランドの海と山をイメージしてその色彩を彷彿とさせる表情にしつつ、共通の織りになる様にデザインした結果、ハウンドトゥースの変形柄、という事になった様です。ファンシーツィードを採用しているのは単なるチェックのツィードだとどうしても表現できる世界観が限られているから。ベースになっているチャコールグレーに白のネップが入っていますが、この部分もカラーの部分もネップはシルクが使われており、メインのウールに対してポリアミドを混紡する事で強度を上げてリアルなアウトドアでの使用にも耐えるツィードに仕上げております。単にレディスでよく使われるラメが入っていたりビビットなネップや糸を絡めたファンシーツィードとはまるで別物です。

サイズはSとMの2サイズ展開、価格は43,780円(税込)です。この生地のシリーズ、このベストとブルゾンとマフラーの3型で構成されていて全てラインナップしておりますが、ブルゾンなんて同じ英国製の防水ナイロンにリサイクルポリエステルの中綿を入れたロングコートよりも高くなっておりまして、生地の価格はハリスツィードを凌駕するものになってしまったのが原因なのですけどそれでもこれは押さえておきたいな、と思わされてしまいまして。でもこれ、今作ったらベストでブルゾンの価格になってしまいますし、しっかり英国主張をしつつ他のヴィンテージレプリカ的ワークウェアやミリタリーウェアベースの英国ブランドの様にコスプレになってしまう事もなく、アーバンな使用にもしっかりと溶け込むアイテムですのでオススメです。意外に3アイテムの内このベストが一番足が早く、残念ながらどちらの色もMサイズを1枚残すのみとなっております、気になった方はお早めに。

という事で明日は今シーズンのデッドストックのミリタリーアイテム、日本人のゴールデンサイズで取れた圧倒的に供給量の少ない色の定番ミリタリーアウターを紹介します、お楽しみに。

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2025年10月27日

秋の新作紹介 vol.26 narifuriのMultitech Waffle Needle Punch Front Panel Crew Neck L/S Tee


店頭の冬への入れ替えが佳境に入って参りまして、そろそろ筋肉痛になるんじゃないかとビクビクしております。フリースのベストやアウターを店頭に出しまして、パンツもほぼ出し終わり、あとはニットのミドルゲージの物を店頭に出せばその箱に春夏のパンツを仕舞ってそのスペースにハイゲージのニットを出せばそれでほぼ今回の目標は完了するのですが、今年はコートも早めに店頭に出そうかと。ただあれですね、秋冬の物は嵩張るのでそれを出すと空いた段ボールが出来てしまいまして、それをどうしてくれようか、と悩ましく。しかも今週中にロンドントラディショナルに別注した既存のダッフルとは一線を画す暖冬でも大丈夫というか、ここ最近の日本の気候であってもニットとシャツのバランスを調整すれば気持ち良く着回せそうな提案をしておりまして、それに加えて来月早々には取り合いになるであろうTAIONの今シーズンのアイテムが入荷すると思われ。それ以外のインポートアイテムも11月に入ったら一気に入ってくると思います。

とりあえず今日は天気が回復したとはいえ月曜日でお客様も少なく、作業も進んで目処が立ったのでホッとしております。明日には棚の整理は完了し、クロージングとシャツの入れ替えをするところまで行ければ良いですねぇ。そしたら後は薄手のアウターを収納してダウンを出すのを待つばかりになりますので。

さて、本日のアイテム紹介ですが、形としては長袖Tシャツなんですけど非常に手間のかかる凝った仕様にした結果、最早これはTシャツと言えるのか??というアイテムになってしまった今シーズンのキモな1着です。

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narifuriのド定番アイテムであるマルチテックワッフルの長袖Tシャツですが、今年は元々展開されていたソリッドの物は黒とオリーブを追加(昨年モデルはチャコールグレーを数着残して完売しておりました)、秋の新作紹介 vol.6で紹介した2トーンモデルが新たに提案されており。それだけでもバリエーションが増えて良かったんですけど、更に提案されていたのがこれ。

