2026年01月13日

冬の銘作紹介 vol.17 Joseph MalingeのCordvan Tanker Oxford “CHASSE” (B.A.T別注)


連休明けの初日。まったり過ごそうと思いつつ何気に仕事が目白押し。長らく価格を気にしてあえて触れてこなかったレザーウェア。もう現実的とは到底思えない価格になっていて、今じゃバンソンのシングルライダースで40万オーバーです。そして今じゃヴィンテージレプリカ系のドメブラのレザーでも25万前後になってますので、インポートのレザーなんてもう手が出ないよなぁ、と思っていたんです。そしたらこのタイミングで米国老舗メーカーの名を継承して英国製で小ロット生産をしているこれはと思えるレザージャケットの提案がありまして。日本では某老舗アメカジショップが過去に取った記録が見つかるだけで、ロットの大きな注文は断られるらしく長らく日本での展開がないところなんです。しかも他がやらないモデルを指定して革や裏地も指定して作れるので別注好きな私にはまさに打って付け。そしてそそられた最大要因が価格です。代理店が良心的でEPAで関税がかからない英国製なのに関税分を懐に入れてしまって価格をEPA締結前から一切下げていない旧態依然の商社と違って、その2割(通常関税9.2%+革製品に対する10%)を今回コストを削減するのに使ってくれた結果、日本製と大差ない価格で英国製のレザージャケットがいけるという事に(ここから更に極端な円安が進むとまた変わってきますが)。とはいえ25万オーバーではあるので(逆にデッドストックでもないのにそれより安いと不安になりますw)まずはジャブ程度にやって、来年は受注会でも出来ればと思っております。

で、そんな話を詰めていたら、このタイミングでこれも来秋冬に廻して貰いましたけど米国製のレアなデッドストックのオファーが。これはまさかの1990年代の民製品ではなく本物でして、米国製だけれどイスラエル国防軍からの依頼で米国で生産された物だそうで、サイズもバッチリだったのでそれはそれでしっかり押さえ。更にパンツェリの配色とデザインを全て決定して後はイラレでプリント柄を清書してオーダーシートに入れれば終わるのですが、他の仕事をする合間に描くので1柄1日程度は必要なので今週中に終われば良いかな、と。とまぁ来秋冬の企画と発注で時間が過ぎた1日でした。

とはいえ連休明けではありますが、色々物は動いており、特にデッドストックの英国軍のPCSのアンダーシャツは大幅に数を減らしております。どの色のどのサイズも残り1着か2着になっており、くじ引き要員にと思っている方もこれは先に押さえておいた方が良いと思います。

さて、本日のアイテム紹介は昨日に引き続き革靴の紹介を。どうせラグジュアリーなコートに合わせる靴として紹介するならこちらもラグジュアリーな素材使いの靴も提案しておこうと思いまして。

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ジョセフマリンジェのラインナップの中でもこのチェッセというモデルがクラシックラインのハイエンドモデルだったという事もあり。ラスト云々というのではなく、このタンカースタイプのノルウォージャンというのはかのJMウェストンがハイエンドモデルとしてラインナップしているド・ゴールと同型なので、価格差を考えるとこのモデルを取り扱いたいと思っているバイヤーはそれなりにいると思われます。ただ私としてはここぞとばかりにこれはド・ゴールのですね、という説明をして売りに行く、というのをやりたくないというへそ曲がりなところもあり、そして折角このメーカーが他にはないオリジナルのラストを持っていて、ドイツ寄りのフランスというエリアの風土に根差したラストであるという事からまずはそちらを使ったモデルをやり、次にこれまた他にはないパテーヌのローファーをノルウィージャンで、というのをやって、更に他ではない物を求めてデザインをぶつけて完全オリジナルで作ってもらったサドルシューズをこれまたパテーヌ、しかも2トーンのパテーヌで作ってもらうというのをやってきました。で、もうこのブランドへの理解と他ではラインナップしていないしやろうともしないであろう物を充分にラインナップしたので、そろそろこのタンカースタイプにいっても良いかな、と思いましたが、でももうパテーヌは続けてやったしなぁ。他が初っ端からぶっ込んでいる普通のデュピュイで作るというのもどうにも食指が進まないし、さてどうしよう、というところにコードヴァン出来るんですよねぇ、という話が。

コードヴァンの場合素材の価格が製品価格に占める割合が大きいので、もしかして工賃の差はコストに吸収出来るんじゃないか、と思ってこのチェッセをコードヴァンで作るという見積もりをお願いしたんです。そしたらこれ、コードヴァンのウィングチップよりも2割近く安くプレーントゥとコストはほぼ変わらないという事に。我ながら良い読みだな、というのに自画自賛しつつだったらこのハイエンドモデルをハイエンドな革で別注する事にしました。そしてホーウィン社で廃番になっているウィスキーコードヴァンが、マリンジェが採用しているイタリアの老舗タンナーであるロカド社にはあるという事で、ここは鉄板に勝ちに行かせて頂こう、という事でJMウェストンのハイエンドモデルをマシンノルウィージャンで価格を下げつつホーウィン社で廃盤となった人気カラーであるウィスキーカラーで作るという別注になった次第です。

更にマリンジェのこのモデル、クラシックラインのディテールの特徴としてタンの部分が袋状に左右の羽根に縫い付けられており、これにより小石や砂や水の侵入を防ぐ登山靴に使われる仕様になっております。これコードヴァンを使うと折り返している裏側までコードヴァンになるので若干ベロの持ち上がりは悪くなりますが、非常に贅沢な素材の使い方になります。実用性と贅沢な素材使いを兼ねたこの仕様、コードヴァンを使っている靴でこの仕様になっている靴はまず存在していないかと。そしてこれ発注当時のままの価格ですので132,000円(税込)とコードヴァンとしては破格な設定な上、これがオールEU製(素材も製品も)にしてフランス製なノルウィージャン製法(しかもトリプルステッチ!)の靴でこの価格だというのは、ディンケラッカーが今オフィシャルサイトにラインナップしているコードヴァンでノルウィージャン仕様の靴が円換算すると30万近い価格になっていることを考えると、フランスでノルウィージャン製法のコードヴァンの靴、現在ではマリンジェだけでそれがディンケラッカーの1/2以下の価格(オールハンドのディンケと一概に比べられませんが)というのは凄いですよね。総じてコードヴァンの本格靴はオールデンでもトリッカーズでも20万前後になってますし、どう見てもこの価格で買えるのは美味しいのでオススメです。現在サイズは40・41・42の3サイズ各1足ずつ担っておりますので、気になった方はお早めに。本セールの権利をこういうアイテムに使うと引かれる金額が結構な高額になりますし、20万の靴ともなればなかなか実際に使う実用品としてはリアリティがありません、このぐらいならまだ手が出る範囲だと思いますので、要チェックかと。

てな感じでカジュアルクロージングのコーディネートを提案する銘作紹介を続けてまいりましたが如何だったでしょうか。明日から数回は真逆に振ってリーズナブルなアウトドア&ミリタリー寄りなカジュアルコーデを提案してまいります、お楽しみに。

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posted by mercier at 23:10| Comment(0) | Main | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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