最近ネットショップでも映えというかイメージで売るのが主流になってまして、そのアイテムがどんな風に作られているのか、とかあまり見ない技法であってもその技法名だけシレッと書かれていて気になったら自分で調べてね、みたいな感じになっておりますが、それ以上にアパレル店員が技法や縫製仕様について理解していないが故に店頭ではこのアイテムはどういう風に作られていて何故この価格なのか、という事について語られず、なんかノリやパッと見のイメージで売れれば良いといった感じでして、それで良いのか、と屁の突っ張りの様な抵抗をこうして試みております。

ニードルパンチ、と言われてどうやっているのか判る人なんてほとんどいないだろうに、と思うんです。これってとても大変な作業でして、釣り針の様に返のある針を使って、今回のアイテムで説明するとマルチテックワッフルの生地の下にチェックの生地を重ねてその針でひたすら刺しては引き抜きを繰り返すんです。それにより下の生地を構成している繊維が鉤針で表に引き出され、結果として2つの生地の厚さで両方の表情(基本的に表の生地の表情に柄生地を下にしてその柄を薄ら表に出すのが判り易い例です)が楽しめる凝った仕様になります。これだけ書くと技法としては珍しいですが、最初に考え出した人は凄いけれどそれほど大変じゃないんじゃないか、と思うかもしれませんが。これまず生地の価格が元々のマルチテックワッフルと裏から当てるチェックの生地の2枚分の生地の価格がかかっているのと、ニードルをどれぐらい刺すかを調整しつつ、やり過ぎると鉤針で繊維をズタズタにされ生地が傷んでしまうので、その見極めをする為試験を繰り返した上で総刺繍するのと同じ工賃がかかるので、とても高価な技法になってしまっております。

そしてこれ、とてもインパクトがあってビジュアル的には素晴らしいのですが、本来の機能としてはマイナスになってしまいます。だってニードルパンチをした部分は体に触れる面はチェックの生地でマルチテックワッフルじゃありませんからその部分は通気性やワッフル生地の利点は無くなってしまいますので。そして肌触りもニードルパンチ部分だけ固くなってしまいます。それを放っておく様な不手際はnarifuriはしませんで、フロント部分の内側にメッシュ生地を重ねる事で肌触り問題はクリアしました。ただその分ニードルパンチ部分は3枚生地が重なる事になり、保温力が増してしまいまして。他のディテールや仕様は定番のマルチテックワッフルの長袖Tシャツと同じですが、本当にスウェット並みの暖かさになってしまっており、それでこのタイミングまで紹介せず引っ張っておりました。

ただ見た目のユニークさと技法の贅沢さにおいてはまるで別物になってまして、既に店頭ではこちらが走っております。どちらの色も良い感じですので、どちらも減っておりますが、まだシズはかけておりませんのでご安心を。サイズはSとMの2サイズ展開で、価格は20,350円(税込)と通常の物に比べると高くなっておりますが、こういうのは二度と出ないと思いますので、見つけた時が買い時です。気になった方は迷わず押さえておく事をお勧めします。

明日はこの秋全く銘作紹介をしていないな、という事に気づきまして、昨日今日で丁度この時期にぴったりだな、と思えるアイテムを店頭に出しましたので、それ等の中からこれはというのの紹介を。お楽しみに。

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2025年10月26日

秋の新作紹介 vol.25 norbit × Alpha industriesのField work shirt


昼過ぎには雨は一旦上がったものの、天気の悪さは相変わらず。でもこのぐずついた天気も今日迄で明日は晴れて最高気温は22℃と、ここ数日の寒さとしばしのお別れとなるみたいです。ただここからは日中は晴れていれば20℃台前半で過ごし易い気温ですが、朝晩はどんどん気温が下がっていき11月半ばには一桁になるみたいです。そうなってくると本当に昨年一昨年の服装では心許ないという方も多いでしょう。10月最後の日曜日とあって昼過ぎからハロウィンイベントで子供達が仮装してチェックポイントでお菓子を貰って回っていました。雨が止んだ時間帯にささっと済ませた感はありますがイベントが出来て子供達は良かったんでしょう。まぁB.A.Tには全く関係のないイベントですがw

さて本日は日中20℃台で朝晩は気温差が10℃以上、という時期にピッタリな拘りのコラボアイテムの紹介です。

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ここのところといっても昨年と今年の2回の秋冬ですが、デッドストックで80年代のコンコルドネームの米国製のMA-1や未紹介ですが80年代後半のM-65が入ってきてまして、このコンコルドというのは米軍に納品していた兼ね合いでアルファネームで民製品を販売する事が出来なかった時代にアルファインダストリーズがヨーロッパ輸出用に使用していたネーム。そして昨年から米国のアルファ社はブランドイメージを向上させる為、それ迄の世界各国のライセンサーが安価に大量に売る為にしてきた粗製濫造を禁止しまして、結果日本でもライセンスホルダーが変わりましたが、今シーズンのノービットとのコラボに関しては日本の代理店を通さずに直接米国アルファ社から依頼されたコラボで、結果日本代理店からの供給は無く、日本での展開店舗が欧米に比べ少ない事から国内の流通量はそれぞれ数十着程度だそうで。

しかしこれが非常に作り込まれていて、生地を変えただけとかそういう事ではなく、過去にアルファ社から米軍に供給実績があってもレプリカが出されていない米軍のフィールドシャツの傑作であるOG-198をベースにノービット的な解釈でアレンジしたのがこのシャツジャケットです。素材もCPOではなくフィールドシャツをベースにしているので、メルトンというよりも生地の表情が楽しめるフラノに近いウォッシャブル機能を持たせたウール70%のミリタリーウールを使用。シャツをベースにしているのでミドルレイヤーにもアウターにもなるバランスで仕上げております。

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ネームは最新のアルファインダストリーズのネームとノービットのネームを並べた付け方になっていて、OG-108の最大の特徴であるクロスヨークは忠実に再現しつつ、背中のパーツにはサイドプリーツを入れて運動量を確保したオリジナルディテールを追加。ベースのディテールを活かしつつアレンジは加えるという野澤氏らしいアプローチです。

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それに対してポケットの仕様はもうノービットらしさ全開で、胸ポケットはOG-108の仕様とほぼ同じですが、そこからワークディテールに見られる胸ポケットの下の部分をフラップにした大型パッチポケットを重ねるダブルポケット仕様になっております。ここでフィールドシャツ→フィールドワークシャツというアレンジが加えられているんですね。そして更なるワークというかヴィンテージワーク仕様として、、脇縫いの裾の部分をヴィンテージのワークシャツがチェーンステッチミシンで縫われていて返し縫いが出来ない事から生まれた生地を超えてステッチ糸だけを伸ばす仕様になっていて、ワークテイストが追加されております。

更にノービットオリジナルのシャツディテールとしてカフスの付け根にゴムのアジャスターを付けて袖を捲っても落ちて来ない仕様が装備され、肘の補強布が付けられていて肘から手首の付近迄のディテールが機能的に統合された完成度の高いデザインになっております。そして気づき辛いのですが、フロントの前立ての部分が表側に返して端を縫い止めずにボタンホールの間だけを縫い止める事で、ボタンが見えない比翼仕様になっているのに指が前立ての中に入る為ボタンが留め易いオリジナル仕様の比翼になっております。そしてこれは和のテイストと言えるんでしょう、欧米では評価の高いフロントのボタンを閉めないままでも前が開かない様に羽織紐が付けられております。和服の羽織では定番ディテールですが、洋服には見られないディテールとして野澤氏らしさが加えられているデザインです。実際あると便利です。

そして昨シーズンからノービットはSサイズの展開を始めまして、どうしてもインターナショナルな展開がメインな分大きめだった為に手を出せずにいた方にも提案出来る様、サイズ展開をSとMの2サイズ展開にしております。なので着方の若さを考慮せず着て頂けると思いますので、ぜひチェックして頂きたいですね。ここまで作り込んでインターナショナルメインの展開なので、価格は64,900円(税込)とそこそこの価格にはなっておりますが、既存のアルファの大量生産品とは一線を画すスペシャルアイテムですので、是非チェックしてみて下さいませ。

明日はここ迄紹介せずに引っ張っていたnarifuriのマルチテックワッフルの新作長袖Tシャツというか仕様的に最早スウェットな1着を紹介します。お楽しみに。

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2025年10月25日

秋の新作紹介 vol.24 Reproduction Of Foundの1980's German Military Trainer / Field Type(Season Limited)


おいおいおいおい、いい加減にしてくれよ、と思うレベルで最高気温が16℃以下(今日なんて13℃ですよ!)という長期予報が外れた気温が続いており。しかもしっかり雨という。いや寒いのは良いんですよ?寒くなればこそ服は必要となるので。でも雨で寒くて冬服出していないとなると外に出たくなくなるというもの。でもまぁ、そんな中でも足を運んで頂けるのが常連のお客様のありがたさ、というやつでしてそれなりに色々動いてはおりましたが、店頭の入れ替えが大変。薄手の秋服は奥に移動させてウールの一重のアウターやウールのシャツやシャツジャケを店頭に出し、ライト中綿のアウターも並べ、というのをやりつつハイゲージのニットは表に出し、というのをやっていたのですが、これがなかなかストックの上げ下ろしが大変で進まず。まぁ何とか目減ずに頑張ります。

で、本日はこのタイミングで投入されてきたリプロダクションオブファウンドのフィールドタイプのジャーマントレーナーの限定色の紹介を。

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今年の春夏からの投入となったリプロダクションオブファウンドの看板商品であるジャーマントレーナーの新型モデル、フィールドタイプ。単にど定番な室内トレーニング用のソールを最新のコマンドスニーカー用のソールに変えただけの物は過去にも提案されておりますが、完成度の高さからか今ではその辺中でデザインをパクられてしまい、今では中国製の物が出回ってきていて、B.A.Tでは定番の革の物を過去に一切取ってきていないので、そんじょそこらの中国製と一緒くたにはならないので良いのですが、それでももうベーシックなジャーマントレーナーは取れないな、と思います。当然そこはブランドサイドも考えていて、そこで提案されたのがこのフィールドタイプです。このフィールドタイプ、プーマにほぼ同型のモデルが存在するぐらいで、完成度の高さや先進的な機能性において他と差別化の図れるモデルでして、春に取ったオールブラックも革の表情もソールやプラパーツの雰囲気もとても良かったのですが、本来のこのモデルはちょっとサイバーで近未来的なイメージなブルー系のコントラストがはっきりした配色がオリジナルなんですが、やはり私がこのブランドをセレクトしているのは欧州製のクオリティの高さと豪華な革使いと、ヨーロッパ製スニーカーで3万前後というのは今となってはコスパが良い、という事になるからなので、そうなるとオリジンである事よりも服との相性も考えて、この秋冬に新たに提案された色であるダークブラウンをセレクトしたんです。

そしたら何と来春夏の展示会に行ったらこの色が外されているじゃないですか。つまりこれ、今シーズンのみの限定色って事になってしまったんです。結果的に黒とブルーとグレーの3色は来春夏も継続な上、来春夏は新色が足されずその3色だけなので、3シーズン続けてこの3色はラインナップされてますが、ダークブラウンは今シーズンのみの提案でド定番色にしてトータルでの生産数がとても少ないという美味しいスニーカーになってしまいました。あまりに落ち着いた色なのでそんなキャッチーに推せるという物ではありませんが、その革靴に使うボックスカーフ並みの革のクオリティと汎用性の高さで大人スニーカーとしておすすめの1足です。サイズは41・42・43の3サイズ展開、価格は春と変わらず34,100円(税込)です。

明日は今日よりかはマシな17℃予報ですが雨は続くみたいです。でもそろそろ秋服冬服見ておいた方が良いと思います、皆様のお越しをお待ちしております。

アイテム紹介、明日はもう良いかな、という事でノービットのコラボのウールシャツジャケを紹介します、お楽しみに。

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2025年10月24日

秋の新作紹介 vol.23 MURASPOのEpix Urban Aran Zip


晴れて昨日よりも暖かくなる予報だったのに、昼頃迄晴れていたのにそこからは雨。結局昨日と大差ない1日になってしまいました。とはいえ。今日は予定していた入荷に加え、遅れていた今シーズンのジャーマントレーナーのフィールドタイプの限定色も入荷しております。これはこれで実に秋らしいダークブラウンなんですが、今年の春夏のラインナップにはなく来年の春夏のラインナップにもない、革の色としてはど定番なのに今シーズンのみの展開という、美味しい1足です。

そして本日投入となったのがあのムラサキスポーツが自社の実店舗チェーンでは一切展開せず、インターナショナルなオフィシャルのeコマースと海外の合同展示会での取扱店の開拓をメインに、日本では広報していない展示会をシーズン1回1週間のみなので取り扱い店舗がとても少ない、という異色の手法で展開する“MURASPO”の秋冬の新作です。今年の春夏からオフィシャルeコマースのみで先行展開しつつ、大々的なローンチやコレクション発表をしない代わりに長年国内外でアクションスポーツを推進してきた事から繋がりのあるプロ選手や業界関係者に内覧会を催し、彼等が気に入ったアイテムを個人買いで提供する事で、アクションスポーツ関係の現役プロ選手や引退した選手や業界人に浸透した頃合で次のアクションをという、一過性の盛り上がりや流行ではなくアクションスポーツ黎明期のアーカイブを紐解きながら既存のストリートファッションとは一線を画す現代の都市生活に最適化した「動ける日常着」をマスな人気に左右されないカルチャーとして育てようという提案です。

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その第1弾として取ったのはこの一見トラディショナルなアランセーター??と見紛うばかりのアイテム。英国アラン諸島伝統のアラン模様で編んだニットではあるのですが、まず糸が違います。この太さのニット糸としては初めて見ましたが、これ再生ポリエステルを使用した機能素材であるエピックスで作られたポリエステル100%糸。これがこの太さの糸なのに吸汗速乾・UVカット・抗菌・ストレッチ・軽量・静電気防止・ボリューム感・イージーケア(家庭で洗濯可能)といった至れり尽くせりな高機能を併せ持っており。それで編み上げたこのニット、糸の凄さだけではありません。

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流石にアクションスポーツの創成期たる1950年代を意識しているとはいえ、パーツの組み合わせは編み合わせではなく縫い合わせですが、肩がラグランスリーブに。そしてフロントにファスナーを見えなくした虫隠し仕様でダブルジップで開閉出来る使用に。この時期に丁度良いブルゾン代わりになります。そして背面の右腰部分にスマホポケット、両サイドにはハンドウォーマーポケットを装備。イメージ的にはグランジとは違いますけどリラックスしたニットの着方とニットであっても実用的というのがコンセプトなので、素材的にもディテール的にも真夏以外季節を問わず使える、合わせる相手を選ばない着回しし易い1着になっております。

ただどうしてもこれ、コンセプト的にアクションスポーツという事もあり、そして日本での展開よりもインターナショナルな展開を念頭に置かれている事から、サイズ感がリラックスサイズなんです。今回このブランドを紹介されたのが、デザインを担当しているノービットの野澤氏からでして、元々リラックスサイズが好きな方な事もあって、ノービット以上にオーバーサイズ気味。という事でサイズはMサイズのみをセレクトしております。このクオリティで33000円(税込)というのは適正価格なので、是非多くの方にブランド背景やコンセプトも含めてご覧になって頂きたいですが、ノービットと同じくSサイズ、XSサイズの展開をするかどうかが気になった方に着て頂けるかどうかの判断基準になりそうな気がします。ただ今までにない高機能ニットという切り口はとても良い感じですし、是非チェックして頂きたいですね。

アクションスポーツと言ったら冬のスノボやモーグルなんかもありますので、今シーズンはフリースの上下も今後入荷予定です。そちらもご期待下さい。

さて明日明後日は今月最後の週末です。この気温ですので是非秋冬アイテムをチェックしにいらして頂きたいですね。皆様のお越しをお待ちしております。

アイテム紹介ですが、明日は本日入荷したリプロダクションオブファウンドのジャーマントレーナーフィールド仕様の今シーズンのみの限定色を紹介します、お楽しみに。

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